一体全体ナゼそんな巨大なものを盗んでしまったのか。
もっと小さい物でもよかったのではないか。
そう思いたくなるような、奇抜が窃盗事件があります。
今回は、犯罪史上もっともデカい物が盗まれた事件の数々をご紹介しましょう。
日本に比べて欧米は何かにつけてスケールがデカいイメージがありますが、どうやら窃盗に関してもそれは当てはまるようです。
〈originally posted on January 7,2016〉
1 重さ1.3トンの鐘
米国ワシントン州のタコマという町にある寺院で、かつて重さ1.3トンもある鐘が盗まれるという事件がありました。
警察の予測では、そんな物を盗もうと思ったらフォークリフトか何かを用意して作業をする以外にはなく、当然誰かがその物音を聞いたはずだと思われたのです。
しかし、盗まれた時間帯に何かを聞いたり見たりした人は一人も見つからず。
さらに不可解だったのは、犯人はこんなものを盗んで一体どうするのかという点。
ベトナムで作られたその鐘は、値段が付けられないほど価値の高いものでしたが、どれだけ怪しい骨董品屋でもこんな代物は買い取らないでしょう。
結局、盗難事件の1年後、たったの500ドルで売りに出されていたこの鐘を買い取った人物が警察に通報し、鐘は無事に寺院に戻されました。
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2 ビーチ
決して比喩的な意味などではなく、本当にビーチの一部が盗まれるという事件が2007年にジャマイカで発生しました。
具体的には、ビーチの「砂」がゴッソリと消えていたのです。
もちろん、何らかの自然現象でそうなったとは考えられません。
大雑把に見積もって500台ほどのダンプトラックを使って、砂を別の場所に運んだのではないかと考えられています。
それにしても、何の目的があってビーチの砂を持って行ったのかは謎のままです…。
3 戦車
1995年、アメリカの退役軍人だったショーン・ネルソンは、ナショナル・ガード(州兵)の敷地内に侵入し、重さ40トン以上もあるM60型パットン戦車を盗みました。
ハッチはロックされていましたが、彼はバールを使ってそれをこじ開け、中に入ったのです。
その後、戦車を起動させてしまった彼を、もはや誰も止めることは出来ませんでした。
カリフォルニア郊外を場違いなタンクが縦横無尽に暴走しまくり、路上の車や消火栓などを片っ端から破壊していったのです。
20分間ほど警察の追跡を受け、暴走タンクはハイウェイに設置されたブロックにひっかかってようやく停止。
そして、戦車のハッチに飛び乗った警官によってネルソンは射殺されました。
4 橋
ロシアのハバロフスク地方では、一夜にして橋が丸ごと盗まれるという事件がありました。
しかも3回も。
同一グループによる犯行と見られています。
一晩で橋をゴッソリ持って行ってしまう大胆さも凄いですが、さらに驚きなのは、犯行を目撃した人がいないということ。
その手際の良さを普通の仕事に生かせなかったのでしょうか…。
盗んだ動機が気になるところですが、買い手が見つからなそうな「1.3トンの鐘」と違い、橋は部品をバラしてしまえば鉄材としてそこそこの値段で売れるので、それが狙いだったと考えられています。
この辺の事情はロシアというお国柄も関係していそうです。
5 教会
橋の次は教会です。
しかも、今度の場所もロシア。
200年以上もの歴史を持つ古い教会が、気がついたら無くなっていた、というまるで都市伝説のようなことが実際に起きました。
その「カラクリ」はこうです。
教会の近くの村で、ある男性が住人たちに、教会のレンガを1つ持ってくるごとに4ペンス支払うという話を持ちかけたのです。
その数日後、彼が自宅の玄関を出ると、両手に山盛りのレンガを抱えた村人が列をなしていました。
そして、1ヶ月も経たないうちに、その教会のレンガは全て村人たちによって持ち去られ、教会は姿を消したというわけ。
気になるのは、レンガを買い取っていた男性の目的ですが、恐らく何らかの建物を建てるつもりだったのだろうと見られています。
6 オイルタンカー
アメリカでは約44秒に1台のペースで車が盗難に遭っているらしいのですが、さすがにオイルタンカーを盗む奴は滅多にいないでしょう。
しかし、2008年に何者かがそれをやってのけました。
ガーナの港に停泊させていた巨大なオイルタンカーが乗っ取られ、行方が知れなくなったのです。
タンカーにはオイルが満載されており、その総額は凄まじい金額に上りました。
タンカーが消えるというイリュージョンみたいなことは2度、3度起きることはあるまい、と思ってしまいそうですが、オイルタンカー盗難事件は過去に「3回」も起きているのです。
7 エンパイアステートビル
ニューヨークにあるエンパイアステートビルは、過去に一度盗まれています。
ふざけたことを言っているようですが、実話です。
しかも、犯行にかかった時間はわずか90分ほど。
では、犯人はいかにしてこんな巨大なビルを盗んだのか。
意外なことに、それほど難しい話ではありません。
犯人は、登記所を訪れてニセの書類を提出し、エンパイアステートビルの所有権を「ネロッツ不動産」という架空の会社に移転させたのです。
実は、この犯行をやってのけた「犯人」というのが、ニューヨークに本拠を置く新聞、『デイリーニュース』でした。
もちろん、彼らは本当にビルの所有権を盗む気は無く、不動産取引でいかに不正が行われやすいかを記事にするために行ったのです。
『デイリーニュース』は盗んだ翌日にビルの所有権を返還し、法の欠陥についての特集記事を組みました。
ちなみに、ビルの所有権の移転先だった「ネロッツ不動産」の「ネロッツ」は英語で書くと、
Nelots
なのですが、これを逆から読むと、
Stolen(盗まれた)
になるのです。
他にも、ニセの書類に記載された保証人や公証人の名前に有名な銀行強盗の名前があったりと、ヒントらしきものも残していたそうです。
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