「隊長!この武器ぜんっぜん役に立ちません!」
「何の効果も無さげデス!」
「隊長!隊…ぐは ッ!(爆死)」
戦争中には各国が様々な兵器の開発にしのぎを削っていたわけですが、その中には実にマヌケなものも存在していました。
もちろん、そのマヌケな武器を、兵士たちは命懸けで使っていたのでしょうが……。
〈originally posted on December 17,2015〉
1 気球爆弾
気球爆弾は、日本軍が第二次世界大戦中に開発した焼夷弾で、小型の気球につながれているのが特徴。
着弾すると、約15分間燃え続け、周囲に被害をもたらします。
アメリカとカナダの本土を攻撃するために作られました。
9300個もの爆弾が放たれたのですが、風のきまぐれによって、目標地点に到達できたのは僅か357個のみ。
しかも、その多くは着弾したのに発火すら起きなかったとか。
情けないことに、2個の爆弾は日本に戻ってきてしまったそうです。
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2 接着ボム
接着ボムは、第二次世界大戦中にイギリス軍が開発した対戦車用兵器で、グレネードを接着剤でコーティングして作られていました。
最初、軍部はこの武器の開発に難色を示していたようですが、当時の首相だったウィンストン・チャーチルの指示により、製造が始まったのだとか。
その結果作られた接着ボムの数は、驚きの250万個。
戦車に向けて投げられた接着ボムは、戦車の装甲にピタッとくっ付いて爆発する予定でした。
しかし、実際の戦車の車体は砂や泥にまみれていて、なかなかうまい具合にくっ付きません。
そこで兵士たちは、敵戦車を待ち伏せし、自らの手で爆弾をペタペタと装甲に貼り付けていったのです。
この時、貼り付けてから5秒以内に退避しないと爆風に巻き込まれたというから恐ろしい。
しかも、場合によっては爆弾が兵士の服にくっ付いてしまい、運命共同体になることもあったとか。
3 ノヴゴロド
ノヴゴロドは、ロシア帝国が、オスマン帝国(トルコ)との戦争(露土戦争)で使用した2隻の戦艦のうちの一つ。
20トンを超える巨大な回転砲台を内蔵しており、これで敵の戦艦を木っ端微塵にする気満々だったのです。
しかし、そのケタ外れの威力のため、一発撃っただけの反動で船が勢い良く回転し、コントロールが出来なくなるという悲惨な状態に陥りました。
さらに、ノヴゴロドの船体は流線型ではなかったので、いったん制御不能になると海流に弄ばれて為す術が無かったそうです…。
4 ウィンド・キャノン
これは、ナチスによって開発された、全長約10mの対空キャノン砲。
ヒーローの必殺技みたいな名前ですが、このキャノン砲はその名の示す通り、空気の塊を強力な風としてターゲットに向けて発射するのです。
具体的には、アンモニアと水素の混合気体の塊を射出し、200m離れた場所の板(厚さ2.5cm)を破壊する性能があったとか。
しかしながら、実際の戦闘における敵は木の板とは違うわけで、この洒落た名前の兵器は戦場でほとんど何の役にも立たず、低空飛行をしている敵戦闘機にすら効果が無かったのです。
そこで、対空兵器としてダメなら地上戦で使用すればよい、ということになったのですが、地上でもその無能ぶりは相変わらずだったようです。
おまけに、無駄にデカいサイズが仇となって、容易に敵の爆撃の標的にされてしまったとか…。
5 ダック・フット・ピストル
「ダック・フット・ピストル」とは、銃身が4つ付いており、それらがちょうどアヒルの足のように放射線状に広がっているピストルです。
19世紀において、船が海賊に襲われたとき、複数の敵を効率良く倒すのに都合がいいということで使用されていました。
しかし、このピストルの最大の問題点は、
「真正面を向いている銃身が一つも無い」
ということ。
つまり、正面の敵に向けて撃っても、その両脇を弾丸が素通りしていく形になったのでした…。
6 ガン・シールド
「ガン・シールド」は円形のシールドで、その中央にマスケット銃の銃身を中ほどまで突き刺して使用します。
攻撃と防御を一体化させる目的で考案されました。
ヘンリー8世のボディガードのために約100個作られたそうです。
しかし、このシールドは思いのほか重く、これを装着して銃を持ち上げるのは至難の業だったとか。
その結果、敵を正確に狙って撃つなど常人には不可能だと分かり、すぐにお蔵入りになりました。
7 ダイビング・タンク
がイギリスへの侵攻を計画中に開発した完全防水の戦車で、正式名称はタウフ・パンツァー。
ナチス軍は、この画期的な戦車で海底を走って行くことで、敵に察知されずにイギリスまで辿り着けると考えたのです。
しかし、その作りはかなりお粗末なもので、車体の中に水が入ってこないように密閉材やテープを外側に貼り付け、中の兵士が水中でも呼吸できるようにホースを取り付けただけでした。
そして、満を持して海の中へと潜ってみると、海底が意外とデコボコしており、上手く走行できないことが判明。
しかも、この戦車は一旦止まってしまうと、砂の中へズブズブと沈んでいってしまい、兵士は泳いで脱出するしかなかったのです。
結局、このタウフ・パンツァーは一台もイギリス本土へ辿りつけなかったそうです…。
8 WHO ME(フー ミー)
「WHO ME(え、私ですか)」という、すっとぼけた感じの名前が付けられたこの兵器は、第二次世界大戦中に米軍がフランスのレジスタンスに対処すべく開発した激臭スプレー。
主原料には硫黄が使われており、その匂いは大便と腐った食料をブレンドしたようなものだったとか。
当時、フランスを占領下に置いていたドイツの高官たちに吹きかける計画もなされていたようです。
ところが、この「WHO ME」はあまりにも臭すぎて、スプレーした張本人から発せられる悪臭によって簡単に犯行がバレてしまい、計画実行から約2週間で中止となりました…。
9 ピューク・レイ
銃口から色の付いた光を高速で明滅させ、その光を見た者に頭痛を引き起こし、方向感覚を失わせ、時には吐き気を催させるという恐ろしい銃、それが「ピューク・レイ」です。
泣く子も黙るこの銃の開発には少なくとも80万ドルの巨費がつぎ込まれたそうです。
しかし、米軍によって進められていたこのプロジェクトは、途中でアッサリ打ち切られました。
その驚くべき理由は、
という衝撃の事実に気づいたからでした…。
10 対戦車ドッグ
第二次世界大戦中、犬に爆弾をくくりつけ、敵戦車に特攻させて犬もろとも爆破するという、動物虐待ぶっちぎりなことを旧ソ連が計画し、そのために犬を訓練していました。
しかし、その「対戦車ドッグ」をいざ戦場に投入してみると、銃弾飛び交う戦場への恐怖心から、思惑通りに敵に向かって突進してくれなかったのです。
おまけに、時には味方の塹壕へと舞い戻って来てしまい、ソビエト兵を爆破させることもあったとか……。
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