日本のメーカーは、どういうわけか、商品名に「大人の」という言葉を付けるのが好きです。
最初にそれを始めたのが、どこのメーカーなのかは分かりませんが、有名なのは、永谷園の「おとなのふりかけ」でしょう。
永谷園のウェブサイトを見ると、この商品の説明欄には、
「おとなもこどもも満足のふりかけです」
と書かれてあります。
大人も子供も満足なのであれば、何故「おとなのふりかけ」なのか。
しかも、パッケージには、わざわざ「おとな」に傍点が。
さらに言えば、「おとなのふりかけ ミニ」などという商品まで存在しており、こうなると、大人向けなのか子供向けなのか、訳がわからなくなります。
「大人の」を商品名に付ければ、何となく高級な感じがするということなのでしょうか。
最近、マクドナルドも似たようなことをやり始めました。
現在、期間限定で販売されている、「大人のクリームパイ」です。
「大人とはなんぞや」と題された、この商品のテレビCM(YouTubeで視聴可能)を観ても、このクリームパイのどの辺りが大人なのかはサッパリ。
公式サイト上の、商品ページには、「大人の心を満たすクリームパイです」という説明があるのですが、「大人の心を満たす」というのは、「大人の」という表現とほぼ同義であり、説明にはなっていません。
食品関係には、「大人の」を付ければ、それなりに、何となくイイ感じになるという固定観念が、メーカー側にあるような気がします。
しかし、大した意味が込められておらず、飾り程度のものとして付けるくらいなら、「大人の」は削除するべきでしょう。
例えば、「贅沢クリームパイ」といった名前の方が、商品コンセプトは、より具体的に伝わります。
大げさかも知れませんが、何でもかんでも「大人の」を付けることには、大きなワナが隠れているような気がしてなりません。
(アイキャッチ画像:akiragiulia/Pixabay)