知っているようで意外と知らない、ゲームに関する豆知識を、現国の試験問題風にご紹介します。
英語検定試験を受ける人は多いですが、我々の生活に英語よりもはるかに深く浸透しているのはゲームです。
その意味では、英語の知識よりもゲームの知識の方が重要と言えるでしょう。
もちろん、英語が堪能であれば、イザという時に役立つ可能性が無いことも無い、と言っても過言ではないかも知れません。
しかし、外国人観光客に英語で道案内したり、定休日の店を覗き込んでいる外国人を助けたりという、一生に一度あるか無いかの超激レアイベントのために英語のスキルを磨くことにどれほどの意味があるのか。
そんなことに時間を費やすくらいなら、日々の生活に夢と希望と生き甲斐を与えてくれるゲームをもっと楽しみましょう。
そして、ゲームに関する知識を増やせば、ゲームライフもより充実したものになります。
ということで、どう考えても無理がありすぎる屁理屈を並べたところで、早速ゲーム検定の試験問題に参りましょう。
〈originally posted on March 2,2018〉
問1 リマスターとリメイク
リメイク版
を予約したと思ったら、実はリマスター版だった……。
リマスター版を購入したと思ったら、実はリブート版だった……。
リブート版を注文したと思ったら…。
リマスター、リメイク、リブート、リファイン、リニューアル、リダックス……。
どれも同じものを指しているようで、微妙に違う。
何でこんなに色んな呼び方があるのか。
そう疑問に感じたことのある人は少なくないはず。
ちなみに、日本のメーカーは、「Re:」というように何故かコロンを付けたがります。
英語圏の人にとっては全く意味不明だったこの表現も、あまりに頻繁に目にするので、今となっては日本人の使う奇妙な英語として徐々に市民権を得つつあるようです。
話を本題に戻して、まずは「リマスター版」からいってみましょう。
これは、昔発売したゲームにつき、そのグラフィックスを現行ハードウェアに合わせて一新し、場合によってはそれまでにリリースしたDLCを全て含めたもののことです。
ゲーム画像がより美しくなったという点を除けば、ストーリー、キャラクター、ゲームシステム等は全てオリジナルのままであり、何一つ変わっていません。
仮に、リマスター版の価格がフルプライスだとすると、元のゲームをプレイ済みの人にとっては、やや価格が高いという印象があるでしょう。
しかし、時にリマスター版は、それがPC用であれば、元のゲームの所有者に格安又は無料で提供されることもあります(Steamの『バイオショック』3部作のリマスター版など)。
一方、「リメイク版」は、元のゲームと比べて画像がキレイになっただけでなく、それ以外の面においても様々な改善が施されていて、もはや別のゲームと言うべきものを指します。
そんなリメイク版の中で、多くのゲーマーから最も期待されているゲームの一つが、『Final Fantasy VII』。
各キャラクターの造形や、建物、町並み、バトルシステムなどは、1997年に初代プレイステーションで発売されたものとは完全に別物と化しています。
リメイク版は、元になったゲームを土台にして、新たに一からゲームを作るのに近いですから、開発費や開発期間もそれなりにかかります。
よって、リメイク版は大抵フルプライスとなっています。
メーカー側から見れば、一般的にリマスター版はリスクが少ないのに対し、リメイク版は一定のリスクが避けられません。
不朽の名作と呼ばれた『FF 7』のリメイク版が、少々ガッカリな作品となる可能性もゼロとは言い切れないのです。
答え
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問2 マインクラフト開発会社
ゲーム業界における「ファーストパーティ」とは、ゲーム機を作っている会社について、その内部にある開発チームや、その会社の子会社のことを指します。
通常、ファーストパーティは、スマホを除けば特定のゲーム機専用のソフトしか開発しません。
任天堂のゲームが遊べるのは任天堂のハードだけであり、マリオの新作がPS5やXboxで出ることは無いのです。
もともと、ゲーム業界にはファーストパーティの会社しか存在していませんでした。
しかし、1979年にアメリカでアクティビジョンという会社が設立され、ここからサードパーティの歴史が始まります。
サードパーティと言えば、基本的には特定のゲーム機に縛られずにゲームを開発している会社。
大半のゲーム開発会社がこれに該当します。
ファーストとサードがあるなら、セカンドは無いのかと言いたくなりますが、ちゃんとあります。
セカンドパーティとは、ゲーム機を作る会社からは独立しているものの、開発する一部または全てのゲームが特定のゲーム機専用である会社を指します。
最も有名なところでは、『ポケモン』シリーズ(『ポケモンGO』等は除く)を開発しているゲームフリークが挙げられます。
ゲームフリークは、会社としては任天堂から独立していますが、ポケモンのゲームに関しては任天堂のハードでしか開発していません。
海外の例ですと、インソムニアック・ゲームズという会社も、2013年まではプレイステーション用のゲームしか開発していませんでした。
そして、以上のルールから完全に外れている例外的な存在が、モヤンです。
モヤンは2014年にマイクロソフトに買収されました。
となると、表面的にはファーストパーティですから、マイクロソフトのハード専用のゲームを開発して然るべきですが、実際にはあらゆるゲーム機に向けて開発を続けています。
答え
問3 使われないゴミデータ
ゲームディスク
の中にどういったデータが記録されているのかというのは、普通は誰も気にならないでしょう。
しかし、世の中にはそういった部分がどうしても気になる人がいて、彼らは特殊な手段を用いてディスク内のデータを丸裸にします。
すると、ゲーム中には全く使われることの無いエリアや建造物、キャラクター、アイテムなどのデータがそのまま残っている場合があるのです。
何故そんな無駄な物が記録されているのか。
その原因は、現在のゲーム開発が、非常に多くのスタッフによる分業から成り立っていることと関係があります。
ゲームの開発が終盤に差しかかったとき、あるマップのデータが結局そのゲーム内で一度も使われないと判明したとします。
しかし、実際のゲームに登場しなくても、ゲーム中に他のプログラムがそのデータに何らかの形で依存しているかもしれません。
そういう場合にそのデータを丸ごと削除してしまうと、いわゆるバグが発生する可能性があります。
それを避けるためには、そのデータを削除してもゲーム全体が正常に動くことを改めて確認せねばなりません。
つまり、「不要なデータ」を削除することは、それ自体が新たな仕事を生むことになり、開発コスト増加に繋がります。
そんなリスクを犯すくらいなら、無駄なデータでもとりあえずそのまま放置しておく方が安全なのです。
そもそも、ディスク内のデータを覗き見るユーザーなど、ごく少数に過ぎないのですから。
答え
問4 「Sランク」の由来
「よっしゃー! Sランク出たー! リセマラ終了~」
今日も日本のどこかでこういう台詞を叫んでいる人が絶対にいます。
およそ全てのゲームジャンルにおいて、プレイヤーは何かしらの「ランク」から逃れることは出来ません。
どれだけ多くの敵を殺したかによってランクが決まるFPSもあれば、いかにスタイリッシュに敵を倒したかによってランク付けされるアクションゲームもあります。
スマホのゲームをやる人であれば、SランクやSSランクといった言葉はお馴染みでしょう。
レアなキャラクターや武器を多く所有しているかどうかで、ゲームの楽しみ方はかなり違ってきます。
では、この「Sランク」という言葉は一体どこから来たのか。
アメリカなどでは、学校で教師が成績を付けるのに「A+」や「B-」など、アルファベットと正負の記号を使うことが定着していますが、「S」を使う習慣はありません。
意外なことに、「Sランク」発祥の地は日本なのです。
1972年にイギリスのロックバンドであるレッド・ツェッペリンが日本武道館でコンサートを行った際、座席の等級を表すのに、初めて「S, A, B」というアルファベットが使われました。
この「S」は、普通に考えて、「特等席」を意味する「special seat」の「S」でしょう。
そして、S席・A席・B席といったランク付けでのチケット予約が当たり前となり、、その後スポーツ界でも使用され、やがてゲームの世界にも進出したのです。
答え
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問5 ローディング画面
ゲームを遊ぶ上で絶対に避けられない、プレイヤーにとって全く無駄な時間。
それは、ローディングを待っている時間です。
エリアを移動するとローディング。
建物に入るとローディング。
イベントが始まるとローディング。
確かに、それぞれのローディングにかかる時間はわずか数秒ですが、しかし数秒であるからこそ、その間に何か他の作業をするわけにもいかず、大抵はじっとディスプレイを見つめるだけになってしまうのです。
プレイヤーにとって非常に厄介なこのローディングの裏では、一体何が行われているのか。
例えば、ディスク版のゲームを購入した場合、そのディスクにはゲームの進行に必要となる膨大なデータが記録されているわけですが、それらのデータはそのままの状態でゲーム中に使用されるのではありません。
実際にゲーム画面を表示する際に必要となるデータ(グラフィックス関係、サウンド関係など)は、「RAM」という記憶領域に一旦コピーされねばならないのです。
これは、ゲームをHDDやSSDにインストールしていても同じこと。
何故RAMへのコピーが必須なのかといえば、ゲームを動かすための無数の演算処理を行う上で、超高速でデータのやり取りが出来るRAM上にデータが存在しているのが最も都合が良いからです。
しかし、そんな優秀なRAMにも欠点があります。
HDDやSSDに比べると容量がずっと少なく、しかもゲーム機の電源を切るとRAM上のデータも消えます。
これはつまり、予めゲームのデータを全てRAMにコピーしておくのが現実的ではないということ。
となると、ゲームの進行に合わせて、必要なデータをその都度RAMにコピーするという過程が必要になり、これが、あらゆるプレイヤーが経験する「ローディング画面」を生んでいる原因なのです。
答え