自分で稼いだ金をどう使おうが、その人の勝手です。
今年の始め、元ZOZOの社長である前澤友作氏が、ツイッター上で「1億円のお年玉」を企画したことが話題になりました。
これに対しては否定的な意見もありましたが、個人的には他人が自分の金をどう使おうが、その人がそれで満足しているのであれば、あまり興味がありません。
逆に、金を使って後悔した人たちの話には興味が湧きます。
というわけで、今回はそんな、人生の選択を誤った人たちの話です。
〈originally posted on December 16,2019〉
1 罰則金の300倍の金を費やして裁判で戦ったスピード違反者
2016年、イングランドのウスター在住のリチャード・キードウェルは、30mph(約48km/h)の道路を35mph(約56km/h)で走行したとして、スピード違反で捕まりました。
罰金は100ポンド(約14000円)。
この罰金を払っていれば、それで全てが丸く収まっていたのです。
しかし、自分は絶対に違反していないという確信があった彼は、取り締まり用カメラの方が間違っていると主張し、法廷で徹底的に争う覚悟を決めました。
単純な裁判のようにも思われますが、この法廷闘争は予想外に長引き、決着が付いたのが2019年8月。
3年以上もかかった裁判で彼が費やした費用は、3万ポンド(約440万円)。
これで勝訴していればまだ救いがありますが、残念ながら彼は負けました。
罰則金の300倍もの費用をかけて、後に残ったのは、疲労感と、何とも言えない虚しさ。
元エンジニアで、現在71歳のリチャードが最も後悔しているのは、息子たちに遺してやるべき財産を使ってしまったことだそうです。
【スポンサーリンク】
2 息子の治療費を使い込んだ父親
ブラジル北東部のサルヴァドールに住むマティアス・アルヴェスには、生後19ヶ月になる息子がおり、その子は「脊髄性筋萎縮症」という難病を患っていました。
この病気の治療には、薬を脊髄の付近に複数回注射せねばならないのですが、それには莫大な費用がかかるのです。
そこで、家族や友人が協力して募金活動をした結果、一年間で日本円にして約3100万円が集まりました。
これで、目標額の半分といったところ。
それでも、完治に向けての大きな前進であることには違いありません。
ところが、このときから父親のアルヴェスは姿をくらまします。
そして、集まった資金を使って酒やドラッグ、高級品、風俗などに散財し、一ヶ月ほどで1900万円を使いこんでしまいました。
2019年7月22日、5つ星ホテルに滞在しているアルヴェスを警察が逮捕。
この事実に、彼の妻カリーヌ、そして、募金活動をサポートした人々は大きなショックを受けることに。
専業主婦であるカリーヌは、息子の快復が後退してしまったことを酷く心配していましたが、10月17日、息子はこの世を去りました。
3 強運を半年で無駄にした男
2016年3月、イングランド北西部カンブリア在住のスティーブン・ミルン(48)という男性は、職を失ってから数日後、何気なくオンラインのビンゴゲームに3ポンドを賭けました。
それが見事に大当たりとなり、彼は265000ポンド(約3900万円)を手にします。
離婚して一人暮らしをしているミルンは、その大金の中からいくらかを使い、離れて暮らす息子や家族へプレゼント。
失職の直後に大金が舞い込んでくるというのは、半端ない強運の持ち主と言わざるをえません。
しかし、この時の彼は、半年後に自分が自殺を考えているなどとは夢にも思わなかったでしょう。
ミルンはビンゴゲームに味をしめ、オンラインのスロットマシンに手を出すようになりました。
ギャンブルの闇の世界にずぶずぶとはまっていき、彼の口座からは金がどんどん無くなっていきます。
同じ年の10月にはついに貯金が底を尽きますが、それでも借金をしてスロットを回し続けました。
ある日、彼は自宅のトイレの中で、何時間も床を見つめたままじっとしていた後、自殺を決意。
しかし、誰かがドアをノックしているのに気づき、開けてみると、そこに立っていたのは父親のブライアン(73)でした。
父親に説得され、ミルンはようやくギャンブルの世界から脱却。
しかし、もし彼の父親が来ていなかったら、と考えると、改めてギャンブル依存症の怖さを思い知らされます。
【スポンサーリンク】
4 「フォートナイト」で預金残高ゼロ
ウェールズのブリジェンドに住むクレオ・ダケット(47)は、車椅子で生活し、11歳の息子を育てるシングルマザー。
そんな彼女にとって、お金のやりくりは非常に重要です。
預金口座には僅かなお金しかなく、無駄なことに使う余裕などありませんでした。
ところが、2018年9月、口座を確認して、彼女は血の気が引きます。
残高ゼロ。
もちろん、高額の商品を買った覚えは彼女にありません。
「犯人」は息子でした。
彼は、「フォートナイト」というゲームを遊んでいるとき、母親のクレジットカード情報を入力して、ゲーム内アイテムを買いまくっていたのです。
1200ポンド(約17万円)が、あっという間にアイテムに消えていました。
当時10歳だった息子の話によれば、実際のお金が使われているという認識は無かったとのこと。
彼女は公的扶助を受けてはいますが、次にそのお金が振り込まれるまでの5日間、所持金無しで息子と生き抜かねばならないことが怖い、とダケットは語りました。