2021年は、日本にとっては兎にも角にもオリンピック・パラリンピックの年でした。
それを受けて、今年の漢字も「金」。
一方、流行語大賞に輝いたのは、大谷翔平選手の「リアル二刀流 / ショータイム」。
話題になったのはスポーツ界だけではありません。
11月には、将棋の藤井聡太さんが、最年少で四冠を達成するという偉業を成し遂げました。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
いやいやいや、そうじゃない。
誰でもちょっとググれば、というか、ググるまでもなく知っているようなことをここで長々と紹介しても何の意味も無いのです。
毎年、年末にお届けするのは、奇妙なニュースの数々。
今年も奇妙な出来事は山ほどありました。
はっきり言って、ありすぎです。
〈originally posted on December 26, 2021〉
1 血の雨で目覚める朝
朝、激しい雨が窓ガラスを叩く音で目が覚める。
こういうのはごく普通です。
では、顔面にポタポタと何かが滴り落ちて目が覚める、というのはどうか。
天井から雨漏り、という可能性も無くはないですが、よほどの欠陥住宅でもない限り、現実的ではありません。
しかし、それよりさらに現実的でないことが、米国テキサス州に住むアナ・カルデナスという女性に起きました。
今年の5月某日、朝4時ごろ、液体のようなものが顔に滴り落ちているのに気づいた彼女は、ベッドから起き上がり、一体何事かと部屋の中を確認したのです。
すると、彼女の目に飛び込んできたのは、大量の血が飛び散った、壁や床、ベッド、そして自分の体。
その光景はまるで、チェーンソーを振り回す殺人鬼が一仕事終えた後のよう。
どんな悪夢にうなされるよりも気分の悪い目覚め方をしたアナは、早速アパートの管理会社に電話しました。
「血が降ってきてるんだけど!」
と言っても、相手は半信半疑だったとか。
埒が明かないので、続いて彼女は警察と消防に電話。
その後、消防隊員によって彼女の上階の部屋が調べられ、このホラーな状況の原因が判明しました。
その部屋に住んでいた男性は既に亡くなっており、死体の腐敗が進むとともに、その血液が流れ出ていたのです。
男性の位置は、彼女の寝室にあるシーリングファンの真上。
血液はカーペットと床を通過し、回転するシーリングファンをつたって部屋中に飛び散っていました。
ちなみに、男性の死因は自然死です。
「血の雨」の謎はこれで解明されましたが、アナの所持品の多くは血まみれになり、部屋には悪臭が充満し、ハエまで飛び交う始末。
アパートに住めなくなった彼女は、被った損害を賠償させるべく、アパートの管理会社と争う構えなのだとか。
ただ、賠償金を得られても、この恐怖体験によるトラウマは、簡単に消え去ることはないでしょう。
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2 分割払いで殺し屋を雇う女
夫を殺したい。
こういう思いを抱いたことのある奥様はどれくらいいるのでしょうか。
現実に犯行計画を立てたことのある人は流石に少ないでしょうが、「ダンナさえいなければ……(呪)」と思ったことのある人は珍しくなさそうです。
では、実際に夫を殺ってしまおうと考えた場合、どのような手段があるのか。
最も確実なのは、その道のプロを雇うこと。
今年の6月、米国ペンシルベニア州在住のクローディア・キャリオンという44歳の女も、その結論に至りました。
彼女は、様々な所から情報をかき集め、任務を遂行してくれそうなヒットマンを探し出すことに成功。
クローディアは、実際にその男に会い、仕事を依頼する理由を詳細に語りました。
彼女の話では、夫から日常的に暴力を受け、しかも夫は複数の女性と浮気していたとのこと。
その動機に納得したヒットマンは、依頼を承諾し、契約金として4000ドル(約45万円)を提示。
4000ドル支払えば、憎き夫がこの世からいなくなる。
ニヤニヤが抑えきれないクローディアですが、しかしここで大きな問題がありました。
4000ドルを一括で払うのはちょっとキツイ。
そこで彼女は、分割払いを申出たのです。
こんなふざけた申出をすんなり受け入れるヒットマンなど存在しない、と思ってしまいそうですが、このヒットマン、分割払いに応じました。
頭金として100ドル。
残りの3900ドルは、週に100ドルの39回払いです。
何という親切なヒットマン。
感動したクローディアは、即座に100ドルを支払いました。
ダンナよさらば、と思った次の瞬間、彼女の両手首には何故か手錠が。
実は、目の前にいるヒットマンは、警察官でした。
殺し屋を探している人物がいるという情報を入手し、おとり捜査を行っていたのです。
分割払いに応じてくれた時点で、彼女は気づくべきだったかも知れません。
3 不潔恐怖症ファミリーの驚くべき秘密
他人が触った物を触ることに、極度の抵抗を感じる人が稀にいます。
こういう人は、例えば、電車のつり革を握ることなどは論外でしょう。
トイレで用を足した後、手も洗わずに、大腸菌だらけの毛深い手でつり革をニギニギするおじさんはいくらでもいますから。
アメリカ在住のエマとルーカスは、子供が一人いて、夫婦そろって不潔恐怖症です。
そんなカップルが今年、普通の人ならマネの出来ない、ある秘密を公開しました。
他人の体から発せられるバイ菌が恐ろしいので、彼らは休日に行楽に出かけることもなく、レストランで食事をすることも無く、他所の家を訪れることもありません。
公共のトイレを利用するなど、もはや自殺行為です。
言わば、(ほぼ)完全にバイ菌フリーの生活。
彼らにとって、他の人間はバイ菌そのものなのです。
しかし、ここで一つ疑問が生じます。
客でごった返すスーパーマーケットにも行けない彼らは、食料品などの調達は一体どうするのか。
ネット通販を利用するにしても限界があります。
そこでこの夫婦が考え出した方法が、近所のスーパーを丸ごと借り切ることでした。
週に1回、1時間だけ、開店前のスーパーが、彼ら専用の店と化します。
他の買い物客は誰もいません。
店員は一人だけ。
その店員も、見た目はこんな感じ(実話)。
当然ながら、トイレで用を足し(以下略)おじさんもいません。
まさにドリーム・スーパーマーケット(略してドリスパ)。
もちろん、タダでこんなサービスをしてくれる店はありません。
ちゃんと、それなりのお金が支払われています。
具体的な金額は明かされていませんが、エマによれば、
「金持ちでなければ、まず無理」
とのこと。
このドリスパ夫婦に対するネット上の反応は、冷ややかなものが目立つのですが、エマはこう反論しています。
「私たちは他の人と同じように買い物をしてるだけ。至ってノーマルよ」
4 隕石落下で目覚める朝
赤の他人の血が降ってきて目覚めるのは勘弁してほしいですが、しかし、それで全身が血まみれになっても、とりあえず命に別状はありません(トラウマになるだけです)。
一方、血液よりもシャレにならない物が降ってきて、本当に死ぬところだった人がいます。
今年の10月、カナダのブリティッシュコロンビア州に住むルース・ハミルトンという女性が自宅の寝室で寝ていたところ、突然、何かが爆発するような音がして彼女は目を覚ましました。
このときルースは、強盗が家に侵入して銃をぶっ放したのかと思ったそうです。
しかし、部屋に侵入者はおらず、彼女の体は、なぜか全身が埃まみれ。
そして天井には大穴が。
これだけでも十分にビビりますが、彼女は枕を見て血の気が引きました。
握りこぶし大の黒い岩が鎮座していたのです。
ルースはすぐさま警察に電話。
駆けつけた警察がその岩を持ち帰り、専門機関で調べたところ、本物の隕石であると判明しました。
つまり、宇宙から飛来した隕石が、物凄くイイ感じでルースの家の屋根を貫通し、これまた凄くイイ感じで彼女の寝ている枕に直撃したのです。
恐ろしいことに、隕石がヒットした位置は、彼女の頭から数センチ左にずれていただけ。
もしもルースが左側に寝返りを打っていたら、直撃していたのは枕ではなく……。
ゾッとする体験をしたルースは、取材に答えてこう語っています。
私が今言えることは、とにかく命はとても大切なものだということ。
それは、いつどんな形で失われるか分からない。
ベッドでぐっすり安眠しているときでさえ例外じゃない。
今後は、命があることを当たり前だと思わないようにしたいわ。
枕に隕石が落ちた人の言葉だけあって、メチャメチャ説得力があります。
5 ゲロで一攫千金
忘年会や新年会のシーズンによく見る光景と言えば……。
そうです。
路上のゲロです。
こればかりは、どうしようもありません。
夜中の繁華街は、適度に下を見ながら歩かないと、バナナの皮で滑るみたいな形で、ゲロですってんころりんが待っています。
今年の2月、タイに住む49歳の女性が、自宅から500メートルほど離れたビーチを歩いていたときのこと。
数日前に嵐が発生したそのビーチには、何やら見慣れない物がありました。
それは、ラグビーボールほどの大きさで、見た目は、まるで巨大なきなこ餅のような固形物。
普通なら、そんな得体の知れない物、無視して通り過ぎるでしょう。
しかし彼女は、その不気味な何かを家に持ち帰りました。
そしてご近所さんたちに、その物体の正体について意見を求めたのです。
すると、物知りな住人から、
「それ、鯨のゲロじゃね?」
という発言が。
それを聞いた瞬間、彼女はテンション爆上がり。
何故なら、鯨の純粋な吐瀉物は「シャネルの5番」などの高級香水に使用される貴重な原材料で、非常に高価なものなのです。
その女性が拾った物のサイズであれば、優に25万ドル(約2800万円)の価値があります。
酔っ払いのゲロは危険なだけですが、鯨のゲロは激レアなお宝。
彼女は、買い手が見つかって大金を手にした暁には、村のために有効活用したいと語っています。
6 ポジティブ過ぎるデベロッパーの悲劇
年末年始は、ゲーム好きにとっては非常に重要な時期です。
なぜなら、各オンラインストアで、大規模なセールが行われるから。
その中でも、Steamのセールは特に有名。
膨大な数のゲームが一斉にセール価格になり、80%オフや90%オフのタイトルも豊富にあります。
しかし、セール対象のゲームが多すぎて、どれを買えばいいのか判断しづらいのが悩みどころ。
そこで、ゲームを選ぶ際の目安になるのが、ユーザーの評価。
Steamでは、それぞれのゲームの紹介ページで、ユーザーの評価に応じて「Very Positive(非常に好評)」などといった表示がなされます。
ゲームのデベロッパー側からすると、この評価で売上が決まると言っても過言ではありません。
そこで、ある海外のデベロッパーは考えました。
簡単に「Very Positive」が得られる方法を。
自分たちの会社の社名を「Very Positive」にしたのです。
こうすれば、自社のゲームの紹介ページには、デベロッパー名及びパブリッシャー名として必ず「Very Positive」と表示されます。
しかも、それが表示されるのは、ゲームの評価の真下。
両方とも文字のフォントも色も全く同じなので、パッと見た感じでは、どちらがゲームの評価なのか分かりません。
数多くのゲーム情報を次々とチェックするユーザーにとっては、「Very Positive」という言葉さえ発見できればよく、それが社名かどうかを気にするユーザーなどまずいないでしょう。
なんて頭の良いデベロッパー!
と、言いたいところですが、残念ながら、そう上手くはいきませんでした。
ユーザーに誤解を与えかねないこのようなやり方を、Steamを運営するValve社が認めず、そのデベロッパーはSteamから締め出しを食らいました。
7 振り返ると1万5千匹のハチ
続いてご紹介するのは、今年の3月、米国ニューメキシコ州に住む男性が、友人から借りた車に乗ってドライブしていたときに起きた珍事件。
途中で彼は、買い物をするために、店の駐車場に車を停め、店内へと入って行きました。
しばらくして車のところに戻ると、買った物をトランクに入れて、運転席に座り、エンジンをかけます。
そして車を発進させようとした瞬間、彼は、後部座席の方から奇妙な音がすることに気づきました。
例えるならそれは、大量の生物がうごめいているような感じ。
しかし、まさかそんなことはあるまいと思って彼が後ろを振り返ると、そこには……。
とんでもない数のハチが車内後部を覆い尽くしていました。
そのままハチの大群とドライブデートをするわけにもいかず、彼はすぐに車から脱出。
車から出たはいいが、さてここからどうするか。
考えた末、電話で警察に助けを求めました。
警察としても、ハチが相手ではどうしようもないのですが、運のいいことに、無類のハチ好きで知られていたジェシー・ジョンソンという消防隊員と連絡を取ることができたのです。
ジョンソンは非番でしたが、話を聞いてにわかに興味を持ち、現場に急行。
捕獲用の装備で身を固めた彼は、ハチを誘う特殊な香料の付いた箱を携え、ハチだらけの車のドアを開けて作業開始。
約30分ほどで、すべてのハチが箱の中に収まりました。
その数、なんと約1万5千匹。
ジョンソンの話によると、新たな棲息地を求めてハチが移動するのはよくあることで、恐らくは、日陰になっている車内は居心地が良かったのではないかとのこと。
それにしても、ハチの群れは一体いつから車内に侵入していたのか。
その男性は、なぜハチに気づかなかったのか。
いずれにせよ、自分の車でこんなことが起きたらと思うと、悪夢でしかありません。
8 絵文字がきっかけで逮捕された男
2019年11月某日、米国インディアナ州に住むフレッド・ファーマーという男性(当時58歳)が、ハンティングをしに森へと出かけました。
これは、彼が日常的に行っていることでしたが、一つだけいつもと違っていたのは、犬を連れて行かなかったこと。
夜になっても帰って来ないので、家族が心配していると、娘のクリスティーナの携帯にフレッドからメッセージが。
「今は森から出られない状態だ。一週間ほどで帰るよ」
家族は皆、その言葉を疑うことなく、父親の帰りを待ちました。
その後も何度かメールは届いていたものの、フレッドは一向に帰らず。
改めて父親からのメールを読み返してみた家族は、妙なことに気づきました。
絵文字など使ったことのないフレッドが、絵文字を使っていたのです。
メールが父親本人のものではないと確信した家族は、同年12月27日、警察にフレッドの捜索願いを出すことに。
警察が捜査を進めた結果、やはり父親からのメールは、森の中から送信されていないことが発覚。
そして、フレッド失踪についての事情を知っている人物として浮かび上がったのが、息子のジェレミー。
彼は、父親と金銭の問題で揉めたことがありました。
さらに、失踪事件があってから、何者かがフレッドのクレジットカードで大量の品物を購入していたのですが、ある店の監視カメラの映像には、そのカードで買い物をするジェレミーの姿が。
そして今年の2月10日、警察は遂にジェレミーを逮捕。
その後の捜査で、フレッドの遺体も発見されています。
仮に、ジェレミーが絵文字を使ってメールを送信していなかったら、この事件の解決は、もっと遅れていた可能性が高いでしょう。
9 不気味な家の不気味な鍵
古い家というのは、何かしら秘密が隠されていることがあります。
意外な場所に隠し部屋があったり、壁紙を剥がすと謎のメッセージが書かれてあったり。
米国モンタナ州に住むある女性の自宅もそんな感じです。
1937年に建てられたその家に住んで5年になる彼女は、ある不気味な秘密をネット上で公表しました。
その秘密とは、古い鍵。
いかにも年代を感じさせるその鍵は、いわばマスターキーで、家の全ての部屋で使えます。
それのどこが不気味なのかと思われるでしょう。
この鍵の奇妙な点は、寝室だけ、どの部屋も外側からしか施錠・解錠が出来ないというところ。
内側から鍵をかけるのが普通なのに、なぜ寝室だけ外からしか鍵をかけられないのか。
考えれば考えるほど、ダークで危険な妄想機関車が止まりません。
ちなみに、1930年代の常識に照らしても、外から部屋の鍵をかけるのは、普通ではないそうです。
さらに、この家には他にも奇怪な面があります。
彼女の息子が庭土を掘ってみたところ、見たことも無いようなボトルの山を発見。
ラベルを調べてみると、あるボトルの内容物は、1900年代初期に百日咳を治すために用いられていたクレオソートの一種でした。
何でそんな危険な物が庭に埋められているのか。
また、食器棚の高い場所には、家族の誰も使ったことのない大きな包丁が。
その女性は、こんな気味の悪い家からとっとと出ていきたいそうなのですが、残念ながらすぐには引っ越せないそうです。
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10 水鉄砲で強盗事件を起こした男の過酷な運命
今から40年前の1981年、米国アーカンソー州にあるレストランで、ロルフ・ケイステルという男が、仲間と強盗事件を起こしました。
彼が武器として使用したのは、リアルな銃に似せた、おもちゃの水鉄砲。
当時、店の従業員だったデニス・シュルターマンに対し、その水鉄砲をちらつかせ、
「コレの意味は分かるよな?」
と言って、金を要求したのです。
奪った現金は264ドル(当時の為替レートで約5万8千円)。
この事件における怪我人はいません。
水鉄砲では、人を殺すどころか怪我を負わせることも出来ませんから当然です。
犯人たちが去った後、デニスは警察に通報。
その後、ロルフは程なくして警察に逮捕されました。
そして彼に宣告された刑が、終身刑。
怪我人ゼロの事件で、まさかの終身刑です。
日本の法律では、無期刑を食らっても、10年服役すれば仮釈放の可能性があります。
しかし、アーカンソー州の法律では、終身刑になった場合、州知事が減刑を認める決定を下さない限り、仮釈放は出来ません。
ということは、たとえ模範囚であったとしても、下手をすればロルフは一生囚人の身。
あまりにも過酷なこの判決に対し減刑を求める人は多く、その中にはデニスも含まれていました。
彼は、事件の直接の被害者であるにも関わらず、ロルフの減刑を強く訴えかけていたのです。
自分が通報したことで、ロルフの人生を奪ってしまったのではないか。
デニスの中には、一種の罪悪感のような思いがあったとか。
減刑の要求は知事によってことごとく却下され、2021年になってもロルフはまだ塀の中。
年齢は70歳。
このままでは本当に刑務所から出られないままか、と思っていたところ、今年の7月、ついに減刑が認められました。
そして、10月には仮釈放の決定が。
他人から金を奪ったとはいえ、武器は水鉄砲だけで、怪我人も無く、被害者でさえ犯人を赦していたことを考えれば、40年間の服役は余りにも長すぎました。