極めて珍しい症状
を持つ人たちの実例をご紹介します。
人間の体というのはまだまだ謎が多く、普通では考えられないような症状が現れることがあります。
それらは症例が少ないために十分な研究を行うのが難しく、治療法はおろか病気の原因すら発見されていないことも少なくありません。
治療法が無い場合、残された道はその症状とどのように付き合っていくか、という一点に絞られますが、それは決して簡単なものではないようです。
〈originally posted on May 31,2016〉
1 絶対に太れない生活
ロンドン北東部のイルフォードに住むペリーという男性は、いくら食べても絶対に太りません。
パイ、ハンバーガー、デザート……。
何を食べようが太ることが無いのです。
これは「脂肪異栄養症」という症状のため、通常よりも脂肪を燃焼させる速度が段違いに速いのが原因。
彼は12歳まではぽっちゃり体型だったのですが、ある日を境に突然太れなくなったとか。
それからは、どれだけ大量に食べても体型は変わらないそうです。
約10年にも及ぶ医学的検査の結果、彼の体内ではインスリンが普通の人の6倍も分泌されていることが分かりました。
同じような症状を持つ人に、米国テキサス州オースティンに住むリッツィ・ヴェラスケスという女性がいます。
彼女もどれだけ食べようと太れない体質なのですが、それだけにとどまらず、何と15分おきに食事をしないと生命を維持できないのです。
この症状は、今のところ世界でたった3人しか確認されていません。
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2 水に触れられない生活
オーストラリアのメルボルン出身のアシュレイ・モリスという27歳の女性は、水に触れることが出来ません。
触れた箇所にたちまち発疹が出るのです。
それゆえ、一日の仕事を終えて汗を洗い流したくてもシャワーを浴びることが出来ません。
それどころか、自分のかいた汗さえも彼女にとっては脅威で、全身に発疹が出る原因になるそうです。
これは「水性じんましん」と呼ばれる症状で、世界中で数例しか報告されておらず、彼女は12歳からこの症状と付き合って生活しています。
3 全てが上下逆さまの生活
セルビア出身の公務員、ボヤナ・ダニロヴィッチさんは、目に入るもの全てが上下逆さまになって脳に認識されます。
彼女はこの極めて稀な症状のため、職場ではパソコンのモニターを上下逆さまにし、家で自分が見るTVも逆さまにしています。
毎朝、新聞に目を通すときも、当然のごとく上下逆さまで読むのです。
そんな彼女に、
「新聞、逆さまじゃん!」
などとツッコミを入れるのは、当然ながらご法度。
彼女にとっては、生まれたときから上下が逆転した世界が当たり前の状態になっています。
どういったメカニズムでこのような症状が現れるのかは完全には解明されていませんが、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の研究者によれば、神経学的症候群の一種だと考えられています。
4 寒さを感じない生活
ウィム・ホフという56歳のオランダ人男性は、寒さを全く感じません。
通常の人であれば命の危険があるような低温で、ほぼ全裸でまったり過ごしても何の問題も無いのです。
彼がこの特殊な体質に気づいたのは、28歳のとき。
公園を歩いているとたまたま氷が張っている場所を見つけ、何故か無性にその冷たさを全身で感じたくなり、次の瞬間には服を脱いで氷に体をくっ付けていました。
その時に感じた何とも言えない心地よさが忘れられず、それ以降毎日のように氷に触れていたとか。
彼はこの特殊な体質の限界を知りたくなり、1999年に北極圏でハーフマラソンを「裸足」で完走。
2002年には北極の氷の下に海パン一丁でダイブして遊泳を満喫。
これによりギネス記録も取得し、いつしか彼には「アイスマン」という異名が付きました。
なぜ超低温が平気なのかが気になるところですが、実は学者の間でも原因はよく分かっていないのだそうです。
5 スマホが使えない生活
イギリス在住のデビー・バードさんは、スマホや携帯電話が使えません。
といっても、別に超が付くほどの機械オンチというわけではありません。
彼女は「電磁波(電磁場)」に対して極度に敏感な体質の持ち主なのです。
スマホや携帯から発せられる電磁波は、普通の人なら特に問題ないですが、彼女の場合は微弱な電磁波に晒されただけで肌に発疹が現れ、まぶたは3倍に腫れ上がります。
モバイル機器だけでなく、電子レンジからの電磁波でもアウトなので、電子レンジも使うことが出来ません。
現在、彼女の自宅は夫の協力の下、完全に電磁波をシャットアウトする構造に作り変えられているのです。
6 全てを記憶してしまう生活
今から約10年前、カリフォルニア大学アーバイン校の研究者が、驚くべき脳力を持った人物と出会いました。
本人のプライバシーに配慮して「AJ」というコードネームで呼ばれていたその女性は、日々の出来事を忘れることが出来ず、25年間の経験をほぼ全て記憶しているのです。
例えば、過去の任意の日付を挙げて、その日に何が起こったのかを尋ねれば、その日が何曜日に当たるか、どんな天気だったか、何が自分の身に起きたか、といったことを答えることが出来ます。
思い出すときは、ちょうど目の前で映像が再生されているような感じで記憶が蘇るのだそうです。
彼女自身はこの特異な脳力を煩わしいとは思っておらず、むしろ楽しんでいると語っています。
記憶力が悪い筆者としては、なんとも羨ましい限りです。
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