捨てたらアカンものを捨ててしまう。
粗忽者でなくとも一度や二度は経験があるはず。
処分してから気づいても後の祭り。
再び購入可能なものならまだいいですが、超激レアなものを捨ててしまった日には、後悔してもしきれません。
そう考えると、断捨離に徹するような生き方は、少し危険な要素を孕んでいる気がします。
〈originally posted on April 24,2019〉
1 『ハリー・ポッター』の初版本
『ハリー・ポッターと賢者の石』は、言わずと知れた『ハリー・ポッター』シリーズの一作目。
この本で、著者のJ.K.ローリング氏は一気に有名に(そして億万長者に)なっていくわけですが、この作品が発表されたとき、彼女に初めてインタビューしたのが、ナイジェル・レイノルズというジャーナリストだとされています。
インタビューが終わると、彼は『賢者の石』の初版本をもらったのですが、こんな本が売れるわけはないと確信していた彼は、その初版本をゴミ箱に捨ててしまったのです。
ところが、現在『賢者の石』の初版本はファン垂涎のレアアイテムとなっており、5万ポンド(約720万)で取り引きされることもあるとか。
せっかくもらった物をアッサリ捨てたわけですから、自業自得という他ありません。
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2 アップルの激レアコンピュータ
アップル社創設者の一人であるスティーブ・ジョブズが最初に作ったコンピュータの一つとされているのが、1976年に発表された「アップル1」です。
あるとき、カリフォルニアにあるリサイクル・センターに一人の女性がやって来て、このアップル1を処分しました。
恐らくその女性は、アップル社が後に次々とヒット商品を生む大企業になるとは予想していなかったのでしょう。
その後、彼女が持ち込んだアップル1は、オークションにて20万ドルで競り落とされたのです。
リサイクル・センターのマネージャーは、20万ドルの一部をその女性に渡すため、彼女の所在を突き止めようとしたとされています。
3 アメリカ独立宣言の書面
貴重な物が捨てられるのは、ゴミ箱の中だけとは限りません。
歴史的にも大きな価値を持つ物が、妙な所から発見された例もあります。
米国ペンシルベニア州在住のある男性が、フリーマーケットでわずか数ドルの絵画を購入したところ、後に彼は驚くべき発見をすることとなりました。
そもそも、その男性にとって興味があったのは絵ではなく、お洒落な額縁の方。
彼は絵を家に持ち帰ると、早速額縁の背面を取り外しました。
すると、絵の裏に何やら古びた紙があるのに気づきます。
実はその紙、世界に24枚しか存在しないとされる、アメリカ独立宣言の書面でした。
1776年に書かれたものですが、保存状態はかなり良好で、1991年に行われたオークションにて競り落とされ、その金額は現在の貨幣価値で約4億3千万円相当。
フリーマーケットはこういう事が起こりうるので侮れません。
4 キッチンまるごと
どれだけウッカリしている人でも、自宅のキッチンをまるごと捨ててしまうことはありません。
というか、捨てようがありません。
しかし、その常識を覆してしまった例があります。
場所はイングランド北東部のサウス・タウンサイド。
ある家で屋内の配線工事が行われたとき、業者が事前にキッチンの設備一式を全て取り外し、家の外に置いていました。
工事が完了し、業者がキッチンを元に戻そうとしたところ、キッチンは既に消失。
ゴミ収集車がやって来たとき、キッチンをゴミと間違えて持っていったのです。
いくら何でもキッチンとゴミは区別できそうな気がしますが……。
5 生まれたばかりの子供
「絶対に捨ててはいけない」という意味で、その最たるものは、自分の生んだ子どもでしょう。
しかし、我が子を捨てる親がいるのもまた現実。
トーリ・ウェルフォード(22)という女性は、生まれたその日に自宅前のゴミ箱に捨てられました。
その日の午後、ウェルフォード家の長男が、ゴミ箱の中にいる赤ん坊、すなわちトーリを発見。
トーリは全身の血色が悪く、体中をアリの群れが這っていました。
すぐに病院で手当を受けたことで命は助かりましたが、医師の話ではあと少し発見が遅れていたらかなり危険な状態だったとか。
その後トーリは、ミシシッピ州ルースデイル出身の夫妻に引き取られることに。
ごく普通の女の子として育てられた彼女が自分の出生にまつわる真実を知ったのは、17歳のとき。
それとほぼ同じ時期に、彼女は生みの母親から手紙を受け取りました。
手紙の内容は実にシンプルで、トーリへの謝罪と、我が子を捨てざるを得ない事情があったということだけ。
さらに、この手紙は刑務所から発送されていました。
トーリの母親は、薬物犯罪で有罪判決を受けて服役していたのです。
身勝手極まりない母親という気がしますが、トーリ自身は、この母親を許すつもりだと語っています。
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6 宝くじ(当選金9億1500万ドル)
宝くじの当選金を取りに来ないまま消滅時効にかかってしまうケースが少なからずあるのは有名な話。
勿体無いとしか言いようがありません。
そういう人は、購入した宝くじを、当選したかどうか確認もせずに捨ててしまっているのかもしれません。
しかし、捨ててしまった宝くじほど当選しているという皮肉が人生にはつきもの。
時には、宝くじを購入する前でも捨ててはいけないこともあります。
ラスベガス在住のある夫婦は、数字選択式の宝くじを買う際、毎回同じ数字の組み合わせで購入していました。
あるとき、妻が宝くじを購入しようとチケットを片手に列に並んでいたところ、順番を待つのにウンザリしてしまい、そのチケットを破り捨てて別の宝くじを購入し、さっさと家に帰ったのです。
後日、当選番号が発表され、その夫婦は愕然とします。
妻がチケットを捨てて、買うのを諦めた時の宝くじの当選番号が、その夫婦がずっと買い続けていた番号だったのです。
その賞金額は、なんと9億1500万ドル。
ほんのわずかな時間、待つことに耐えられなかったために、一生かかっても使い切れないほどの賞金を逃しました。