奇妙な手掛かり
を残しつつ、結局解決されなかった失踪事件の数々をご紹介します。
手がかりがあるということは、犯人に結び付くモノが、犯行現場に残されていたということ。
そう考えると、事件解決までの道のりは、そう長くないように思えます。
しかし、その手がかりが、かなり「不気味な」モノだったとしたら……。
〈originally posted on January 29,2017〉
1 図書館の本
米国マサチューセッツ州リンカーンに住むジョウン・リッシュ(31)という女性は、夫と4歳の娘、2歳の息子の4人で暮らしていました。
1961年10月24日、隣家に遊びに行っていた娘が家に帰ると、何故かジョウンの姿はどこにも無く、弟は部屋に放置されていたのです。
電話のすぐ側の電話帳は、緊急時の連絡先のページが開かれたまま。
その後、彼女が戻ってくることはありませんでした。
状況的に見て誘拐された可能性もありますが、しかしその日の午後、ジョウンに似た女性を見たという複数の証言が得られます。
国道128号線沿いを放心状態のような感じで歩いていたとか。
仮にそれがジョウンだったとすると、 当時128号線は工事中だったため、穴に落ちてそのまま気づかれずに埋められてしまったのではないかという見方もありました。
そして、後の捜査によりジョウンのある奇妙な行動が明らかになります。
彼女は、失踪する数ヶ月前に、図書館で25冊以上の本を借りており、その全てが失踪に関する内容の本でした。
しかも、その内の一冊は「女性が突然失踪する話」で、ジョウンが失踪したときの状況と酷似していたのです。
彼女は、事件性を伺わせる状況を故意に作り上げて自ら失踪したのか。
あるいは何者かに連れ去られたのか。
全ては謎のままです……。
2 車の中のラブラドール
2000年1月某日、ゼブ・クイン(18)という男性が友人のロバート・オーウェンスと会う約束をしていたところ、ある女性から電話で呼び出されました。
この時の彼はひどく困惑した様子だったとか。
その後、クインはオーウェンスの乗っている車に追突事故を起こし、そのまま車で逃走。
それ以来、彼の姿を見た者はいません。
失踪から数日後、クインは自分の勤め先に欠勤の連絡を入れていました。
しかし、この電話をかけたのは実はオーウェンスだったことが判明。
このことを警察に追及されたオーウェンスは、クインに頼まれただけだと弁明しましたが、当て逃げの件を考え合わせると、クインに何らかの報復をしたのではないかと疑われても無理はないでしょう。
ところが、オーウェンスは失踪との関連を完全に否定。
彼以外で怪しいのは、失踪の直前にクインを呼び出した女性ですが、電話の通信記録とは裏腹に、呼び出した事実は無いと彼女は主張しました。
こうなると完全に迷宮入りかと思われましたが、失踪から2周間後にクインの車が発見されます。
後部ウィンドウには口紅を使って唇の絵と感嘆符が描かれ、車内にはジャケットやホテルの鍵がありましたが、そのどれもがクインの所持品ではありませんでした。
もっとも奇異だったのは、ラブラドールの子犬が車内にいたこと。
車はクインの家族が働いている病院の近くで発見されたため、失踪事件の真相を伝えようとするメッセージという可能性もありますが、これらが一体何を意味しているのかは判明せず、クインの行方も未だに分かっていません。
【スポンサーリンク】
3 謎のボイスメール
2004年2月9日、看護学生のモーラ・マーレイは、身内に不幸があったので数日間学校を休むという連絡を指導教諭に入れました。
その後、彼女は荷物をまとめて車で家を出たのですが、途中で雪道にハンドルを取られ、車道を大きく外れて雪の中に突っ込みます。
たまたまその場に居合わせたバスの運転手が手を貸そうとするも、モーラはそれを拒否。
仕方なく、その運転手は念のために警察に通報しておきました。
しかし、警察官が到着してみるとモーラの姿は無く、事故を起こした車があるだけ。
不思議なことに、彼女の足跡が雪の上に一つも残っていませんでした。
足跡を残さずにどうやってそこを離れたのか……。
その他にも、調べてみると色々と奇妙な事実が明らかに。
身内に不幸があったというのはウソだった。
失踪の数日前からかなり落ち込んでいる様子だった。
失踪の2日前、父親の車を借りて、ガードレールに衝突する事故を起こしていた。
失踪してから24時間以内に、ただすすり泣いているだけのボイスメールを彼氏に送っていた。
彼女が、精神的にかなり追い込まれていたことが伺えます。
手がかり自体は多い失踪事件ですが、彼女の行方は未だに判明していません。