日本における運転免許保有率は、令和元年の時点で、男性が約55%、女性が約46%。
男性の方は、ここ数年で毎年減少しています。
ちなみに、アメリカにおける25歳以上の運転免許保有率は、2021年時点で約89%。
車が無くても何とかなる日本と比べ、車が無くては不便極まりないアメリカの事情がよく現れています。
〈originally posted on February 12,2020〉
1 不合格者どうしの争い
イギリス在住のある30代の女性は、2016年に、非常に不名誉な記録を達成してしまいました。
運転免許試験の筆記試験に、113回不合格になったのです。
イギリスの交通法規がどのようなものかは知りませんが、日本のものより遥かに複雑で難解、などということは恐らくないでしょう。
彼女が何故そこまで筆記試験に苦戦していたのかは公表されていませんが、その年齢から察するに、仕事や家事と試験勉強を両立させるのが苦手だったのかも知れません。
この女性が受験のために費やした金額は、3500ポンド(約50万円)を超えると見られています。
そして、同じ年、彼女にとって強力なライバルが現れました。
40代の男性が、筆記テストを107回不合格になったのです。
奇妙なことに、二人とも、ロンドン北東部の町、イルフォード在住。
この二人が筆記テストだけのために使った費用は、合計で6500ポンド(約90万円)を超えており、新車が買える金額です。
不合格の回数では、この二人がぶっちぎりですが、他にも、ピーターバラ在住の30代の男性は87回不合格、バーミンガム在住の40代の男性は80回不合格になっており、100回超えまであと一歩。
恐るべき不合格回数を誇る彼らが、何とか筆記試験に受かっても、当然ながら実技試験が待っています。
果たして、彼らは今、免許を無事に取得できたのか。
あるいは、免許を諦めて、公共交通機関に頼る生活を送っているのか。
2 5秒で実技試験が不合格
筆記試験を突破しても、実技試験で悲惨な体験をする人がいます。
イングランドのノーフォークに住むクレイグ・バラッザという男性は、2017年に実技試験を受けたところ、試験開始からわずか5秒で不合格が決定しました。
彼は、緊張のあまり頭の中が真っ白になってしまい、教習所から出て5秒後、反対車線を逆走してしまったのです。
すぐにミスに気づき、軌道修正したものの、時既に遅し。
この時点で、彼の不合格は確定していました。
クレイグにとって地獄だったのは、試験時間はあと40分も残っており、最後まで運転し続けねばならなかったこと。
しかも、その40分間の運転は、全く何の問題も無かったとか。
不合格だと分かっていながら運転を続行する虚しさは、察するに余りあります。
3 母親のフリをして受験した息子
なかなか試験に受からない人を、不正な手段を使ってでも合格させるとなると、一つ思いつくのは、替え玉受験です。
2019年、ブラジル出身のエイトル・スキアヴという43歳の男性は、60歳の母親マリアが、3回連続で運転免許試験に落ちたことで、自分が代わりに受験することを決意。
自動車整備士の仕事をしている彼は、母親には内緒で、花柄のワンピースを来て、メイクを施し、髪の毛を若干白髪にして、実技試験に臨みました。
しかしながら、不自然な高い声と、やたらとデカい手によって、エイトルの女装はあっさり試験管にバレる結果に。
この不正行為が原因で、彼は逮捕されました。
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4 合格してもいないのに免許が届いた女性
100回以上受験しても不合格になったり、試験開始からたった5秒で不合格になったりする人たちがいることを考えると、運転免許試験というのは、厄介な面があると言えるかも知れません。
そして皮肉なことに、不合格だったのに免許をもらった人もいるのです。
イギリス人のサラ・ロバートソンという女性は、20歳のときに運転免許試験を受けたのですが、残念ながら不合格。
それ以来、彼女は一度も受験していませんでした。
それから10年が経った2016年、二人の子供のために、彼女は再び免許取得を決意し、仮免許試験の受験を申込みます。
数日後、サラは自宅の郵便受けを見て驚きました。
自分の顔写真が印刷された、完全な免許証が送付されていたのです。
まだ受験すらしていないのに。
その免許証を携帯すれば、(形式上は)合法的に運転できます。
合格していない人が、堂々と運転できると考えると、なかなか恐ろしい話です。
何らかの手違いでこうなったのだと思われますが、結局、彼女がその免許証を使って運転することは無かったようです。