画期的な発明
は、我々の生活を大きく変える可能性を秘めています。
だからこそ、そういった発明には世間の注目が集まります。
しかし、それらの中には、結局実現には至らなかったものも。
今回は、歴史に名を残したかもしれない発明が、幻に終わってしまったという珍しい事例をご紹介します。
日本でも、「STAP細胞」という夢のような発見がなされ世間を騒がせましたが、程なくして「論文捏造」の問題が浮上し、医療に革命をもたらす希望の光がアッサリ消え去りました。
ただ、最近になってやはり「STAP細胞」はあった、などという報道もなされ、これに関しては再び議論を呼びそうではありますが……。
〈originally posted on December 30,2015〉
1 スターライト
「スターライト」というのは、1980年代にアマチュアの研究者であるモーリス・ウォードによって発明された物質で、有機ポリマーや共重合体、セラミックなどを元にして作られた特殊なプラスチックで構成されています。
最大の特徴はその「強度」にあり、理論上は核爆発にも耐えられる性能があったそうです。
その驚くべき性能を示す例として、スターライトでコーティングした「生卵」をセ氏1200度の炎で炙ってもその中身は生卵のままで、また別の実験では、セ氏10000度のレーザー光線の照射にも耐えたとか。
さらに、スターライトは有害物質を一切出さず、非常に軽量で、液状・ペースト状・固形などといった様々な形状でその性能を発揮できたそうです。
当然のごとく、この夢のプラスチックは政府や企業の注目を集めました。
しかし、スターライトの製造法についての権利を決して手放したくなかったモーリスは、この偉大な発明品の商品化にことごとく失敗。
そして、2011年に彼が亡くなったのに伴い、スターライトの製造法も消えてしまったのでした…。
【スポンサーリンク】
2 オーグル・キャブレター
1970年代後半、自動車整備士だったトム・オーグルは、ガソリンの燃費を42km/Lも上げる装置の開発に成功しました。
「オーグル・キャブレター」と呼ばれるその装置は、従来の燃料ポンプとキャブレターを使わずに、霧状の燃料を高圧で注入するという手法を採用していたそうです。
また、燃料を蒸気にする過程でガソリンタンクが冷却されてしまうため、ヒートコイルが必須だったとされています。
オーグルは、この装置の試作品を使って、ニューメキシコ州デミングからテキサス州エル・パソまでの322kmを7.5リットルのガソリンで走破することに成功。
これに脅威を感じた石油会社が、オーグル・キャブレターの権利を数百万ドルで買い取るオファーを出したのですが、オーグルはその全てを断りました。
その理由は、彼には自分が独自にデザインした車を販売したいという夢があったからなのです。
しかし、1981年、その夢を実現させる前にオーグルは何者かに銃で襲撃されました。
幸い、一命は取りとめたのですが、同じ年に彼は薬物を多量に摂取してしまうという「事故」によってこの世を去ったのです…。
3 クロノバイザー
ローマ・カトリックのベネディクト会修道士だったペレグリーノ・エルニッチは、イタリアのヴェニスで最も高名なエクソシスト(悪魔祓い師)でした。
そんな彼は、過去に起きたことを見ることができる、
クロノバイザー
なるものを1950年代に発明したと言われています。
にわかには信じがたい話ですが、エルニッチは量子物理学を専攻しており、エンリコ・フェルミやヴェルナー・フォン・ブラウンなどといった著名な科学者の助力も得ていたようです。
この装置の基本的な原理は、過去の「電磁放射線」を解析することで過去の出来事を視覚化するというもの。
彼は、このクロノバイザーを使ってイエス・キリストの磔刑の様子を自分の目で確かめ、写真にも収めたと語っていました。
ところが、後に彼はこの発言を撤回。
やはり、このようなSFじみた機械はデタラメだったのかと思われたわけですが、しかしエルニッチが亡くなる直前、彼の同僚が少し気になる発言をしているのです。
その話によれば、クロノバイザーなるデバイスは確かに実在していたにも関わらず、ヴァチカンがそれを破壊するように命じたとのこと。
さらに、クロノバイザーの存在を永久に封印するため、先の「磔刑の写真」の話を撤回するようにエルニッチに迫ったというのです…。
4 テレフォース
「テレフォース」というのは、ヴァンデグラフ起電機の技術をベースにして1930年代にニコラ・テスラによって開発された荷電粒子砲です。
テスラ本人によれば、この兵器を使えば約300km離れた場所を飛んでいる戦闘機を容易く撃墜することが可能だったそうです。
彼は、この武器の性能を検証する実験を数多く成功させたとされていますが、その一方でテレフォースの具体的な仕組みは謎のままです。
数カ国の列強がこの武器を自国で開発すべくテスラと交渉したものの、彼は決してその設計図を明らかにはしませんでした。
あらゆる戦争を終結させるほどの威力を持ったテレフォースが万が一にも危険な国に渡らないよう、彼は全ての設計図を常に自分で持っていたそうです。
ウワサでは、旧ソ連がこの兵器の一部の機能を試したとも言われています。
しかし、テレフォースを完成させるための資料は1943年のテスラの死とともに全て失われてしまったのでした…。
5 スロート圧縮
1990年代後半、オランダ人のエレクトロニクス技術者だったジャン・スロートは革新的なデータ圧縮技術を発明したとされています。
その「圧縮率」は驚異的で、数ギガバイトのデータからなる映画をわずか「8キロバイト」にまで圧縮可能だったそうです。
この技術によって、たった64キロバイトの記憶領域しか無いチップを使用して、ハードディスクからデータを一切読み込むこと無しに16本の映画を同時再生することが可能だったとか。
1999年、オランダに本拠を置く家電メーカー大手のフィリップスの重役にこの技術を披露したところ、
と言われたそうです。
しかし、その超圧縮プログラムのソースコードをフィリップスに手渡す2日前、彼は自宅の庭で心臓発作により亡くなりました。
一説によると、スロートがフィリップスと交渉した際に用いたデモ用のチップが何者かによって改ざんされていたとか。
仮にそれが真実なら、この技術の全貌を知る者がいる可能性も出てきますが、この点について現在のところ何も明らかにはなっていません。
【スポンサーリンク】