先月、東京都世田谷区在住の小学校教員が、盗撮の疑いで逮捕された事件はご存知の方も多いはず。
この男、大学卒業後に教員になったときから、実に17年間も盗撮を繰り返していたとか。
ということは、教員になって幼い子どもたちと接するうちに徐々にそういう欲求が芽生えたというよりは、むしろ最初から盗撮する気満々で教員になったと考えるのが自然でしょう。
それだけでも気味が悪いですが、17年間における「被害者」の数を想像すると恐ろしいという他ありません。
同教諭が勤務していた頃に同じ学校に在籍していた女性にとって、このニュースは悪夢そのものでしょう。
「自分も盗撮されていたのではないか……」という疑念に苛まれ、吐き気を覚える日々を過ごしている人もいるかもしれません。
そう考えると、こういった盗撮教師は、生徒(だった人)に対して計り知れないダメージを与えます。
1 潜伏する危険な教師たち
さらに、わいせつ教師が厄介なのは、普段はその異常な側面を表に出さないのが常態であるという点です。
教員がわいせつ行為や盗撮などで逮捕されたとき、「日頃から生徒に好かれていて、感じの良い先生だった」という声が生徒や保護者から聞かれることが多いのですが、これはある意味当然です。
自分が危険な存在であるということを悟られないためなら、生徒思いの明るい先生を演じることなど造作も無いでしょうから。
というより、基本的に彼らは生徒のことが好きなはずですから、むしろ自然体でいるだけで、本性を隠し通せるのかもしれません。
2 わいせつ教員がいる確率
ところで、こういう教師が学校にいる確率はどれくらいなのでしょう。
限りなくゼロに近いと思いたいところですが、これはなかなか難しい問題です。
仮に存在していたとしても、普段は「良い先生」の仮面を被っていますから、周りがその正体を見抜くのは至難の業。
結局、何らかの犯罪行為が発覚して逮捕に至らない限りは、誰かに気づかれることも無い。
逮捕されさえすれば、教育現場からは追放されますが、しかしそれまでに生じた被害の数々は元には戻せません。
3 最も危険な教師
歴史上、最悪の教師といって間違いないのは、アメリカ出身のウィリアム・ヴェイヒーという男でしょう。
歴史と地理を教えていたこの男は、22歳のときから42年間にわたり、優に90人を超える子どもたちを毒牙にかけていました。
その犯行手口は極めて卑劣で、11~14歳の少年たちを薬で眠らせ、自らの欲望を満たしていたのです。
にも関わらず、他の教員や生徒たちからの評判は上々。
誰もこの男の危険性に感づいてはいませんでした。
さらに、世界各地のインターナショナル・スクールで教鞭をとりながら犯行を繰り返していたので、被害者は世界規模。
しかし、2014年、64歳のときにヴェイヒーは遂に逮捕され、その後、自ら命を絶っています。
4 海外にも多い盗撮教師
生徒を盗撮する教師が逮捕される事例は、海外でもあります。
例えば、2022年にはイギリスの高校に勤めていたジェフリー・ウィルソンという男が逮捕されました。
ペンの中に小型カメラを仕込んで女子生徒を盗撮していたのです。
2025年には同じくイギリスで、生徒に対するわいせつな行為により校長が逮捕され、17年の刑を食らっています。
17年という刑期に驚くのはまだ早いです。
2023年、スペインの最高裁で、イギリス出身のわいせつ教師に135年の刑が宣告されています。
5 わいせつ教師を根絶させることは可能か
今年の12月から、いわゆる日本版DBS(こども性暴力防止法)が施行され、こういった教師が再び教壇に立つことはかなり困難になります。
しかしながら、危険な傾向を持った人物が教員として採用されること自体を防ぐことはほぼ不可能でしょう。
そう考えると、日本版DBSで全てが解決、というわけにはいきません。
現在、校内において盗撮カメラが無いかと調査したり、教員のスマホ使用を制限したりする学校が増えてきていますが、こういった地道な対策を続けていく他ないのかもしれません。
余談 私が出会ったわいせつ教師
わいせつ教師という話題で筆者が思い出すのは、恥ずかしい話ですが、自分の高校時代です。
あるとき、朝日新聞の社会面を見ていると、自分の学校名が目に止まりました。
てっきり、運動部が県大会で優勝でもしたのかと思ったのですが、記事を読み進めると、「体育教師が女子生徒にわいせつな言動」という趣旨の文章が。
特定の生徒が被害を受けたということではなく、不特定多数の生徒が言葉によるセクハラを受けたという事実が発覚したのです。
その体育教師の名前は出ていませんでしたが、僕はそのとき思いました。
「アイツしかいないだろ」
と……。
翌日、学校ではこの話題で持ち切りでした。
そして「犯人」はあっさり特定されていました。
こちらの予想を全く裏切らない人物です。
日頃から生徒に対し、殴る、蹴る、時には竹刀で叩く、といった暴虐ぶりが目に余っていた、体育教師にしては太り過ぎの中年男。
男子生徒への暴力だけでは飽き足らず、遂に女子生徒へのセクハラに手を出したか、と呆れてしまいました。
その日の放課後、校門を出ると、朝日新聞の記者と思しき若い男性が生徒たちに取材していたのです。
それを見るやいなや、僕は自ら進んで取材を受け、その体育教師の危険な「本性」について、隣にいた友人がちょっと引いてしまうほど熱っぽく語りました。
その男は盗撮などは行っておらず、言葉上のセクハラにとどまっていたため、校長からの厳重注意(という名の「お咎めなし」)に終わりました。



















