日記

実際に、そんな生活を送っている人の話をご紹介します。

(アイキャッチ画像:stevepb/Pixabay)

イングランドのリンカンシャーに住むミシェル・フィルポッツ(55)は、1985年と1990年に交通事故に巻き込まれ、その際に脳に負った傷害が原因となり、記憶を保持する能力が大幅に損なわれてしまいました。

症状が深刻になり始めたのは1993年。

弁護士事務所で事務員として働いていた彼女は、ある日、仕事中にずっと同じ書類のコピーを取り続けていたことから、帰宅するように告げられたのです。

記憶力の低下に改善の兆しが現れることは無く、1994年以来、彼女は、その日に起きたことを、その日の間しか記憶出来なくなりました。

つまり、一晩寝て、翌朝に目覚めると、前日の記憶は全て無くなっているのです。

朝

Skitterphoto/Pixabay

言うなれば、彼女の記憶は、毎朝リセットされるということ。

ミシェルは1997年に、現在の夫であるイアンと結婚したのですが、そのこと自体は把握しているものの、結婚式を挙げたことは覚えていません。

ミシェルとイアンは、先の交通事故が起きる前からの知り合いですが、イアンからアルバムを見せられることで、ミシェルは初めて、二人の挙式のことを知るのです。

そんな彼女にとっては、日常的に観る、ごくありふれたテレビ番組も、全てが新鮮に映ります

同じような内容のドラマなどを、何度観ても、新たな感動があるのです。

一日しか記憶を保持できない彼女が、健常者と同じように生活するためには、様々な工夫が必要となります。

その一つが、ポストイット

ポストイット

geralt/Pixabay

一日に起きた出来事や、自分が出会った人物、重要な情報などは、逐一ポストイットに書き留めます

よって、自宅の中は、至る所にポストイットが貼られているのです。

ミシェルは、家から出ることはそれほど多くないのですが、外出するときは、たとえ近所の店に行くときであっても、必ずスマホでマップを確認しつつ、ナビに頼らねばなりません。

しかし、それでも、時には全く知らない場所にたどり着いて困惑することもあるとか。

こういう生活を続けている彼女は、家の中が、まるで牢獄であるかのように感じることがあるそうです。

ただし、悪いことばかりではありません。

毎日が新しい発見の連続であり、そして何より、毎日夫に対して、初恋のような恋愛感情が湧き上がってくることは、数少ないメリットとなっているようです。

夫のイアンによると、彼女との結婚生活を円満に続ける秘訣は、「忍耐」であるとのこと。

ミシェルの苦悩を理解し、彼女の症状を受け入れることで、毎日記憶がリセットされる妻を支えることが出来るのだと、彼は語っています。

2時間で記憶がリセットされる女子高生

時計

Free-Photos/Pixabay

24時間で記憶がリセットされる生活もかなり大変ですが、米国イリノイ州には、さらに過酷な日々を強いられている学生がいます。

高校でチアリーディング部に所属しているライリー・ホーナー(16歳)は、2019年6月11日、あるダンスのイベントに参加していました。

そのとき、一人の学生が、誤って彼女の後頭部を蹴ってしまい、それにより、ライリーは、物事を記憶することが出来なくなったのです。

より厳密に言えば、彼女は記憶を2時間しか保持できません。

あらゆる記憶は、2時間でリセットされます。

よって、この症状が改善されない限り、彼女の中では、毎日が2019年6月11日ということ。

学校では、常にノートとペンを持ち歩き、今日が何日なのか、自分のロッカーがどれなのか、といったことまで全て、そのノートで確認してからでないと行動できません。

このような自分の状態について、彼女は、

周りの人は理解できないだろうし、それは自分も同じ。まるで映画の中にいるように感じる

とコメントしています。

ライリーの抱える症状には、医師でさえよく分からない部分があり、根本的な治療は、簡単ではなさそうです。

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