ネットに殺された人々

スマホ

ネットに有害な面があるのは誰でも把握しています。

しかし、ネットがもたらす恩恵の方がはるかに大きいので、ネットそのものが問題視されることはほとんどありません。

問題は、ネットに潜む「悪意」にどう対処するかということでしょう。

この点、一般的に子供はネットの影響力に対して脆弱です。

よって、我が子にスマホを買い与えるタイミングは親としては悩みどころ。

さらに、子供だけでなく、場合によっては大人でさえネット上の悪意に屈してしまうこともあります。

(サムネイル:TeroVesalainen/OpenClipart-Vectors/Pixabay)

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1 生きるか死ぬかを決める投票

選択
Ramdlon/Pixabay

今年、マレーシアのサラワク州で、16歳の女性が自殺しました。

彼女が自ら命を絶つ直接のきっかけになったのは、ネットの投票。

何かに思い悩んでいた彼女は、あるときインスタグラムで自分のフォロワー達に次のような質問をしたのです。

「重要なことだから、決めるのを手伝ってほしい。

生きるべきか、死ぬべきか……」

良識のある人間なら、死のうかどうか迷っている人を目の前にすれば、死なないように説得するのが普通でしょう。

しかし、ネットとなると話は別。

彼女の質問に対し、69%の人が「死ぬべき」という方に投票。

その数時間後に彼女は自殺しました。

マレーシアの法律では、未成年者に対して自殺を教唆した者は、死刑または20年以下の懲役に科せられます。

これはすなわち、人として最悪の投票をした69%の者たちは、刑事罰を受ける可能性があるということ。

近年、マレーシアでは、若い世代を中心に自殺者が増加傾向にあり、深刻な問題となっています。

2 ネットが全てになってしまった男性

iPad
niekverlaan/Pixabay

イングランド北部のヨークに住むジェイク・ブレイスウェイトの生活は、iPadを買ってから一変しました。

自閉症に苦しみ、もともと友人が多くなかった彼は、フェイスブックなどでアカウントを作るやいなや、フレンドを増やすことに躍起になりました。

傍から見るとその様子はまさに中毒状態で、彼にとってはネットの世界こそが全てになったのです。

両親は、ネットの利用時間を制限するなどの対策を取ったものの、ジェイクがネットにハマるのを完全には阻止できず。

ネットのやり過ぎで頭痛に悩まされても彼はネット生活から抜け出せませんでした。

iPad購入から6ヶ月が経過したとき、ジェイクは20歳にして自殺。

純粋すぎる彼には、ネット上に飛び交う悪意に満ちたコメントに精神が耐えきれなかったのだと、彼の両親は考えています。

3 弱者を標的にするチャットルーム

チャット
geralt/Pixabay

ネット上のチャットルームは、自分が関心のある話題などで、多くの人と意見を交わすには非常に便利。

ただ、悪意のあるユーザーが絡んでくると、時に人の命を奪ってしまうほどの危険な面があります。

今から12年前、アメリカのウェブサイト「パルトーク」内のビデオ・チャットルームで、ユーザーどうしの罵り合いが続く中、一人の男性が自殺しました。

亡くなったのはイギリス人電気技師のケヴィン・ウィトリック(42)。

その時、彼が死ぬ瞬間をチャットルームの約60人のユーザーが見ていました。

また、2017年のクリスマスの日、グレゴリー・トムキンスという39歳の左官職人が、パルトークでのビデオチャット中に自殺。

2018年には43歳の男性が、やはりパルトークのビデオチャットをきっかけに自殺。

チャットルームに参加しているユーザーが自殺するケースには、ある共通点があります。

自殺した人たちは皆、何かしら深刻な悩みを抱えており、それをチャットルームで打ち明けていました。

パルトークの利用者の中には、彼らのような弱者を見つけると、その相手をゲーム感覚で自殺に追い込もうとする連中がいます。

そういう者たちは、

「さっさと死ねよ。お前なんて生きる価値ないから」

などといった言葉を浴びせ続け、相手を絶望させるのが常套手段となっていたのです。

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