「悪魔」と化した8歳児が、自分を殺してくれと母親に懇願

本

ある日突然、我が子に別の人格が現れ、悪魔のような言動を始めたら…。

そんな体験を実際にしたのが、イングランド南部ウィンチェスターに住むジョアンヌ・ヒューレット(44)です。

彼女が、息子のウィリアムの奇妙な様子に気づいたのは、昨年の3月。

彼は、何の前触れも無くボタンを怖がるようになり、ボタンの付いた服も着ないようになりました。

おまけに、ボタンの付いた服を着た人が用意した食事も一切口にせず。

数カ月後には、シリアル以外の食べ物を全て拒絶するところまで事態が悪化。

朝食

同じ年の9月、彼は急な発熱で倒れました。

それから一週間後の9月12日、彼は、何かに取り憑かれたかのように、その見た目や言動が激変します。

顔色は青白く、目は死人のような印象を与え、行動は攻撃的になりました。

さらに、部屋のカーテンから血が滴り落ちる幻覚まで見えていたのです。

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両親の姿をしっかりと見据えながら、「お母さんはどこ?お母さんを連れてきて」という言葉を繰り返すウィリアムに、彼女は背筋が凍る思いだったとか。

ジョアンヌを最も恐怖させたのは、ウィリアムが「自分を殺して欲しい」と言いながら、しきりに神に祈っていたこと。

その祈りが届かないと悟ると、彼女の方を見ながら、「神様が出来ないのなら、代わりに殺してくれる?」と聞いてくる有様。

しかも、「バスの前に僕を突き飛ばせばいいよ」という提案までしてきました。

バス

その恐ろしい考えは一体どこから湧いてくるのか。

ギターやサッカーに興味を持っていた息子はどこへ行ってしまったのか。

ジョアンヌには皆目見当が付きませんでした。

突発的に家の中を走り回り、手当たり次第に物を放り投げ、そうかと思えば、存在しない何かに心底怯えだすことも。

変わり果てた息子はまるで、映画『エクソシスト』に登場する、悪魔に憑かれた少女そのものだったとか。

悪魔

2つ年上の姉シャルロットは、平穏な生活を送れないので、友人宅に泊めてもらうこともよくありました。

学校の授業でウィリアムが提出した課題を見てみると、筆跡が酷く乱れていて、何が書かれてあるのかすら分からないほど。

息子に何が起きたのかを明らかにすべく、様々な医師・専門家に相談し始めてから一年が経ったとき、ウィリアムの抱えている症状について、ようやく一つの答えが出ました。

それは、「PANDAS」と呼ばれる症状。

まだ医学的に十分証明されていないので、仮説の域を出ていませんが、これは、免疫反応に異常が生じることで、子供の脳内に炎症が発生するという、精神神経疾患の一種です。

この症状を抱えている子供に見られる特徴としては、強迫神経症過度の偏食言動の急激な変化など。

また、この病気は他の病気と混同される可能性が高く、早期に適切な治療を受けるのが難しい面があるとされています。

ウィリアムの両親は、息子にこの病気を引き起こした直接の原因は、家の壁に発生していたカビであると考えて、すでに引っ越しを済ませ、さらに、今後アメリカに渡って根本的な治療を受ける予定です。

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エクソシスト症候群

ロウソク

ウィリアムの場合、本当に何かに取り憑かれたわけではなく、あくまでそのように見えただけですが、このような症状は他にも報告例があります。

キャメロン・リンゼイという14歳の少年は、地元のクリケット・チームでキャプテンを務め、学校では合唱部に所属し、もともとは非常に温厚な性格をしていました。

しかし、今から3年前、突如として彼は凶暴化し、ナイフを手にしながら両親を威嚇するようになったのです。

また、時には自傷行為に走ろうとしたり、自室の窓にアドルフ・ヒトラーの姿を見たりすることも。

医師の診断の結果、彼の症状もやはり「PANDAS」でした。

キャメロンは過去に猩紅熱(しょうこうねつ)に感染したことがあり、これが「PANDAS」の原因ではないかと見られています。

彼の場合、同じ症状を抱えている患者の中でもかなり深刻な状態となっており、その苦しんでいる様子はまさに悪魔に憑かれた人そのもの。

ここまで酷い症状になると、この病気は「エクソシスト症候群」と呼ばれることもあります。

母親のナターシャが息子の異変に気づいたときの気持ちは、彼女によると、

「息子が誰かに誘拐されたのに、その息子がずっと家にいる感じ」

「悪魔が息子の体を乗っ取っているようでとても恐ろしい」

とのこと。

2015年3月、北アイルランドの病院で治療を受けてから、彼の症状はほとんど無くなりました。

ところが、その6週間後、また症状が戻ってしまったのです。

それ以来、彼は入退院を繰り返す日々を送っていますが、未だに完治しておらず、母親を攻撃しようとする傾向も消えていません。

時々、キャメロンは手が付けられない状態になることがあるので、先ほどのヒューレット家と同様、彼の12歳の妹アニーは、友人の家に泊まることが多いとか。

キャメロンは現在も学校には通っていますが、学校にいられる時間は週に6~9時間が限界。

6週間だけでも息子を取り戻せたことを、ナターシャは前向きに捉えていますが、彼女の戦いはこれからも続きそうです。

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