最近は、公開された映画が、何らかの理由によって上映禁止になる、という事例はほとんどありません。
しかし、かつてはそういう映画もありました。
今回は、内容があまりに恐ろしすぎて、上映禁止になった衝撃映画の数々をご紹介しましょう。
日本では、暴力的な映画が上映禁止になることはほとんど無いですが、その意味では規制がやや緩いと言えるのかもしれません。
ちなみに、先進国の中で映画の規制が特に厳しいことで有名なのは、イギリスやオーストラリアなどです。
〈originally posted on October 10,2015〉
1 テキサス・チェーンソー・マサカー(The Texas Chainsaw Massacre)
を付けてチェーンソーをぶん回しながら犠牲者を量産していく、恐怖の殺人鬼を描いたホラー映画。
1974年に公開された当時は、イギリス、ブラジル、オーストラリア、スウェーデンなど、多くの国で上映禁止となり、既に上映していた国でも、観客からの圧倒的な苦情の多さから上映を取りやめる例が続出。
その原因は言うまでもなく、あまりに残虐な殺戮シーンの数々にありました。
ちなみに、この映画自体はフィクションですが、実在した連続殺人犯である「エド・ゲイン」の事件をベースにしています。
禁止されてしまうほどの問題作だったものの、興行的には大成功を収めた上、後のホラー系映画に多大な影響を与えました。
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2 エクソシスト(The Exorcist)
一人の少女に取り憑いた悪魔と、命がけで退魔を試みる神父との壮絶なバトルを描いたホラー映画。
1973年に公開されて以来、映画のみならず様々な方面に影響を与え、恐怖映画の傑作と位置づけられています。
その常軌を逸した怖さのため、イギリス、シンガポール、マレーシアなど、多くの国で上映禁止になり、また、いくつかの国では、宗教的な理由から禁止されていました。
公開直後は、映画館で気を失う人が続出し、救急車で運ばれることも少なくなかったとか。
イギリスでは1990年になってようやく「18禁」の映画として公開されました。
3 ナチュラル・ボーン・キラーズ(Natural Born Killers)
1994年公開。
映画の中で、殺人犯が雑誌の表紙を飾っていたり、Tシャツにプリントされていたりと、とにかく犯罪行為を礼賛するかのような表現が多過ぎる点が問題視されました。
その結果、アイルランドで上映禁止になり、アメリカでも問題のあるシーン(合計約4分間)をカットしてようやく公開にこぎつけたのです。
また、この映画は現実に起きた犯罪に影響を与えていたことでも有名で、1999年に起きた、
「コロンバイン高校銃乱射事件」
では、犯人の少年が、犯行時に映画の登場人物と同じ服を着ていたり、映画の中の台詞を叫んでいたことが指摘されました。
4 マイキー(Mikey)
映画の内容は、「見た目は子供、頭脳は殺人鬼」のマイキー少年(9歳)が、自分の里親や友人を次々と死に追いやっていくというもの。
自分に容疑がかけられないよう、必ず「事故死」に見せかけるという狡猾さも備えています。
そして、自分の悪行に気づき始めた奴がいれば、アッサリその人物を始末。
後はその繰り返しです。
子供が殺人を繰り返すという衝撃的な内容のため、1992年に公開されて以来多くの国で上映禁止となり、イギリスでは2015年現在でも禁止されています。
5 死霊のはらわた(The Evil Dead)
1981年公開。
人気の無い森にある、古びれた小屋で休暇を過ごしていた5人の若者が、次々と悪魔に取り憑かれて仲間を襲っていくというホラー映画。
この映画で最も物議を醸したシーンは、悪魔が乗り移った「木」が女性を襲うシーンだと言われています。
殺害のシーンがグロすぎるため、フィンランド、ドイツ、アイスランド、アイルランドなどで上映禁止になりました。
6 時計仕掛けのオレンジ(A Clockwork Orange)
1971年公開のスタンリー・キューブリック監督作品。
仲間と徒党を組んで街へ繰り出し、毎日暴力行為の限りを尽くしていた主人公のアレックスが、ある時、仲間の裏切りに遭い警察に捕まるハメに。
有罪判決を食らい、収監された彼は、刑務所の中で、ある恐ろしい「矯正プログラム」を受けることになる……。
というのがあらすじ。
イギリスでは公開直後から、映画の内容を模倣した犯罪が多発し、また、キューブリック自身が脅迫を受けたことから、監督自らが公開を取りやめました。
その後、約30年もの間、一般の人がこの映画を観るのは困難だったそうです。
映像的にショッキングなシーンが多かったことから、アイルランド、シンガポール、マレーシア、スペインなどでも禁止されました。
7 カニバル・ホロコースト(Cannibal Holocaust)
1980年に公開されたイタリア映画。
密林に住む原住民のドキュメンタリー映像を撮るために現地に向かったクルーが、2ヶ月も音信不通のまま行方が分からなくなる。
そこで主人公たちが捜索に行くが、彼らはクルーが撮影したと思しきフィルムを発見し、そこに映った驚愕の真実を知る……。
というのがあらすじ。
あまりにも残虐な映像が多いことから、この作品は「スナッフ映画(実際の殺人場面などを盛り込んだ違法映画)」ではないかと疑われ、監督が逮捕される事態にまで発展しました。
映画の撮影は、アマゾンで暮らす原住民の協力の下で行われ、少なくとも8匹の動物が実際に殺されているようです。
イギリス、オーストラリア、ドイツ、イタリア、ニュージーランドなど、50を超える国で現在でも上映禁止という凄まじい映画です。
番外編 E.T.
1982年公開。
地球外生命体と人間の子供との友情を描いたスピルバーグ監督の傑作ですが、公開直後は、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーにおいて、「12歳未満」の子供の視聴が禁止されていました。
その驚くべき理由は、
大人が、子供と敵対する存在であるかのように描かれているから
だったそうです……。
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