一昔前に比べると、ドローンはかなり身近な存在になりました。
今では、小型のものだと5千円程度で手に入ります。
子供のおもちゃとして購入し、親子で遊ぶという人も少なくありません。
そういう意味では、何の害も無い商品のように思えますが、ドローンを使って、妙なことへの利用を考える者もいるのです。
〈originally posted on April 5,2020〉
1 刑務所の囚人に差し入れ
2015年ごろから急激に増加したのが、ドローンを使って囚人に物資を届けるという行為です。
届けられる物は、タバコやドラッグ、ナイフ、銃など。
アイルランドでは、ファストフードが届けられたこともあります。
ドローンが普及する前は、刑務所の塀の外から強引に物資を投げ込もうとする輩もいたとか。
しかし、ドローンを使えば、看守に見つからないように、刑務所の敷地内に物資を落とすことが可能なので、服役中の仲間に物を届けるにはうってつけ。
このような試みは、主にアメリカやカナダ、イギリスなどで見られました。
ただ、荷物は釣り糸などを使ってドローンに繋がれているだけなので、塀の上の鉄条網に引っかかって失敗する場合も。
また、無事に敷地内に物資が到達しても、それを狙って、大勢の囚人たちが群がり、バトルが勃発することもあります。
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2 空き巣に入れそうな家を探す
次にご紹介するのは、ドローンを使った、かなり残酷な犯罪。
イギリスのレスターシャー州に住むクロエ・ホプキンスという11歳の女の子は、自閉症を患っています。
そんな彼女が日々を過ごす上で、大きな支えとなっていたのが、3歳の雌のダルメシアン、ロッティー。
しかし、2019年12月1日、何者かによって納屋の錠前が破壊され、その中にいたロッティーが盗まれました。
歩道からは犬の姿は見えにくいはずなのに、犯人はどうやって、ダルメシアンの存在に気づいたのか。
実は、この事件の数日前、ホプキンス宅の上空を、ドローンが旋回していたのです。
このことから、クロエの母親ジェマは、ドローンを使って犯人が、ターゲットとなる家を探していたに違いないと考えています。
愛犬を失ったクロエは、自分が周りに嫌われているからロッティーを盗まれたのだと思い込み、自分を責める日々を送るようになったとか。
ちなみに、イギリスでは、窃盗や強盗を行うターゲットを探すために、ドローンが利用された例が、2015年には既に確認されていました。
3 女性宅の中を覗き見
女性が一人暮らしをする場合、気をつけねばならないことの一つは、やはりセキュリティでしょう。
最近では、女性が安心して住めるように、女性限定の賃貸物件も、(数は少ないですが)あります。
とは言え、女性の部屋を覗こうとする変態男を完全に排除するのは困難です。
2018年2月、ニュージーランド在住のマリタ・マースという女性は、寝室にいるとき、窓の外からの変なノイズに気づきました。
最初は水道管の音か何かだと思ったのですが、念の為にカーテンを開けてみてビックリ。
窓からわずか2メートル程のところで、ドローンがホバリングしながらカメラをこちらに向けていたのです。
彼女は咄嗟にカーテンを閉めましたが、しばらくの間、強いショックと恐怖に包まれました。
落ち着きを取り戻したマースは、とりあえず警察に通報。
しかし、返ってきたのは、「我々が出来ることは特に無い」という素っ気ない返事でした。
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4 他人の家を上空から偵察(そしてドローンが狙撃される)
自宅の上空を、怪しいドローンが浮遊していたとしても、すぐに何らかの対策を取るのは難しいものがあります。
犯罪に利用する目的で誰かがドローンを飛ばしている可能性も否定できませんが、近所の子供が遊びで操作しているだけかも知れません。
警察に相談しても、すぐには対処してくれないことも多いでしょう。
しかし、気の短い男なら、警察に頼らずとも、ドローンが近くで飛んでいるのを発見しただけで、それを撃墜します。
2015年8月、米国ケンタッキー州ルイビル市に住むウィリアム・メレディス(47)の家で、16歳の娘が庭にいるとき、ふと見上げると、一機のドローンが彼女の目に入りました。
そのドローンによって、自分の姿を撮影されているのではないかと感じた彼女は、父親にそのことを報告。
それを聞いたメレディスは、ショットガンを手に取り、庭に出ると、ドローンに狙いを定めて発砲しました。
弾は見事に命中し、ドローンは木っ端微塵に。
それから程なくして、4人の屈強な男たちが、彼の方へ近づいて来ました。
さらに、
「ドローンを撃った馬鹿はお前か?」
と言いながら、メレディスをボコる気満々といった雰囲気。
1対4では圧倒的に不利。
そこでメレディスは、こう言い放ちました。
「それ以上近づいたら、もう一度コレをぶっ放すぞ」
男たちが如何に屈強であろうと、ショットガンに敵うわけもなく、彼らは素直に引き下がって、車に乗って去りました。
その直後、男たちの通報を受けて駆けつけた警察官が、メレディスを逮捕。
他人の所有物を故意に破壊すれば、犯罪になるのは当然です。
しかし彼は、自分のやったことについて、全く後悔はしていない、と語りました。
娘のプライバシーを侵害されたことへの怒りは理解できますが、いきなりショットガンを撃つのは、流石にやりすぎです。