経費削減
は、ほとんどの企業にとって、優先順位の高い問題です。
それと同時に、解決の難しい問題でもあります。
そう簡単に、コストを抑えられるのであれば、苦労しません。
では、一流企業は、どのようなコスト削減を行っているのか。
今回は、マクドナルドからアマゾンまで、世界的に有名な企業の驚くべき(ある意味セコい)コスト削減法をご紹介します。
普通に考えれば、無視できそうなくらいのわずかなコスト削減でも、チリも積もれば何とやら…という感じで、決してバカには出来ないのです。
〈originally posted on September 29,2015〉
1 左折禁止
(ユナイテッド・パースル・サービス)といえば、ヤマト運輸とも提携しているアメリカの運送会社。
同社は96000台以上ものトラックを保有していますが、当然ながらその燃料費も相当なもの。
そこで、何とかガソリン代を節約できる方法は無いかと模索したところ、
右折よりも左折の方がガソリンを食う
という事実に着目。
そして、2004年に「左折禁止」のルールを従業員に徹底させたのです。
その結果……。
何と、年間3800万リットルのガソリンを節約することに成功。
これを排気ガスの排出量に換算すると、年間53000台の車が排出する量に匹敵するのです。
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2 マックダブルの秘密
こちらは、2008年に米国マクドナルドで実施された経費削減手段。
ダブルチーズバーガーには元々チーズが2枚使われていたのですが、それを1枚に減らし、さらにバリューセットのメニューからも外したのです。
しかし、これを同じ名前で売ったらクレームが来るだろうということで、新たに付けられた名前が、
マックダブル
というわけです。
これで1個あたり6セントの節約ですが、年間では1店舗あたり15000ドル(約180万円)の節約になるのです。
3 レシートを羽毛のように軽く
アメリカ、ノースカロライナ州に本社を置く大手銀行の「バンク・オブ・アメリカ」は、ATMに使用されるレシートの重さを可能な限り軽くしました。
その結果、50万ドルものコスト削減につながったとか。
たかがレシートと言ってられませんね。
4 客室乗務員も軽く
アイルランドの格安航空会社、ライアンエアーは、低価格のサービスを維持するために、徹底したコスト削減を実施してきました。
機内ドリンクの氷を減らしたり、機内誌のサイズを小さくしたり…。
そして遂に、機内の重量を少しでも軽くするため、客室乗務員に対して、「体重を減らす」ことを要求するまでになったのです。
おまけに、スリムになった乗務員は、ライアンエアーの公式カレンダーのモデルを務めることが出来るという特典付きだとか。
といっても、客室乗務員さんって元々そんなに太ってはいないと思うのですが…。
5 「辞めたければどうぞ」のAmazon
Amazonにとって、巨大な倉庫で日々商品を運ぶスタッフは、極めて重要な役割を担っています。
しかしこの仕事、非常に過酷な労働を強いられることで有名なのです。
となると、仕事を辞めたくなる人が出てくるのは十分予想が付きますが、同社は、それを阻止するための秘策を用意しています。
それが、「Pay to Quit」と呼ばれる制度。
これは、年に一度だけ、フルタイム勤務の従業員に対し、会社側から一定の金額を提供して退職する機会を与えるというもの。
表面的に解釈すると、Amazonは従業員に辞めて欲しいと思っているかのようですが、真の狙いは全く逆。
このシステムがあることで、従業員は自分にとっての会社の価値を改めて考えるきっかけになり、結果的に「退職」を選ぶ人はほとんどいないのだそうです。
6 フォントで節約
最後にご紹介するのは、「企業」のコスト削減ではありませんが、目の付けどころが秀逸なアイデアです。
ある14歳の少年が、もしアメリカ政府が、全ての政府刊行物に使われているフォントを
Times New Roman
から
Garamond
に変更すれば、年間136万ドルものインク代節約になると提案し、これが『ハーバード・ジャーナル』という学生新聞に掲載されました。
このことはメディアでも大きく取り上げられ、彼はケーブルTVのニュースにも登場して自分の考えをアピールしたのです。
確かに、前者のフォントより、後者の方が線が細めなので、必要なインクは少ないようですが…。
残念ながら、彼のアイデアは、決して136万ドルもの節約にはならないという見方が強いのです。
プリンターのインクカートリッジが高価なのは皆さんご承知の通りですが、政府は大量に一括購入しているので、一般消費者と同じような試算にはならない、というのがその主な理由。
結局、政府にとってインク代節約になる最も確実な手段は、全ての刊行物を「デジタル化」することだと言われています。
それにしても、14歳の少年が、フォントに着目して政府のコスト削減を考えるというのは凄いですね。
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