年に一度のクリスマスくらいは、好きな人や家族とともに楽しく過ごしたいもの。
欧米ではこういう考えが定着していると思うのですが、日本では、
「クリスマス?普通に仕事だけど」
という人が多いかもしれません。
とは言っても、やはりクリスマスというのは、それだけでちょっと幸せな気分にしてくれます。
ところが、よりによってそのクリスマスの時期に、不可解な事件に巻き込まれてしまった人たちもいるのです。
〈originally posted on December 20,2016〉
1 フォートワースで消えた3人
1974年12月23日、メアリー・トルリカ(17)、リサ・ウィルソン(14)、ジュリー・モーズリー(9)の3人が米国テキサス州フォートワースのショッピングモールでクリスマスの買い物を楽しんでいました。
モールの駐車場には3人の乗ってきた車が止めてありましたが、夜になっても彼女たちは戻って来ません。
車にはロックがかかっており、中にはクリスマスプレゼントが。
買い物は一通り済ませたはずの3人に一体何が起きたのか。
この奇妙な出来事の翌日、メアリーの家に一通の手紙が届きます。
差出人はメアリー本人で、手紙には1週間ほどヒューストンで休暇を過ごしてから戻る、とありました。
しかし、1週間が過ぎても3人は音信不通のまま。
この失踪事件が発生してから、3人に関する様々な目撃情報が警察に寄せられました。
モールで姿を消した当日、怪しい男に強引に車に乗せられているのを見たというものや、夜遅くにガードマンの車に乗っているのを見たというものなど。
ただ、何者かに誘拐されていたとしても、3人を同時に連れ去るというのはかなり珍しいケースです。
残念ながらこれらの証言を裏付けるものは無く、フォートワースで消えた3人の行方は未だに分かっていません。
2 クリスマスの朝の怪現象
1885年12月24日、米国イリノイ州で農業を営んでいたジョン・ラースンは、従業員のパトリック・ルーニーとその妻マチルダとともに酒を飲みながらイヴの夜を過ごしていました。
3人とも酔いがまわり、ラースンは一階にルーニー夫妻を残したまま、二階の寝室で床につきます。
寝ている途中で息が苦しくなり、咳き込み始めたものの、すぐに治まり再び眠りにつきました。
翌朝、一階に下りてパトリックが寝ている寝室に入ると、ラースンはクリスマスの朝に最も見たくない光景を目の当たりにします。
パトリックはベッドの上で死亡していました。
後に明らかとなった死因は煙の吸入。
不思議なことに、妻のマチルダの姿がどこにも見当たらず。
しばらく家の中を歩き回っていると、ラースンは台所の床に真っ黒な穴があるのを発見します。
穴の中には灰が堆積し、そのすぐ側にも人間の足のような形をした灰の塊が。
どうやらそれはマチルダの変わり果てた姿でした。
となると、犯人は夫のパトリックで、マチルダに火を放って殺害したのか。
可能性としてはゼロではありませんが、現実的ではありません。
誰かが故意に火を付けたにしては、家の中がほとんど焼損していなかったのです。
この不可解な現象を説明しうるもう一つの可能性は、「人体自然発火」。
これは、生きている人間から突然火が起こり、そのまま灰になって死んでしまうという超常現象です。
まだ「超常現象」という域を出ないのですが、しかしこれが正解なら、パトリックの死もラースンの咳もすべて説明がつきます。
ちなみに、マチルダはイヴの夜には異常なほど酒を飲む習慣があったので、これも自然発火の要因ではないかと言われています。
3 車内から忽然と消えた妻
1996年12月25日、米国テキサス州ラ・バーニアに住むパティ・ヴォーンが、車で外出したまま行方が知れなくなりました。
翌日、パティの家から25km離れた場所で、彼女の乗っていた車が発見されます。
車の中には、血痕と赤い作業服。
また、彼女の自宅の寝室やモップからも血痕が見つかりました。
犯人はおそらくモップで犯行現場の血痕を拭き取ったと考えられます。
後に、これらの血液のすべてが被害者であるパティのものと断定されました。
最初に疑われたのは別居中の夫であるJ.R.ヴォーン。
パティが他の男性と浮気をしていたことから、彼は離婚を考えていたのです。
ただ、J.R.と事件を直接結びつける証拠は何もありませんでした。
事件発生から2ヶ月後、パティの母親が、娘を殺したのはJ.R.以外にはありえないと確信し、彼の家に突入してバットで襲いかかります。
かなり思い切った行動ですが、J.R.を亡き者にすることは叶いませんでした。
パティが行方不明になったとき、J.R.は学校を建設中の工事現場で仕事をしていたので、警察は彼がパティの死体をコンクリートで埋めた可能性を視野に入れていたようです。
仮にそれが真実だとすると、他の建設作業員も共犯である可能性が出てきます。
いずれにせよ、J.R.が嫉妬心から犯行に及んだ疑いが強いのですが……。
数年後、パティの車にあった物から採取されたDNAが鑑定されましたが、それはJ.R.のものでもパティのものでもない第三者の「女性」のものだったのです。
これにより、事件の謎がますます深まる結果となりました。
パティは既に殺された可能性が高いですが、死体は発見されておらず、未だに犯人も逮捕されていません。
4 住民を襲う怪音
1964年のクリスマスの早朝、イギリスのワーミンスターの住民を謎の「怪音」が襲いました。
体の芯までドスン、ドスンと響いてくるような強く大きな振動音が聞こえ、住民の中には家の屋根に何か巨大な物体が落ちたのかと思い窓から身を乗り出した人もいたとか。
多くの住民がこの不気味な音を体験しましたが、誰一人として音の発生源を見ていません。
この町に住むある女性は、この日、教会へ向かう途中で謎の音に襲われ、地面に倒れて身動きが取れなくなりました。
彼女の話では、「見えない手で押さえつけられているようだった」とか。
翌年、ワーミンスターで今度はUFOの目撃情報が相次いだことで、「UFOに遭遇する町」として有名になり、にわかに注目を集めました。
しかし、UFOブームはあくまで一時的なもので、UFOと怪音は関係があるのか、怪音の正体が何だったのかはいまだに謎のままです。
5 消えたソダー家の子供たち
ウェストバージニア州フェイエットヴィルに住むジョージ・ソダーと妻のジェニーとの間には10人の子供がいました。
1945年のクリスマス・イヴの深夜、彼らの家から火の手が上がり、消防隊員が到着したときにはほぼ全焼。
助かったのは両親と子供5人のみで、残念ながら他の5人は見つかりませんでした。
常識的に考えて、5人は火事の犠牲になったと見るべきでしょうが、妙だったのは、5人の遺骨らしき物が全く発見されなかったこと。
家が全焼するのにかかった時間は約45分であり、この燃焼時間で人間の骨が跡形も無くなるというのはかなり不自然。
さらに、この不幸な火災には他にも怪しい点がいくつかあります。
それらを列挙すると…。
- 火事が発生する数日前、保険外交員を名乗る人物がソダー宅を訪れ、脅迫めいた言葉を残していった。
- 出火が起きた際、消防署へ電話しようとしたところ、何者かに電話線が切られていた。
- 家に備え付けてあった梯子が離れた場所に移動させられていた。
- 父親のジョージが、子供を助けるべく車のルーフを踏み台にして家の二階に登ろうと考えたが、車を移動させようとしたところ何故かエンジンがかからなかった。
この謎めいた火事の後、いなくなったソダー家の子供を見たという人が複数現れ、ソダー夫妻は子供たちが誘拐されたのだと信じ、まだ生きているという望みを捨てませんでした。
そして、子どもたちが消えてから20年以上も経った1968年、ソダー宅に一通の手紙が届きます。
中には一枚の写真が同封されていたのですが、ソダー夫妻はその写真に写っている男性にどこか見覚えがありました。
それは、消えた5人のうちの一人であるルイス・ソダーが大人になった姿であると思われたのです。
(ウィキペディアより)
クリスマス・イヴに姿を消した子供たちに一体何があったのか。
5人とも誰かに誘拐されてしまったのか。
だとすると火事が起きたのは捜査を撹乱するために犯人が放火したのか。
何一つ謎が解き明かされないまま、ソダー夫妻は他界しました。