亡くなった人に対してメールを送る、というのは、普通は考えられません。
当然ですが、相手に届くわけがなく、返信が来る可能性もゼロ。
しかし、その行為を4年間も続ける人がいたとしたら。
さらに、相手から返信が来たとしたら……。
〈originally posted on February 11,2020〉
1 亡き父親から返信が来た謎
親との死別による悲しみ
は、人によっては、そう簡単には乗り越えられません。
米国アーカンソー州ニューポートに住むチャスティティー・パターソン(23)という女性も、亡くなった父親のことを想わない日は一日としてありませんでした。
彼女は、返信など来ないと分かっていても、毎日、亡き父親ジェイソンの使っていた携帯の番号に、メッセージを送っていたのです。
2019年10月、ジェイソンが他界してからちょうど4年目を迎える日の前日、彼女は、いつもとは違ってかなり長文のメールを送信。
そこに書かれてあったのは、大学を成績上位で卒業したことや、病気を克服したこと、彼氏と破局したこと、新たな恋人を見つけたこと、その彼氏との結婚を考えていることなど。
言わば、自分がどのような人生を歩んでいるのかの報告です。
そして、信じがたいことに、このメールに対して、返信が届きました。
と言っても、天国からのメールというわけではありません。
返信してきたのは、ブラッドと名乗る男性。
彼の携帯の番号は、偶然にも、ジェイソンが使用していたのと同じ番号だったので、彼は、パターソンのメールを毎日受信していたのです。
そのことを、最初のメール受信から4年近くも経って本人に知らせるというのは、ちょっと趣味が悪いと思われるかも知れません。
しかし、ブラッドには、彼女の父親のつもりでずっとメールを読んでいた理由があります。
実は、彼にも娘がいたのですが、2014年8月、交通事故で亡くなったのです。
そんなブラッドにとって、毎日パターソンのメールを読むことが、心の支えになっていたとか。
メールに返信しようと考えたこともあったようですが、父親に対する彼女の想いを壊してしまいそうで、なかなか決断出来なかったそうです。
ブラッドは、その返信の中で、自分の娘がパターソンのような素晴らしい人に成長した姿を見たかったと語り、最後は、こんな形でメールのやり取りが出来るのも、神のお導きだと書いて、締めくくりました。
パターソンは、この奇跡的な体験について、自身のフェイスブックで公開したところ、多くの人から反響があったとか。
父親を失った娘がメールし続けた相手が、娘を失った父親だったからこそ、両者にとって良い結果となったのでしょう。
しかし、常にこういう良い話になるとは限りません……。
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2 天国の(偽)お婆ちゃんからのメッセージ
イングランドのサウス・シールズ在住のシェリ・エマーソンという女性は、2014年、亡くなった祖母の携帯に、メッセージを送信しました。
その携帯は、祖母の墓に遺体とともに埋葬されており、エマーソンは、悲しさを紛らすためにメールしたのです。
すると、すぐにこんな返信が。
「お前達のことをいつも見守っているよ」
「何があっても頑張っていれば、必ず上手くいくものさ」
天国のお婆ちゃんからの、何と優しいアドバイス(泣)……。
……ではありません。
驚いたエマーソンが、祖母の携帯番号に電話したところ、男性が出て、単なる冗談だったと告白。
先程のパターソンと同様、エマーソンの祖母の番号は、別人が使っていたのです。
その別人が、受信したメールの内容を見て、亡き祖母になりすまして返信したのですから、少々タチが悪い。
それにしても、パターソンとエマーソンは、名前もちょっと似ていますけれども、同じく「死者」からのメッセージを受け取っていながら、こうも運命が異なるというのは、皮肉なものです。