「暗号」と聞くと、それだけで妙に興味をそそられます。
絶対に解けない暗号、などと言われると、なおさらです。
僕自身は、理数系が得意というわけではないのですが、それでも、天才でも解けない謎に満ちた世界は、その中を覗いてみたくなります。
そこで今回は、天才的な頭脳や、コンピューターをもってしても、いまだに誰も解読できていないという「暗号」の数々をご紹介します。
現代のテクノロジーを駆使すれば、大抵の暗号は解読できそうに思えますが、何十年、何百年かかっても破られていない暗号が存在するのです。
〈originally posted on September 7,2015〉
1 ヴォイニッチの原稿
1912年に、イタリアの修道院で発見された120ページからなる原稿は、植物などのイラストや、意味不明の文章などで埋め尽くされていました。
書かれたのは、15世紀のイタリア・ルネッサンス期だとされています。
世界中の暗号解読の専門家が何十年にも渡って解読に取り組んでいるものの、現在までに解読できた単語はたったの「9個」だけ。
単なる「冗談」で書かれたものではないか、という意見もあれば、ハーブによる治療法を書き留めたものではないか、という意見もあります。
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2 タマム・シュッド
1948年にオーストラリア南部で、男性の死体が発見されたのですが、身元や死因などが謎に包まれていました。
唯一の手がかりとなったのが、その下着の中に隠されていた、一枚の紙切れ。
そこには暗号が書かれていたのですが、それを解読した結果、
タマム シュッド(TAMAM SHUD)
という言葉が見つかったのです。
これは、ペルシャ語で物事の終わりを意味する言葉。
さらに解読を進めていくと、彼の所持品と思しき「詩集」に辿り着いたのですが……。
その本を開いてみると、そこには新たな暗号の書かれた紙があったのです。
そして、この暗号はまだ誰も解読に成功していません。
ある仮説によれば、当時極秘情報だった、イギリスの戦闘機「ヴェノム」について書かれたものではないか、と言われています。
3 ゾディアック・キラー
1960年代から1970年代にかけて、カリフォルニアで37人を殺害したと主張する男が、あるとき、事件の証拠に暗号を添えたものをマスコミに送ってきました。
1つ目の暗号は408個の文字から構成されており、これはわずか数日で解読され、内容は犯人の異常性を露わにするものでした。
2つ目の暗号は、直接犯人の身元につながる情報が隠されていると目されたのですが、こちらはいまだに解読されていません。
結局、この犯人が何者なのかは謎のままです。
4 クリプトス
バージニア州ラングレーにある、アメリカ中央情報局(CIA)の旧所在地には、
クリプトス(KRYPTOS)
と呼ばれる彫刻があります。
その彫刻の表面には、製作者であるジム・サンボーンによって、暗号がビッシリと書き込まれているのです。
その暗号は4つの区画に分かれており、その内の3つはそれぞれ、「詩」「CIAの所在地」「考古学者ハワード・カーターの日記」が書かれていることが判明したのですが、最後の1つだけはまだ誰も解読できていません。
この暗号を解いたからといって、何か褒賞があるわけでは無いのですが、間違いなくCIAの方から声がかかるだろうと言われています。
現在、この暗号の答えを知っている唯一の人物は、作った本人であるサンボーンただ一人です。
5 シェパード・モニュメント
イギリスのスタッフォードシャーにある「シャグボロー・ホール」という大邸宅の敷地内に存在するモニュメントに、ある暗号が刻まれています。
それがこちら。
D O.U.O.S.V.A.V.V. M
驚くべきは、この暗号は250年間も解読が試みられているにも関わらず、いまだに誰も成功していません。
あのチャールズ・ディケンズやダーウィンさえもこの暗号の説明を試みたと言われています。
一説には、キリストの聖杯にたどり着くヒントではないかとも言われていますが、2004年に暗号学者のブレッチリー・パークは、この暗号について、
解読不可能である
とバッサリ切り捨てました。
6 リッキー・マコーミック
(※実際に発見されたメモ)
1999年7月、ミズーリ州で、41歳のリッキー・マコーミックという男性の死体が、自宅から数マイル離れた場所で発見されました。
奇妙だったのは、死因に不明な点が多かったこと。
そして、ズボンのポケットから、2枚の紙切れが出てきたのですが、そこには謎めいた暗号文が書かれていました。
FBIは、この暗号の解読が、事件の真相を明らかにすると信じているようなのですが、いまだに解読不能な状態が続いており、犯人も捕まっていません。
7 ビールの暗号
1817年、アメリカ人男性のトーマス・ビールは、3つの暗号を家族に残してこの世を去りました。
その暗号は、1500万ドル以上もの価値を持つ「お宝」の在り処を示すもので、1862年に3つのうちの1つが解読され、それにより、1360kgもの「金塊」が掘り出されたのです。
しかし、今日まで、残り2つの暗号は未解読のままです。
もしこれが解読できれば、莫大な富を得られる可能性は高そうですね。
8 ディアガペイエフの暗号
1939年、ロシア出身のアレクサンダー・ディアガペイエフが書いた、「暗号と解読」という暗号理論についての入門書が出版されました。
そして、この本の最後のページには、読者の理解度を試すべく、「チャレンジ問題」が掲載されていたのです。
それがこちら。
75628 28591 62916 48164 91748 58464 74748 28483 81638 18174
74826 26475 83828 49175 74658 37575 75936 36565 81638 17585
75756 46282 92857 46382 75748 38165 81848 56485 64858 56382
72628 36281 81728 16463 75828 16483 63828 58163 63630 47481
91918 46385 84656 48565 62946 26285 91859 17491 72756 46575
71658 36264 74818 28462 82649 18193 65626 48484 91838 57491
81657 27483 83858 28364 62726 26562 83759 27263 82827 27283
82858 47582 81837 28462 82837 58164 75748 58162 92000
この最終問題の大きな問題点は、本の中に解答が示されていないこと。
おまけに、著者のディアガペイエフ自身が、どうやって暗号化したのかを忘れてしまい、本人でさえ解読できなくなったのです。
この暗号の解読テクニックは、当然その本のどこかで触れられているはずなのですが、現在までこれを解読できた人はいません。
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