解決不可能な密室殺人4選

じっちゃんの名にかけて推理しても恐らく解決できそうにない「伝説の難事件」をご紹介します。

密室殺人」はこれまで数多くの推理小説で扱われてきました。

その理由は、一見するとこれが実現不可能に思えるからでしょう。

密室殺人には必ず、

ドアに内側からカギのかけられた部屋で被害者の死体が発見される

という共通点があります。

これにより、被害者を殺害した後で犯人がいかにしてその場を立ち去ったのかが大きな謎となるわけです。

密室トリックは、古くは『シャーロック・ホームズ』の中にも出てきますが、「密室」という要素自体が書物に登場するのは、何と『旧約聖書』にまで遡ることができるのです。

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1 家政婦を襲った悲劇

ドア

1920年6月11日午前8時過ぎ、ニューヨークで家政婦として働くマリー・ラースンは、いつものように、雇い主であるジョセフ・エルウェルが住むアパートにやって来ます。

ドアの鍵を開けて中に入ると、そこには椅子に座っている一人の男性が。

彼の膝の上には読みかけの手紙があり、その側には未開封の手紙が積まれていました。

手紙

ただし、この時のラースンは、手紙など目に入らなかったでしょう。

というのも、その男性は、頭部を撃たれて死んでいたのですから。

この事実に気づいた瞬間、ラースンはパニックに陥ってその場から直ぐ走り去りました。

最初、彼女は「知らない人が死んでいた」という発言を繰り返していたのですが、後の捜査により、死体はジョセフ・エルウェル本人だと確認されたのです。

一体エルウェルに何があったのか。

階段

凶器の銃が現場から発見されなかったため、自殺の可能性は考えられません。

ドアの鍵がこじ開けられたような形跡は無く、彼は犯人を自ら招き入れたようです。

つまり、エルウェルと犯人とは顔見知りの仲

椅子に座って二人で会話をしている最中に、エルウェルはいきなり撃たれたのでしょう。

椅子

部屋の中には金目の物が山ほどありましたが、何一つ盗まれていませんでした。

ということは、犯行の動機はおそらくエルウェルに対する個人的な恨み

彼は自他ともに認める色魔であり、未婚・既婚を問わず何人もの女性と関係を持っていたようです。

キス

そいういった女性たちの夫から命を狙われるのも十分ありえる話。

実際、エルウェルを殺したいほど憎む者は数百人いる可能性もあると警察は考えていました。

また、犯人はエルウェルの死体から弾を取り出し、それをよく見える場所に置いておくという異常な行動に出ており、これはエルウェルに対する強い怒りがそうさせたのかもしれません。

弾丸

一方、エルウェルも自分に敵が多いことは百も承知しており、常に警戒心を抱いていたと見られています。

そんな彼があっさり部屋に入れた相手ですから、その人物は少なくとも「」ではなかったと考えてよいでしょう。

しかし、それが一体誰であったのかは謎のまま。

完全に迷宮入りです。

ちなみに、この事件の謎に関しては、ある大胆な仮説があります。

それは、真犯人は家政婦のマリー・ラースンではないか、というもの。

この事件が推理小説であれば、おそらくそれが妥当なオチでしょう。

ただ、雇い主を殺して職を失うリスクを犯すほどの動機が彼女にあったのかというと…。

2 不必要な密室状態

ニューヨーク

ニューヨーク5番街東132丁目に、イシドア・フィンク(30)という男性が経営するクリーニング店(兼自宅)がありました。

1929年3月9日午後10時半ごろ、 その店の隣人から警察に通報があり、それによると、言い争うような声に続いて叫び声が隣から聞こえたとのこと。

駆けつけた警察官がフィンクの店に入り奥へ進むと、そこには内側からガッチリ施錠された部屋が。

部屋の外側からはどうやっても開けられないので、仕方なく警察は、ドア上部にある採光窓から小さな男の子に侵入してもらい、ドアを開けたのです。

窓

部屋の中へ入った警察官は、フィンクの死体を発見。

彼は胸を銃で数回撃たれており、そのうち一発は左手を貫通していました。

凶器に使われた銃はどこからも発見できず。

フィンクの服のポケットおよび店のレジに金銭が残っていたことから、強盗の可能性は低いと考えられます。

レジ

それにしても、犯人はどうやって密室状態を作って逃げたのか。

すぐに思いつきそうな仮説としては、フィンク殺害の後(あるいは前)にドアを施錠しておき、犯人は採光窓から外に出たということが考えられます。

しかし、子供がやっと通れるほどの穴から大人が抜け出せるものなのか。

また、別の考え方として、犯人は部屋に入ることなく、採光窓の外から直接フィンクを狙撃したのかもしれません。

ただ、フィンクは至近距離から撃たれていたため、この説もやや無理があります。

ドア

そもそも犯人はなぜ密室状態にしておいたのか。

自殺に見せかけようとした可能性はありません。

それは、凶器が発見されなかったことから明らかです。

つまり、他殺しかありえないわけですが、では、フィンクは誰に命を狙われていたのか

この点に関して、フィンクの店の客や付近の住人から気になる情報が得られました。

殺される少し前から、彼は異常なほど警戒心が強くなり、常にドアに鍵をかけ、信頼のおける人しか中には決して入れなかったとか。

しかし、彼を狙っている人物がいたとしても、それが誰なのかまでは分かりません。

数年後、ニューヨーク市警の警察本部長は、この事件のことを「解決不可能なミステリー」であると公言しました。

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3 自殺でもなく、他殺でもない

ドア

2007年6月2日、米国サンフランシスコのアパートで、ある部屋の玄関のドアノブにべっとりと血が付いているのを隣人が見つけました。

通報を受けて警察官が到着しましたが、ドアはロックされていて、簡単に解錠できる状態ではなかったため、仕方なく彼らはドアを蹴破って中へ

そこにあったのは一人の男性の死体

被害者は、その部屋に住んでいたユーグ・ド・ラ・プラザでした。

彼の体には首・胸・腹部の三箇所に傷があり、所持品などは部屋の中にばら撒かれていたのです。

複数の隣人の話によると、ド・ラ・プラザの部屋のドアを強く叩く音が3回したかと思うと、続いて誰かが走り去る足音が聞こえたとのこと。

現場から発見された物で凶器になりうるのはナイフのみで、それは流し台で洗われた形跡がありました。

シンク

仮に、彼の死が他殺によるものだとすると、走り去る足音を聞かれてしまった人物こそが犯人だと考えて間違いないでしょう。

しかしそうなると、犯人はどうやって密室状態を作り出したのか。

この点の謎が解けないため、警察はこの事件をあくまで「自殺」として処理しました。

ところが、自殺であると考えた場合、血の付いたナイフを洗ったのは一体誰なのかが問題となります。

つまり、自殺と捉えても他殺と捉えても、解決できない謎が出て来るのです。

4 地下鉄の殺人

地下鉄

1937年5月16日、レティシア・トゥーロ(29)という女性が、地下鉄のポルト・ド・シャラントン駅からパリ行きの列車に乗ります。

彼女が乗ったのは一等車で、同じ車両に他の乗客はいません。

大恐慌の影響が残る当時のフランスでは、一等車の切符は誰もが気軽に買えるものではありませんでした。

一等車は、二等車との間を行き来することは出来ず、一旦列車が動き出せばそこは完全な密室です。

出発してから約1分後、列車はポルト・ドレ駅に到着。

ここで6人の客が一等車に乗り込んできました。

座席

何気なくトゥーロの方に目をやった乗客は、彼女の様子にどこか違和感を覚えます。

近づいてよく見てみると、トゥーロは既に死んでいました

その側には、指紋の付いていない、長さ23cmの短刀が。

完全な密室状態で、しかも列車が一駅移動するわずか1分の間に彼女を殺害し、尚かつ逃走することは果たして可能なのか。

事件の捜査に当たった警察は、解決の糸口さえつかめない状態でした。

そんな中、この不可解な事件のことが報じられると、トゥーロ自身に対する世間の関心が高まり、彼女の送っていた二重生活が暴かれることに。

普段はニカワ工場で働くトゥーロは、その裏で、パリにある探偵社のために情報屋として活動していたらしいのです。

シークレット

武器の密輸などを行っていた犯罪組織「ラ・カグール」のリーダーたちと親密になり、彼らの情報を探偵社に売っていました。

しかし、闇取引の詳細が外部に漏れていると気づいたラ・カグールのリーダーは、次第にトゥーロを疑い始めます。

ということは、彼女はラ・カグールに消されてしまったのか

その可能性は十分にありそうですが、それを裏付ける証拠は何も無いのです。

そして、仮にトゥーロを殺害した犯人がラ・カグールであったとしても、走行する列車内でどうやって犯行を実現したのかという、この事件最大の謎が残ります。

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