「謎の声」に導かれて殺人を犯した人々4選

不安

殺人事件が起きたとき、社会が強い関心を寄せるのは、犯行の動機です。

将来、同じような犯罪を防ぐ上で、動機を明らかにすることは、重要な意味を持ちます。

しかし、常に動機が解明されるとは限りません。

時には、自分の中で、殺人を促す声が聞こえた、という犯人が現れることがあります。

これを、罪を免れるための戯言であると捉えるべきかどうかは、かなり難しい問題です。

(アイキャッチ画像:TheDigitalArtist/Pixabay)

【スポンサーリンク】

1 謎の声に嫉妬心を煽られ、妻を殺した男

カップル

Free-Photos/Pixabay

イングランドのサウスシールズに住む、アンソニー・ロスという男には、妻のメリッサと、二人の子供がいました。

2015年の母の日、当時25歳の彼は、自分の母親に電話をかけ、「頭の中で声がする」という話をします。

その声は、妻のメリッサ(当時23歳)が浮気をしている、と彼に語りかけていたとか。

同じ日、普段は花屋で働くメリッサに、彼女の母親が電話をしたところ、どういうわけか、いつまでも呼び出し音が続くだけ

不審に思った母親は、夫と息子に頼んで、メリッサの家に様子を見に行ってもらいました。

ドア

pasja1000/Pixabay

家のドアには鍵がかかっていましたが、彼らは力づくで中へ

そこで、メリッサの弟であるリーアムが、変わり果てた姉の姿を目にします。

彼女は、夫のロスによって、殺されていました。

残忍な攻撃を受けたことが明らかな、名状し難いその場の光景は、リーアムの心に深い傷を残すことに。

その傷は、時間とともに、癒えるどころか、益々彼の精神を蝕んでいき、事件から約9ヶ月後、リーアムは自殺

その後、ロスは、妄想型統合失調症であると診断され、刑務所ではなく、病院での生活を始めることとなりました。

2 神の声に従って殺人を繰り返していた看護師

女性

BarbaraJackson/Pixabay

エリザベス・ウェットローファーという、カナダ出身の女性は、頼れる看護師として、お年寄りの患者たちから圧倒的な支持を得ていました。

しかしながら、それはあくまで「表の顔」。

裏の彼女は、頭の中で「神の声」を聞き、その指示に従って、抵抗できない患者たちを殺していたのです。

犯行期間は、2007年から2014年の間で、カナダのウッドストックで7人イギリスのロンドンで1人を殺害。

殺害方法は、インスリンの過剰投与。

公式には、犠牲者の数は8人となっていますが、実際はそれよりもっと多いと見られています。

注射

geralt/Pixabay

連続殺人犯としては珍しく、彼女は自首して、犯行の詳細について自ら捜査機関に説明しました。

その説明には、彼女が、神の指示を受けて犯行に及んでいたことも含まれています。

ちなみに、その「神」は、犯行が終わると、決まって笑い声を上げていたとか

何とも不気味な話ですが、専門家の中には、神による指示の話は、彼女のウソであると指摘する人もいます。

曰く、犯行の動機に「神」の存在を持ち出すのは、連続殺人犯の常套手段である、と。

2016年に、ウェットローファーは、裁判で終身刑を宣告されました。

3 殺害を命ずる声に従い、恩人を手に掛けたホームレス

ホームレス

lannyboy89/Pixabay

イギリスのエセックスに住む、スコット・ヒリングという男は、若くしてホームレス生活を送っていました。

2015年、当時26歳だった彼は、キャスリーン・グリフィンという57歳の女性と、共通の知人を通じて知り合うようになります。

スコットの窮状を知った彼女は、自宅の空いている部屋を、快く彼に提供しました。

スコットにとって、これ以上有り難い話はありません。

それから彼は、キャスリーンの家で寝泊まりをすることに。

ところが、同年12月17日、彼がキャスリーンの家にいるとき、本人の話によると、頭の中で「彼女ヲ殺セ」という声が聞こえたとか。

そして、台所からナイフを持ち出すと、キャスリーンに向かって、

俺は、アンタを殺さなきゃならない

と一言。

テーブル

moshehar/Pixabay

その言葉を真に受けず、ただ笑うだけの彼女を、スコットはナイフで襲いました

この時の様子に関する、スコットの供述は、実に奇妙というか、不気味です。

その供述によると、ナイフで攻撃を加えている最中、キャスリーンは、普通に彼と会話をしていたとか

スコットがタバコを渡すと、彼女はそれを吸い始め、また、見たい番組があることを思い出したスコットは、途中で15分ほどテレビを観て、それから殺害行為を再開。

これが本当なら、殺人が行われていたとは考えにくい状況ですが、彼女がスコットによって殺されたのは、確かな事実です。

後の裁判で、彼は、懲役16年を言い渡されています。

4 映画の中の予知能力者に命令される人生

目

TBIT/Pixabay

2015年、イギリスのウェスト・ロンドン在住のビリー・ホワイト(当時23歳)は、恋人のルーシー・エアリス(当時25歳)を、自宅で、キッチンナイフを使い、刺殺しました。

逮捕された後、彼が警察に語ったところによると、「アガサ」が、ルーシーを殺すように彼に命じたとのこと。

アガサとは、2002年に公開された、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』というSF映画に登場するキャラクター。

アガサが持つ予知能力を利用することで、主人公が所属する警察は、数分先の未来に犯罪を犯すであろう「犯人」を、事件発生前に逮捕することが可能となるのです。

ホワイトは、精神疾患を抱えていた過去があり、また、以前から、頭の中で彼に話しかける声の存在を、排除できずにいたとか。

事件を起こす少し前、彼は、ルーシーの娘(8歳)に対し、

お前のママを殺して、家を燃やすつもりだ

と話していたらしいのですが、これも恐らくは、アガサの指示と関係があるのでしょう。

ストレス

HolgersFotografie/Pixabay

ルーシー殺害後、ホワイトは、自分の母親に電話をかけ、犯行について全てを話し、すぐに来て欲しいと伝えました。

母親が到着すると、家の中には、体に血を浴びた息子の姿が

しばらくして警察が来ると、彼は、ただひたすら謝罪を繰り返すばかりだったとか。

専門家の話に基づけば、ホワイトは、幼い頃に件の映画を観てから、自分の中にアガサという人格を作ってしまった可能性があります。

映画の中のアガサは女性ですが、ホワイトに話しかけるアガサは男性であり、何かにつけて彼の行動を制御してきました。

もちろん、ホワイトが語る、アガサの存在は、自分の罪を軽くしようとする彼の策略という見方も出来ますし、実際、そう指摘する精神科医もいます。

しかし、仮に、彼が本当に、アガサの指示によって、やむを得ず殺害を決行したのだとすれば、これは、かなり不幸な事件と言えるでしょう。

ホワイトは、裁判で終身刑を宣告されています。

【スポンサーリンク】