「釣り銭間違い」の罠

コンビニやスーパーなどで買い物をして、レジで精算を済ませたとき、

あれ、釣り銭が多いような…」と感じた場合に潜むワナとは…。

もちろん、気付いていながらそのまま着服してしまえば犯罪である。それは誰しも感覚的には分かることだ。

しかし、一体どういう犯罪になるのだろうか。

盗んだ訳ではないので窃盗ではなさそうだ。では横領だろうか。なかなか難しい問題である。

じつは、「気付く」タイミングによって該当する犯罪が違ってくるのである。

釣り銭を貰ったときに気付いた場合

この場合は店員に対して、釣り銭が多いことを告げる義務がある。それを黙っていることは店員を騙していることと同視され、「詐欺罪」が成立する。

客が終始無言だった場合でも同じである。何も喋っていないのに「詐欺」というのは妙な感じがするが、言うべきことを言わないのも場合によっては詐欺なのだ。

家に帰ってから気付いた場合

周りに店員がいない状況で気付き、その上で多い分を着服しようと決めた場合は「遺失物等横領」となる。

気付くタイミングで犯罪が違ってくるというのは何とも妙な感じがしないでもないが、目の前に店員がいる状況で黙っている方がより強い非難を向けられると考えられるから、ある意味妥当な結論だろう。

とはいうものの…。

これはあくまで法律の学問的な議論の題材であって、実際にこの区別が問題になることなどまず無いだろう。

いつ気付いたか」などということは本人の主観の問題でしかないのだから、刑事政策的にこの区別を活用するのは極めて難しいと思われる。

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