人の権利を不当に害すれば、刑法の規定に触れ、罰せられる。
これは、おそらくどの国でも同じだろう。
しかし、国が違えば、違法となる行為も異なりうる。
日本人の感覚では、何でこれが違法なの、と驚くものもある。
今回は、日本では全く問題無いのに、海外では違法なものの数々をご紹介しよう。
〈originally posted on December 11,2014〉
1 ゲーム機禁止!
2014年の10月に中国でXbox One が発売となり、日本とは違ってバカ売れしたそうだ。
ところが、もともと中国では基本的にゲーム機の購入は禁止されていた。
それは何故か。
一説によると、刑務所の囚人たちに「World of Warcraft」をプレイさせ、集めたレアアイテムを他のプレイヤーに売りさばくことで収益を上げていたからだとか。
そういった利益を独占したいという事情があったのかも知れない。
ゲーム機購入を禁止する法律は、若者の労働意欲を殺ぐという理由から2000年に制定されたが、携帯用のゲーム機は禁止されていなかったりと、あまり厳格に適用されていたわけではない。
他の国での例を挙げると、例えば、ギリシャでは2002年に「ゲーム」自体が禁止された。
事の発端は、ゲーム機を使ったギャンブルを摘発するための法律を制定したことにある。
その法律の目的は問題無かったが、問題ありまくりだったのは、法律の文言がカバーする「ゲーム」の範囲が広すぎて、そのまま適用すると、あらゆるゲームが禁止されてしまうことになった点にある。
実際、ネットカフェでオンラインゲームを楽しんでいただけの男性が逮捕されるという事態も発生したらしい。
しかし、このあまりにヒドイ法律は、憲法に違反するという判断がなされ、同年に廃止された。
2 アバター2D禁止!
ジェームズキャメロン監督の「アバター」が公開されたとき、中国では「アバター2D」が公開禁止となった。
ご覧になった人ならご存じだろうが、この映画のストーリーは、主人公たちがある惑星に降り立ち、現地の人と協力して支配勢力に対抗するというものだ。
そして、このストーリーが中国政府にとっては、あまり面白くなかったのである。
だからといって公開禁止にしてしまうのは、やや神経質すぎるような気もするが…。
ところで、公開禁止になったのは「2D」版だけであって、「3D」版は普通に公開されていた。
この奇妙な違いの理由は何かというと、中国では3Dの映画を上映出来る劇場の数が極端に少なかったためである。
3 パンクロッカーみたいな服禁止!
ロシアでは、学校でパンクロッカーのような服装(Emo Clothing)が禁止されている。
政府はそのようなファッションを「社会の安定性に対する脅威」であるとして、学校や政府関係の建物で着用することを禁じたのだ。
実は、ロシア政府がこのような対策を講じた真の意図は、若者の高い自殺率の一因がEmo Clothing にあると考えたからだとされている。
4 ポニーテール禁止!
イランではポニーテールは禁止だ。
正確にいえば、ポニーテールを含め、いかにも欧米的なヘアースタイルにすることが、美容室・理髪店で禁止されている。
イランなどの中東諸国はもともと欧米の文化が流入してくることに否定的な考え方の人が多いので、その延長といえるだろう。
理髪店では、政府が認可したヘアースタイルのリストにあるもの以外は禁止されている。
違反すれば、営業停止もありうるのだとか。
5 バレンタインデー禁止!
サウジアラビアでは、イスラム教の教義を侵害するものとして、バレンタインデーを祝うことを禁止する法律がある。
具体的には、バレンタインデーが近づくと、すべてのフラワーショップやギフトショップから「赤いもの」を撤去する義務が課せられているのだ。
僕のような絶望的にモテない人間にとって、バレンタインデーを祝うことが出来ないというのは、これ以上なく心地よい世界に思えるが、実はこの法律、あまり効果が無いようだ。
バレンタインの贈り物に欠かせない「赤いもの」は、通常の6倍以上の値がついて「闇取引」されているのである。
6 キラキラネーム禁止!
デンマークでは、赤ん坊の名前を自由に決めることが出来ない。
政府が作成した「名前リスト」から選ばなくてはならないのだ。
世界的にここまで厳しい基準を名前に設けている国は他に無いだろう。
一見すると無茶苦茶な法律のようにも思えるが、しかしこれのおかげで、いわゆる「キラキラネーム」などが阻止できるというメリットもある。
日本ではかつて、「悪魔」という名前の申請が役所に拒否されたことがあったが、そういった下らないトラブルも無いのだろう。
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