「奇妙な政党」ではないですが、個性的な名前の政党は、時々、日本で誕生しています。
例えば、「NHKと裁判してる党 弁護士法72条違反で」。
受信料徴収のための訪問は違法である、というのが、党としての主張内容です。
その主張は置いといて、とりあえず政党名が長い。
分かりやすいと言えば分かりやすいですが。
他には、「生活の党と山本太郎となかまたち」などもありました。
海外では、政党名だけでなく、その活動内容も変わっているものが存在します。
今回は、それらの一部をご紹介しましょう。
〈originally posted on January 23,2016〉
1 ポーランドビール愛好家党
1990年にポーランドで結成された政党で、その最大の特徴は、飲み屋でポーランドビールを飲みながら政治の議論に花を咲かせるという点にあります。
最初は冗談半分で始まった政党なのですが、ある時を境に人気が急上昇し、1991年の選挙では下院の16議席を獲得しました。
人気の原因は、やはりその独特の名前にあったようです。
ビールが嫌いな人は滅多にいませんから、どこか親近感が湧くのかもしれません。
しかし、この変わった名前の政党は、1992年には「大ビール党」と「小ビール党」に分裂し、前者はその名称を「ポーランド経済プログラム党」に変えてしまったのです。
何というか、一気に面白みが無くなってしまいましたね。
2 スウェーデン海賊党
2006年にスウェーデンで結成された政党です。
これも、先ほどのビール党と同じように、最初はそれほど真面目な政党ではなかったのですが、インターネット上の著作権侵害について問題提起するようになってから一気に注目を集めました。
意外なことに、そういった問題に正面から取り組む姿勢を見せたのは、この政党が初めてだったそうです。
2009年には欧州議会で1議席を獲得しています。
3 オランダ良心的怠慢主義労働者党
やたらと長い政党名ですが、一言で表現すれば、
なるべく働きたくない
という政党で、役者・ミュージシャン・コメディアンとして活動するヤコブ・ハウガーが代表となって結成しました。
一日8時間睡眠・8時間休憩・8時間余暇などを主張していたのです。
要するに、24時間遊んでいたいというわけですね。
そして、この政党を有名にしたのが、
という問題提起です。
なかなかひねくれた考え方ですが、こんな変わった政党だけあって選挙では落選続きだったようです。
しかし、1994年には23000を超える得票数で、ようやく議席を獲得しました。
4 ベスト党
2009年に俳優・コメディアンのヨン・ナールによってアイスランドで結成された政党。
もともとはアイスランド経済を破綻させた政治家たちを批判する目的で作られたようです。
党員は主にミュージシャンやロッカーなどで、中には食レポのブロガーまでいます。
かなり変わった雰囲気を醸し出している政党ですが、2010年にヨン・ナールはレイキャビクの市長に選ばれました。
彼の掲げていた公約もかなり個性的で、北極グマを動物園で保護することや市民プールで無料のタオルを提供すること、また、空港にディズニーランドを設置することなどを挙げていました。
5 人間のクズ党
1921年にオランダのアムステルダムで結成された政党。
アル中のホームレスでありながらストリート・パフォーマーとして知られていたネリス・デ・ヘルダーが党首を勤めていました。
この奇抜な名前の政党は、政治の世界がすべて嘘で塗り固められていることを証明しようとしていたそうです。
具体的な政策目標としては、フォンデル公園で自由に狩猟や釣りをすることやレンブラント・スクエアの男子トイレをキレイにすることなどが掲げられていました。
明らかに個人的な都合を優先していますね…。
こんな政党が果たして支持されるのかと思ってしまいますが、何とネリスはアムステルダムの市議会議員に当選してしまったのです。
ホームレスが議員になるという事態に市長は我慢ならなかったようで、ネリスの議員資格を剥奪するための策を練っていたらしいのですが、それは徒労に終わりました。
ネリスは泥酔状態で議会に出席できず、結局それが原因で議員資格を失ったのです。
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