今年の「M-1グランプリ」は良かった。
優勝した「たくろう」も抜群に面白かったし、他の出場者もレベルが高かった。
で、「M-1」を見終わったときに思ったのである。
「そういえば、今年はキングオブコントを観てないな」
そこで、今頃になってU-NEXTで観てみた。
まずは、最終決戦までの10組のコントを一気見。
笑いのツボにハマるものもあれば、そうでないものもあったが、それぞれに独特の世界観があって楽しめた。
そしていよいよ、上位3組による最終決戦という時になって、どえらい光景を目の当たりにしてしまった。
出場者の得点を言い間違えた日比アナの頭を、浜田が思いっきり殴ったのである。
「叩いた」というより、あれはもう「殴った」と表現するほうが正確だ。
「パチンッ!」という大きな音が響き渡っていた。
この瞬間、「あー、もう無理だわ、これ」と思った。
不愉快で観ていられない。
いい年こいた男性が、若い女性の頭を平然と殴り、それが「お笑い」として容認される国は、おそらく世界でこの国だけだと思う。
浜田雅功は昔から激しいツッコミキャラで有名だったが、ここ最近はかなり穏やかになったという印象を持っていた。
後輩芸人にツッコミを入れるときも、叩いているかどうか分からないほど弱い叩き方をすることが多かった。
近頃は若手の芸人でもYouTube等でガンガン発言するようになってきたから、後輩芸人の恨みを買うのが怖いのか。
それはどうか分からないが、ツッコミが優しくなっていたのは確かだ。
それに比べ、日比アナへのツッコミは、若手時代のダウンタウンを彷彿とさせるほどの強烈なインパクトがあった。
日比アナは顔では笑っていたが、けっこう痛かったであろうと推察する。
しかし、これに関するネット上の声を調べると、意外にも浜田を支持するものが多いのに驚かされる。
女性に対しても容赦ないところから、「男女平等だネ!」などと言っている人もいるが、むしろ逆だろう。
相手が女性だからこそ、あそこまで強いツッコミを入れたのは間違いない。
浜田雅功は明らかに相手を見てツッコミの強さを加減している。
今の浜田に、粗品の頭を日比アナと同じ強さで叩く度胸など微塵も無いだろう。
ちなみに、当の日比アナが何とも思っていなければ問題ない、などということは無い。
ああいう形での「暴力」を見せられることに不快感を覚える視聴者がいる、ということが重要なのである。
芸人どうしならまだしも、芸人でもない相手を叩いて笑いを取る時代なんてとっくの昔に終わっている。
それが理解できていないという意味では、やはり「老害」というべきなのか。

















