banana

訳の分からない作品でガッポリ稼ぐ。

アートの世界というのは謎です。

何をどう解釈すればいいのか途方に暮れてしまうようなものでも、それがアートなのだと言われれば、なるほど、これがアートというものなのかと妙に納得してしまう。

分かる人には分かる、などど言われると、分からない自分がアホ認定されそうで、分かったフリをしたくなる。

で、結局はサッパリ分からないのです。

むしろ、常人には分からないからこそアートと言えるのかも知れません……。

(アイキャッチ画像:IsaacFryxelius/Pixabay)

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1 最凶のウイルス満載パソコン

pc

Jackson_893/Pixabay

役所が廃棄する予定のハードディスクを転売しようと考える社員がいるのはまだ理解できますが、ウイルス満載のパソコンを売ろうとするのは普通ではありません。

2019年5月、世界で最も凶悪とされるコンピュータ・ウイルス6種に感染したノートパソコンがオークションに出品され、アート・コレクターたちの注目を集めました。

そのPCは、不注意に危険なサイトばかりを巡回していた人の中古パソコンというわけではなく、サイバーセキュリティ会社協力の下に作られた、れっきとした芸術作品です。

作品名は、「混沌の永続」。

サポート期限がとうの昔に切れたWindowsXPを搭載しており、安全のため、ネットには繋げないようになっています。

最悪のウイルスとされる「ウォナクライ」を筆頭にした6種のウイルスは、世界中で約950億ドルの損害を与えたとされるほどの危険度。

制作者の話によると、この作品に込めた意図は、人類に脅威を与えてきたものを具現化することだったとか。

確かに、こんな危険なパソコンが出回ったら、世界は混沌から逃れられないかも知れません。

この作品は、最終的に130万ドルで落札されています。

2 他人のインスタグラムでぼろ儲け

インスタグラム

geralt/Pixabay

アーティストというのは、他人が真似できない作品を生み出すことに存在意義があると思うのですが、それとは真逆のアーティストもいます。

ニューヨークで活動を続けているリチャード・プリンスは、他人の褌で相撲を取るだけでなく、それで大関昇進を目指したとでも言うべきアーティスト。

2014年、彼は、他人のインスタグラムの写真を拡大印刷し、それを自分の「作品」として使い、個展を開きました。

展示された37点の写真は特に加工されておらず、インスタグラム内で閲覧できる写真そのままです。

写真の投稿者には一切許可を取っていません。

ある女性は、自分の写真が勝手に使用されているのを友人から知らされ、さらにその写真が9万ドルで売却されたことを知って驚いたとか。

ただし、その女性はリチャードを訴えるつもりは無いそうです。

実はこのリチャード・プリンスというアーティスト、他人の写真を無断使用することで悪名高い人物。

過去には訴訟を起こされたこともあります。

しかし、この「インスタグラム・アート」に関しては、単なる写真を「作品」に昇華させたのは自分なのだから、問題ないと主張しました。

3 ホームレスの生態という「アート」

ホームレス

useche70/Pixabay

他人が思いつきそうにないことをするという意味では天才的と言えるのが、デンマーク出身のクリスチャン・フォン・ホーンズレスというアーティスト。

2017年、彼は自分のアート・プロジェクトとして、実在するホームレスを売りに出しました。

と言っても、人身売買などではありません。

「出品」された一人ひとりのホームレスには追跡装置が取り付けられているので、購入者は専用のスマホアプリを使って、対象となるホームレスの現在位置を24時間把握できるのです。

ホーンズレスはこれを、「リアル・たまごっち」であると言っています。

ちなみに、実際に購入した人もいるそうです。

ホームレスの生態を垣間見たいという人が買ったのかも知れません。

もちろん、このプロジェクトに参加したホームレスの人たちも、追跡装置やアプリについては了承済み。

あるホームレスの男性は、

これを人権侵害だとは思ってないよ。

俺が何をしていようが、スクリーン上の点に過ぎないわけだし、それを見るのも購入者に限定されてる。

それに、どのみち俺たちは毎日酷い扱いを受けてるんだ。

このプロジェクトが世間の関心を集めるなら、それは悪いことじゃないよ

と語っています。

4 普通のバナナが12万ドル

バナナ

pony69/Pixabay

2019年12月、イタリア人アーティストのマウリツィオ・カテランが、凡人置いてきぼりの作品をアート・ギャラリーで展示しました。

それは、白い壁に一本のバナナが、灰色の粘着テープで貼り付けられているだけのもの。

バナナは何の変哲もない、スーパーで購入されたバナナです。

この作品は、バナナの価格を知らない金持ちについてのジョークが基になっており、そのタイトルは『コメディアン』。

カテランによれば、着想から完成まで優に1年を要したとか。

1年かかってバナナ一本かよ!と突っ込んではいけません。

それが芸術なのです(多分)。

この『コメディアン』は2点展示され、二つともフランス人の収集家によって12万ドル以上の価格で購入されています。

つまり、バナナ2本で約2600万円。

これだけでも十分に狂った世界ですが、驚くのはまだこれから。

その後、ニューヨーク在住のデイビッド・ダトゥナというアーティストが、展示中の『コメディアン』からガムテープを剥がし、そのバナナを客たちの前で数秒のうちに完食しました。

彼はカテランを尊敬しており、この作品への称賛の意味でバナナを食べたのだとか。

一つだけ確かなのは、芸術の世界は素人にはまったく理解できない場合があるということです。

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