列車
に乗っていた人物が突如として行方が知れなくなるという珍しい未解決事件をご紹介します。
ミステリー小説などでは、列車が事件の舞台として使われることが少なくありません。
様々な背景を持った人間たちが一時的に密室の中で過ごすわけですから、複雑な推理を絡めた物語を作りやすいというのがその理由の一つでしょう。
しかし、小説の中だけでなく、現実にも謎めいた事件が列車内で発生した例はあるのです。
〈originally posted on June 4,2016〉
1 消えた美大生
2012年7月7日、オークランドのカリフォルニア美術大学に通っていたロビン・パトナム(当時25歳)は、実家に帰省するためにコロラド州グランド・ジャンクション行きの列車に乗りました。
列車は午前3時にソルトレイクシティに到着し、25分後に予定通り発車。
しかし、列車がグランド・ジャンクションに着いたとき、ロビンの姿はありませんでした。
奇妙なことに、財布からノートパソコンに至るまで、全ての所持品が座席に置かれたままだったのです。
突然失踪したロビンについての情報を集めてみると、色々とダークな側面が見えてきました。
彼は出発の直前、精神的にかなり不安定な状態で、それが元でバイト先のコーヒーショップも退職。
さらに、悪夢にうなされて十分に寝られない日々が続いていたとか。
これらのことから推察すると、ロビンはソルトレイクシティで衝動的に下車してしまった可能性が高いと言えるでしょう。
それを裏付ける事実として、失踪から2ヶ月後、ソルトレイクシティ内のレストランで、ロビンに似た人物が女性とビールを飲んでいるところを監視カメラが捉えています。
しかしそれ以上の手掛かりは得られず、彼の所在は今も分かっていません。
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2 片道切符にこだわった少年
イングランド中北部ドンカスターに住んでいたアンドリュー・ゴスデン(当時14歳)は、2007年9月14日、学校へ行くために家を出たきり行方が知れなくなりました。
後から判明したところでは、その日、彼は両親が出かけている間に一旦家に戻り、そこで制服から私服に着替えて再び外出。
その後、自分の銀行口座から200ポンド(約3万円)を引き出し、ドンカスター駅からロンドンのキングス・クロス駅までの片道切符を購入して列車に乗ったのです。
駅構内の監視カメラの映像でもアンドリューの姿は確認されています。
不可解な事実として、彼は駅員から往復切符の値段は1ポンドしか違わないと言われたにも関わらず、片道切符に固執しました。
アンドリューの失踪から一年後、東イングランドのハートフォードシャーにある警察署を一人の男が訪れ、入口のインターホンでアンドリュー失踪についての情報を持っていると告白。
ところが、警察官が入口のところへ向かうと、男は既に消えていました。
結局、アンドリューが列車に乗ってどこへ消えてしまったのかは未解決のままです。
3 地下鉄で消息を絶った教授
ヘスス・デ・ガリンデスは、スペイン出身で、1946年にニューヨークに移住し、その後はコロンビア大学で政治学を教えていました。
1956年3月12日、彼は講義を終えて大学を後にし、8番街にある地下鉄の構内へ入ったのですが、その時以来彼の姿を見た者はいません。
ガリンデスは一時期ドミニカ共和国に住んでいたことがあり、後の捜査で同国と関係のある人物によって誘拐された可能性が浮上。
しかし、事件は完全な解決には至っておらず、その後もこの教授が発見されることはありませんでした。
4 帰宅途中で消えた少年
これもまた先ほど登場したキングス・クロス駅が絡んだ失踪事件です。
1979年11月5日、マーティン・アレン(当時15歳)がロンドンのキングス・クロス駅から列車に乗ったものの、目的の駅で降りることなく行方が分からなくなりました。
唯一の手掛かりは、同じ日にマーティンに似た少年がグロスターロード駅で男と歩いていたという目撃情報。
目撃者の話では、その少年はかなり緊張した様子だったようです。
1970年代から1980年代にかけて、ロンドンでは子供ばかりを誘拐する犯罪組織のウワサがありましたが、この失踪事件と関連があるのではないかとも言われています。
仮にそれが正しければ、マーティンは既に殺されていることも考えられますが、真相はいまだに闇に包まれたままです。
5 謎多き「映画の父」
ルイ・ル・プランスは「映画の父」とも呼ばれ、世界で初めて映画を撮影した19世紀のフランス人発明家です。
そんな凄い人物なのに、彼の名前はあまり知られていません。
その原因はおそらく、彼があるとき突然消えてしまったからでしょう。
1980年9月16日、ル・プランスはフランスのディジョンからパリ行きの列車に乗りました。
そして、客室に入るところを目撃されたのを最後に、彼は忽然と姿を消したのです。
彼の失踪には説明不能な点が多く存在します。
それらを列挙してみると、以下のとおり。
- 列車の窓は固く閉じられており、窓から抜け出たのは考えにくい。
- パリに到着するまでル・プランスの客室から変な物音などを聞いた客はいない。
- 列車がパリに着いたとき、ル・プランスだけでなく、離れた場所に置いてあった彼の荷物も消えていた。
- 彼はこの日、新たな特許を取得するためにアメリカへ渡る予定だったので、失踪する理由が無い。
謎の多いル・プランスの失踪に関しては様々な憶測が流れました。
しかし一つ確実なことは、この日、彼が消息を絶ったことで明らかに得をした人物が一人いるということ。
その人物とは、トーマス・エジソンです。
彼は、ル・プランスが取得する予定だった映画技術に関する特許を後に自分で取得しました。
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