一日中、立ちっぱなしで仕事をする人もいれば、ほとんど座りっぱなしで仕事を終える人もいます。
座りっぱなしでいる方が、なんとなく健康には悪そうですが、実際はどうなのか。
今回は、座る時間が長ければ長いほど、寿命を縮める可能性があるという話をご紹介しましょう。
実感が湧きにくいですが、単に座っているだけで、体には様々な悪影響が発生しています。
普段からデスクワークの多い人は、特に気をつけた方がいいかもしれません。
〈originally posted on September 30,2015〉
1 座ると体内で何が起きるのか
人間は、座ると程なくして足の筋肉の活動がほぼ完全に停止します。
それに伴い、体の消費カロリーは1分あたり1カロリーずつ下がっていくのです。
驚くことに、脂肪の燃焼を助ける酵素の量は、立っているときの10%にまで落ちてしまいます。
座ってから2時間も経つと、体に良い影響を持つ「善玉コレステロール」の数値は20%低下。
24時間も座っていると、インスリンの効果が24%も落ちて、糖尿病になるリスクが一気に上がります。
2 座ってTVを見る危険性
一日3時間以上、座ってTVを見る人は、心臓病のリスクが64%高まるという研究報告があります。
また、興味深いことに、一日3時間TVの前で座って過ごす人の場合、運動をしているかどうかに関わらず、肥満度にほとんど差は無いのだそうです。
そして、座ってTVを見る時間が「1時間」増えるに従って、病気にかかるリスクも11%増えていくのです。
3 病気のリスク
一日6時間以上座って過ごす人は、一日3時間未満しか座らない人に比べ、15年以内に死亡する確率が高いのだそうです。
さらに、ほぼ一日中座っているような人は、心臓発作を起こす確率が、喫煙者とほぼ同じになります。
それ以外にも、高血圧や糖尿病、ガン、さらには「うつ病」の原因にもなりうるとも言われています。
4 運動もしてるから大丈夫…?
仕事中はほとんど座ってるけど、空いた時間にちゃんと運動もしてるから問題ない。
そう考えている人は多いでしょうが、残念ながら話はそう単純ではないのです。
適度な運動が健康に良いのは言うまでもないですが、実は、運動がもたらすメリットは、座っている時間が長いほど失われていきます。
仮に、一日のほとんどを座って過ごす人が、長時間エクササイズをしても、ずっと座っていることの埋め合わせにはならないのです。
それを示す統計として、1980年と2000年とを比較すると、人々の運動量は僅かに増えているのですが、座っている時間が8%増えたことで、肥満の割合は2倍になっているのです。
つまり、長時間座っていることによる悪影響は、多少エクササイズをしたくらいでは帳消しには出来ないというわけです。
結論:運動+食事+座りすぎない
健康を優先した生活を考えた場合、最も理想的なのは、
適度な運動
バランスのとれた食事
座ってばかりの状態は避ける
という3つの要素があることです。
ただし、逆に一日中立っていれば健康に良いのかというとそれも間違い。
一日5時間以上立って仕事をする人は、下肢の疲労を蓄積させ、慢性的な腰痛の原因になりうると言われています。
「じゃ、どうしろって言うんだよ…」
と思われた方もいるでしょうが、つまりは、座ってばかりの生活も、立ってばかりの生活も、それぞれに欠点があるということになります。
シンシナティ大学のカーミット・デイヴィス教授によれば、人間の体にとって、じっと同じ体勢のままでいることが、あまり良くないようです。
毎日座っている時間が長い人は、30~60分おきに立って足を動かすようにし、逆に立っている時間の長い人は、同じように一定時間ごとに座って休憩する時間を作るのが理想的だといえます。
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