たった一人で乗り込むにはあまりにも怖すぎる場所。
と言っても、ヤクザの事務所のことではありません。
それも十分に怖いですが、今回扱うのはそういう場所ではないのです。
呪われているとしか思えない町から、犯罪の匂いがプンプンの建物まで。
一人で訪れるには相当の覚悟が必要なスポットをご紹介します。
〈originally posted on April 29,2021〉
1 ゾンビのいる町
幽霊が出る、というウワサのある場所は日本にも数多くあります。
最近ではほとんど見なくなりましたが、昔はそういう場所にテレビ局のスタッフが取材に訪れ、あの手この手で幽霊を映像に収めようとする特番がよくありました。
では、幽霊ではなく、ゾンビが出没する場所は存在するのか。
さすがにそれは……と思いたくなりますが、実はあります。
チリ共和国のハンバーストーンとラ・ノリアという町がそれです。
19世紀初頭からの歴史があるこれらの町は、豊富な硝酸カリウムを資源に持っていたことから、採掘によってその経済が発展しました。
しかし、過酷な労働や度重なる不況などが影響し、採掘業は次第に下火に。
さらに、第二次世界大戦中にドイツが硝酸カリウムの合成技術を確立したことで、これらの町はその役目を終えることとなったのです。
それ以降は完全に廃墟と化しました。
ところが、ハンバーストーンの町では、誰もいないはずの住居から生活音が聴こえたり、かつてここに住んでいた家族の姿が見えたり、といった報告が後を絶ちません。
そして、ここよりもさらに恐ろしいのがラ・ノリアの町。
近辺に住む人たちは、暗くなってからこの町に行くのを極度に嫌うのだとか。
その理由は、この町にある巨大な墓地。
ここから、夜な夜な「ゾンビ」が墓から這い上がり、町を徘徊すると言われているのです。
いわば、世界でも数少ないゾンビスポット。
ここに行けば、『バイオハザード』のアトラクションなど不要です。
リアルなゾンビに会える(?)のですから。
ちなみに、現在、ハンバーストーンの方は博物館のような形で存在しており、誰でも町の中を散策することができます。
一方、ラ・ノリアは移動ルートがかなり限られていて、たどり着くまでの難易度は高め。
そして無事に辿りついたとしても、そこで待つのは……。
2 ビルディング25
世界的に有名な観光地であるニューヨーク。
そのニューヨークへ行ったら一度は訪れたい(?)場所が、クリードムーア精神療養所です。
ここは、約120ヘクタールの敷地内に50を超えるビルを保有する巨大な病院。
ただし、病院として機能している建物は、現在はその一部のみで、それ以外は学校のキャンパスなど他の用途に使われています。
それらの中には、いかなる目的にも使用されずに放置されている建物も。
その一つが、「ビルディング25」。
なぜこの建物だけが見捨てられているのかは、実際にここを訪れれば明らかでしょう。
何十年にもわたって蓄積された鳥の糞が、各フロア一面に膝の高さまで積み上がっています。
理由は定かではありませんが、多くの鳥がこのビルにやって来ては糞を落としていったとか。
その結果、このビルには中へ足を踏み入れることもできず、かといって清掃を行うにも莫大な費用がかかるため、長らく放置されているのです。
道に落ちている鳥の糞など、どうということはないですが、建物に入れないほどの糞が堆積したビルは、ホラーという以外ありません。
3 ネートロン湖
琵琶湖を存分に眺められる最高の場所として知られている、「あのベンチ」というのをご存知でしょうか。
NHKの『ドキュメント72』でも紹介された場所で、ここに来る観光客のために、近所に住む方が善意で設置されたベンチなのだとか。
遠方からやって来る人が少なくないのは、広大な湖を眺めることで癒やしを得られるからでしょう。
しかし、そんな癒やしとは真逆の湖もあります。
タンザニアとケニアの国境沿いに位置するネートロン湖がそれです。
この湖の最大の特徴は、湖水が尋常でないほどの強アルカリ性であること。
その強さたるや、パイプユニッシュなどのアルカリ性洗剤に迫るほどです。
誤って(?)酸性タイプの洗剤を流してしまったら、有毒ガスが発生するのは必至。
ここまで強アルカリ性になっている原因は、火山の堆積物を通った水が注ぎこんでいるから。
よって、その水温は100度を超えることもあります。
そんな湖面に素手で触れたら手が焼けただれるのは避けられません。
人間の場合はそんな無謀なことをする人はまずいませんが、動物となると話は別。
ごく普通の湖だと思った鳥たちが湖面に触れた瞬間……。
よって、この湖には大量の亡骸が沈んでいるのです。
4 溶鉱炉の亡霊
1880年代、米国アラバマ州にあるスロース溶鉱炉は、大量の鉄を産出し、約100年間にわたって、同州のバーミンガム地区の経済を発展させました。
その長い歴史の中で、ひときわ悪名を轟かせていたのが、ジェイムズ・ウォームウッドという現場監督。
悪名の理由は、その労働環境の劣悪さにあります。
1900年代初め、彼は作業員たちを体力の限界まで酷使していました。
頭がクラクラするような高温の熱気が立ち込める中、深夜もぶっ通しで働かせ、溶鉱炉を稼働させていたのです。
その結果、負傷者が続出。
ウォームウッドが監督に就いていた期間だけで、47名が亡くなったとされています。
そのウォームウッド自身も、1906年に「ビッグ・アリス」に転落。
ビッグ・アリスとは、この工場で最大の溶鉱炉に付いていたあだ名です。
これが果たして事故だったのか、或いは何者かの仕業なのかは謎のまま……。
その後、この場所では、怪奇現象の目撃談が従業員から数多く報告されるようになりました。
過労を強いる怒鳴り声の幻聴を聴いたり、何者かにいきなり体を押されたり……。
真相は定かではないですが、ここが呪われた場所であることは間違いないでしょう。
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5 謎のモーテル
長きにわたって誰にも使われず、老朽化した建物というのは、どこか不気味な雰囲気を醸し出すものです。
人の気配が消え失せると同時に、人ならぬ者の気配が満ちてくる。
そんな感じでしょうか。
米国カリフォルニア州南部、ルート66沿いには、アンボイというゴーストタウンがあります。
そこにある一軒のモーテルは、今はもう利用されておらず、ドアや窓が開きっぱなしで放置されたまま。
それだけなら特に不気味ではありません。
単に、ゴーストタウンに放置された一つのモーテルというだけです。
ところが、外からこのモーテルの一室を眺めていると、ある恐るべき事実に気づきます。
開かれた窓から見える部屋の壁には、一面に血が飛び散ったような真っ赤な染みが……。
この場所からそう遠くないところに住む人の話では、ここは何かと気味の悪いウワサが絶えないのだとか。
それにしても、壁一面の染みは一体何を意味するのか。
このモーテルについて、ネット上の反応は分かれています。
明らかにここで犯罪が行われたという人もいれば、フェイクではないかという人も。
真相は分かりませんが、いずれにせよ、ただでさえ人のいない町にある廃ホテルであることを考えれば、一人で行くのは最高度の恐怖でしょう。