人生で極度の緊張を強いられる場面は色々ありますが、間違いなくその一つに当たるのが、面接でしょう。
自分が本当にやりたいことを一生の仕事に出来るか否か、といった、絶対に失敗の許されない大勝負、ということもあります。
しかし、そんな局面にこそ、罠は待ち構えているもの。
今回は、海外で実際に起きた、面接での悲惨な体験談をご紹介します。
〈originally posted on January 24,2021〉
1 さあ、私をエスコートなさい
今月、オランダ在住のある女性が、面接で起きた恥ずかしい失敗談をネットに書き込み、読者の大きな反響を呼びました。
現在のコロナ禍にも関わらず、自分が希望する企業で面接試験が受けられることを幸運に感じていた彼女は、面接当日の朝から緊張しっぱなしだったとか。
会社の受付に行き、その後、指定された場所で待っている間、心臓の鼓動がうるさいほどに鳴っていました。
すると、面接官と思しき男性が、階段を降りてくるのが目に入ったのです。
遂に来た、本番だ、と思った瞬間、その男性は階段の途中でピタリと立ち止まりました。
それを見た彼女は、面接は上の階で行われるのだと勘違い。
すぐに席を立ち、階段を上り始めました。
そのとき、男性が自分の肘を突き出したのを見た彼女は、てっきり彼が自分をエスコートしてくれるものと錯覚。
「紳士的」なその男性の腕に、彼女は自分の腕を絡めます。
階段で腕を組んだまま、見つめ合う二人……。
双方とも、言葉を発することなく、ただ気まずい空気だけが流れつづける……。
沈黙を破ったのは、男性の方でした。
「えーと、肘タッチのつもりだったんだが……」
男性の正体は、その会社のCEO。
ウイルスの感染防止のため、握手ではなく、肘タッチをしようとしていたのです。
ところが、いきなり女性に腕を組まれたため、しばし頭が真っ白に。
一方、自分の誤りに気づいたその女性は、すぐに男性から距離を取り、「で、ですよねー!」という反応をするのがやっと。
そのあと、この女性の面接は予定通り行われました。
ただし、その結果がどうなったのかは不明。
面接直前に、CEOと腕を組んでしまった彼女は、果たして、面接本番で挽回できたのでしょうか……。
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2 会社に来て5分で不合格となった男
次にご紹介するのは、面接官の立場にある人からネットに投稿された悲惨な話。
その投稿者の勤める会社に、ある男性が面接試験を受けにやって来たときのこと。
受付の女性が、その男性に挨拶したのですが、彼は目を合わせようともせず、それを無視しました。
大事な面接を前にして、かなり緊張していたのかもしれません。
それでも受付の女性は、その男性に話しかけ、会話に引き込もうとします。
しかし、男性は面接のことしか頭に無いのか、やはりそれを無視。
終わりです。
この時点で、もう彼の面接は終わりました。
勘のいい方ならもうお分かりでしょう。
実は、その受付の女性こそが、面接官でした。
その会社では、すべての社員および従業員が肩書を問わず重要であり、尊敬に値する、という理念があるのです。
もちろん、受付嬢も、その重要な存在の一員。
無視するなど論外です。
その男性は、会社を訪れて、5分と経たずして、不採用が確定してしまったのです。
3 上手く行き過ぎる面接には要注意?
難しい質問ばかりされる面接試験というのは厄介なものですが、逆に、あまりに簡単に話が進む面接も、少々危険です。
イギリスのロンドン在住のスティーヴ・ルエチフォードという男性は、2019年、ニュージーランドに住む家族に会うため、仕事を辞めました。
そして、2020年1月、イギリスに帰国し、職探しをしようとしたところ、世の中は感染拡大の影響で、失業者が増える一方。
彼は、そのうち転職先が見つかると思っていたのですが、パンデミックのせいで半年以上も手に職を得られない日が続きました。
しかし、同年8月、ある会社から、面接の通知が。
ようやく希望の光が見えたと感じた彼は、オンラインのビデオ会議システムでその面接を受けたのです。
面接は、驚くほどスムーズに行きました。
スムーズ過ぎて、不自然なほどに……。
不自然だったのはそれだけではありません。
会社側から仕事内容の説明がほとんど無く、しかも、面接時に行われた質問もかなり大雑把。
面接自体もあっという間に終わりました。
後日、ロバートと名乗る男から彼に連絡があり、採用に必要な証明書等を準備するため、280ポンド(約4万円)を送金するように告げられます。
この時点で、きな臭い要素を感じ取ったスティーヴは、「警察署の前で会いましょう」と持ちかけたところ、ロバートはにわかに激怒し、次のような罵声を浴びせました。
「ウチはちゃんとした会社なんだ!警察なんざクソ喰らえだ!!」
後にスティーヴが警察に相談すると、案の定、このロバートという男は、詐欺師だったのです。
コロナ禍で職探しに苦労している人々を狙う詐欺師がいるのは何とも気分の悪い話ですが、立場の弱い人間を餌食にしようとする輩が現れるのは、どこの国も変わらないようです。
詐欺であれば、スティーヴのように、途中で不自然さに気づいて、被害を未然に防ぐことも可能でしょう。
しかし、さらに卑劣な犯罪を行う者もいるのです……。
4 秘書を募集する男の恐るべき正体
2020年、米国フロリダ州在住のジェイソン・ミントンという43歳の男が、性的暴行の容疑で逮捕されました。
この男、データベースに登録済みの性犯罪者であるにも関わらず、性懲りも無く女性をターゲットにしていたのです。
ジェイソンの手口は、時給35ドルで秘書を募集し、面接にやって来た女性を強引に車に乗せ、乱暴するというもの。
しかしながら、監視カメラの映像に、男が犯行に及んでいる様子が映っており、そのことが公にされるや否や、ジェイソンは自ら警察に出頭。
彼の逮捕が報じられると、同じ被害に遭ったという女性が複数現れたそうです。
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5 面接の最中に彼氏と大喧嘩
最後にご紹介するのは、アメリカでソフトウェア開発の会社を経営しているヨシュア・ワイスという男性の遭遇した、奇妙な女性の話。
その女性、営業職に就職するため、ヨシュアの会社の面接試験を受けていたのですが、その真っ最中に、彼女のスマホの着信音が派手に鳴り響きました。
彼女が電話に出ると、相手は彼氏。
その彼氏は、前の晩に二人でイチャコラしたときの話を嬉しそうに語っていたのです。
面接中に電話をかけてきた彼氏に対し、彼女はブチギレ。
CEOであるヨシュアをそっちのけで、彼氏とケンカを始めました。
「今、面接中だっての!このアホ!」みたいなことを怒鳴っていたのでしょう、おそらく。
残念ながら(というか当然ながら)、彼女が採用されることはありませんでした。