結婚式。
それは、人生最大のイベント。
愛し合うカップルにとって、最高の思い出に残るようなものになれば、申し分ないだろう。
しかし、そんな結婚式にもワナは潜んでいる。
時には、地獄を見るはめになることも。
今回は、本当にシャレにならない悲惨な結末を迎えた結婚式をご紹介する。
〈originally posted on March 10,2015〉
1 恐怖のロシアンルーレット
2010年、ロシア南部のアストラハンという町で起きた不幸な事故。
結婚式の最中、花婿の友人の一人がいきなり拳銃を取り出し、自分のこめかみに当てて引き金を引いた。
一瞬その場が凍り付くが、カチッという音がしただけで何も起こらない。
「次、誰がやる?」
という問いかけに対し、そばにいた男性がそのモデルガンを受け取りこめかみに当てる。
そして引き金を引いた次の瞬間、彼は崩れ落ちるようにして床に倒れた。
モデルガンから至近距離で発射されたゴム弾により、彼は頭部に重傷を負って病院で集中治療を受けるハメになった。
突然「死のロシアンルーレット」を始めた33歳のその男は、警察の調べに対し、
「結婚式を盛り上げるためにやった。弾が入っていないことを確認していた」
と語ったそうだ。
2 「誓わない」新婦
オーストリア北部の都市、シュタイヤーで行われた結婚式での悲劇。
ティナ・アルブレヒト(27)は、新郎であるディートマー・コッホ(29)とともに、神父の前で今まさに「誓いの言葉」を立てようとしていた。
神父から、
「誓いますか?」
と聞かれたら、常識的に考えて答えは、
「誓います」
しかあり得ない。
ところが、アルブレヒトはここでどうしても笑いが取りたくなってしまったのだ。
そこで彼女は言ってしまったのである。
「誓いません」
と。
もちろん、冗談だと言ってすぐに訂正したのだが、時すでに遅し。
実は、オーストリアの法律では、当事者の本心に基づかない婚姻を禁ずるため、神父の質問に対し、1つでも否定の答え方をしてしまうと、そこで結婚式は取りやめとなり、何とその後10週間は再び挙式ができなくなる。
10週間後にもう一度挙式は可能だとしても、その費用や手間を考えると、笑いを取りにいった代償は大きかった。
3 呪われた結婚式
のメルボルンにある都市、メルトンの教会で結婚式を挙げたポール・キャシディとヴィルマ・キャシディには、偶然とは思えぬほどの不幸が連続した。
まず、新婦の横に並んで式場に入ってくるはずだった男の子が、突然顔を真っ青にして倒れた。
すぐに救急車が来て病院へと運ばれたが、その直後、今度は新郎の母親(76歳)が倒れてしまう。
式場が一気に騒然とする中、今度は新婦の父親が亡くなったという知らせが届く。
受付の方では、夫妻の18ヶ月の息子、クリストファーにグラスのカバーが倒れてきて頭を怪我し、その数時間後には7歳の娘、サイダがカーテンの後ろに隠れていたオブジェにぶつかって頭を怪我してしまう。
新婦のヴィルマは、この挙式を振り返ってこう言っている。
「半分は素敵な思い出だけど、半分は悪夢ね。
挙式でトラブルがあるのは珍しくないけど、まさかあんなことが起きるなんて…。
まるで誰かが私たちの結婚を妨害しているようだったわ」
その後、二人は無事に結婚式を終え、アメリカへとハネムーンに旅立ったそうだ。
4 死のブーケ・トス
花嫁が、式場に集まった未婚女性たちにブーケを投げる、いわゆる「ブーケトス」に憧れている女性は少なくないだろう。
どうせなら、今まで誰もやったことが無いようなブーケトスに挑戦しようとする人もいるかもしれない。
イタリアで結婚式を挙げたイシドロ・ペンシエリは、まさにそんな女性だった。
彼女は小型の飛行機を手配し、それに乗って式場の上を飛行しながらブーケを投げたのだ。
成功すれば、なんとも派手なブーケトスになるところだったのだが……。
彼女の投げたブーケは運悪く飛行機のエンジンに吸い込まれ、それが原因で飛行機が炎上・爆発を起こし、眼下の宿泊施設に激突した。
幸い、怪我人は少数に留まったが、ブーケを投げた張本人は、飛行機の破片が体を直撃し、重傷を負って病院に運ばれた。
5 挙式前日に(文字通り)燃えた男
オーストラリアに住むジャンニ・カタンザロは、あるとき職場でこう言った。
「俺、もうすぐ結婚式を挙げるんだ」
まさかこの台詞が原因で地獄を見るとは夢にも思わなかっただろう。
式の前日、彼は会社の同僚2人にいきなり人の来ない場所に引きずられ、股間を強打された挙げ句、手と足をテープで壁に固定されてしまった。
そこへ上司のレオナルド・ザカルデリが現れ、彼の服を切り裂いてパンツ一丁の状態にする。
そして、2人の同僚と一緒に生卵を彼目がけて投げまくったのである。
この段階ですでに「イタズラ」の限界を超えている気がするが、カタンザロの悲劇はまだ続く。
ザカルデリは、身動き出来ないカタンザロの足とその周りの床に灯油を撒き、火を放ったのだ。
パニックになったカタンザロは逃げだそうとするが、前のめりになって燃えさかる床に倒れてしまう。
さすがにシャレにならないと悟った同僚によって助け出されたものの、彼はその後、車椅子の生活を余儀なくされ、通院する日々を送ったという。
言うまでもなく、結婚式は夢と消えてしまった。
このタチの悪いイタズラの首謀者であるザカルデリは裁判の結果、多額の賠償金を支払うこととなった。