学校の中で、本音と建前が、実に分かりやすい形で現れるもの。
それは、体罰です。
学校側の建前としては、体罰はあってはならない、と主張したいところでしょう。
しかし、本音としては、体罰は必須だと考えているし、実際、体罰を行う教師は少なくありません。
海外でも、その辺りの事情は同じではないでしょうか。
今回は、海外の学校で生徒に対して行われた残忍な罰の数々をご紹介します。
〈originally posted on September 5,2015〉
1 凍った豆の上に正座
中国メディアの報道によると、中国の複数の学校において、罰として凍った豆の上に正座させるということが行われているそうです。
これは、両手を上げさせた状態で、かなりの長時間激痛に耐えさせるという体罰。
豆の他にはトウモロコシや米などが使われることもあるとか。
この体罰を世に知らしめるべく、ある女子生徒が、体罰を受けた直後の足の写真をネットで公開したのですが、彼女はそれが原因で退学処分になったそうです……。
【スポンサーリンク】
2 手と手を握りあって…
男子生徒が学校で起こすトラブルとしてありがちなのが、
殴り合い
です。
僕の高校時代にも、授業中に派手に殴りあって停学を食らった奴が何人かいました。
米国アリゾナ州にあるウェストウッド高校では、そういう場合、ケンカをした当事者に2つの選択肢が与えられます。
一つは、停学処分を受け入れること。
そして、もう一つは、殴りあった者どうしが、校庭で15分間、手をつないだ状態で椅子に座り続けるというもの。
大抵の生徒は後者を選ぶそうです。
まあ、停学よりはマシですからね。
かなり穏やかな罰のような気もしますが、実際は、周りを他の生徒達に取り囲まれ、笑い者にされるわ、写真や動画を撮られるわで、かなり過酷な罰のようです。
親からは概ね好意的に捉えられているみたいですが、地元の教育委員会などは、若干問題視している向きがあるのだとか。
3 床の上で食事
米国ニュージャージー州のチャールズ・サムナー小学校では、5年生のクラスで非常に侮辱的な罰が行われていました。
なんと、給食を床の上で食べさせていたのです。
おまけに、教師は生徒たちに対し、その罰について第三者に口外すれば、罰をさらに悪化させるという脅しも行っていました。
これは流石にヒドすぎるということで、裁判にまで発展したのですが、法廷で副校長は、
「机が足りなかったのでそうしただけ。罰ではない」
と弁明。
しかし、これは明らかにオカシイのです。
というのも、その罰を受けた生徒は、「食器」を使うことも許されず、ティッシュの上に食べ物を置いて食事していたからです。
さらに、この奇妙な罰は、ヒスパニック系の生徒だけに集中して行われていたことも問題視されました。
結局、被害を受けた生徒全員に対し、総額50万ドルの賠償金が支払われることで、決着しています。
4 油性マジックで落書き
アイダホ州で、小学4年生を教えていたサマー・ラースンという教師は、国語の時間、課題を達成できなかった生徒に、罰として2つの選択肢を与えていました。
一つは、休み時間を無しにするというもの。
もう一つは、クラスメートが寄ってたかって油性マジックで顔に落書きをするというもの。
そして、後者を選んだ生徒が家に帰って来ると、親は子供の顔を見て愕然とするわけです。
当然のごとく、学校には親からの抗議が殺到したとか。
教員の常識を疑いたくなる罰だといえます。
5 三つ編みをバッサリ
ラメイヤ・キャモンという7歳の女の子は、ある日、先生の話をロクに聞かず、三つ編みにした自分の髪の毛をいじってばかりいました。
それを見て頭にきた担任が、ハサミを引っ掴んで、三つ編みをバッサリ!
周りの生徒達が、どう見てもバランスの悪くなった髪型を見て爆笑する中、彼女は泣くことしかできなかったとか。
後に、その担任教師は謝罪したものの、175ドルの罰金が課されました。
6 残酷な投票
を患っていたアレックス・バートンという男の子は、ある日、教科書や宿題を持って来なかったり、授業を妨害したりと、問題行動が目立ったので、職員室で指導を受けることに。
その間、彼の担任であるウェンディ・ポーティロは、普通に授業を進めることはしませんでした。
彼女は、いきなりクラス会議を始めたのです。
そしてその議題は、
「アレックスのどこが嫌いか」
というヒドイもの。
そして、その議論の真っ最中に当のアレックスが教室に戻って来ても、そのまま議論を続行。
ひとしきり話し合った後、最後に彼女は、
「アレックスにクラスからいなくなって欲しいか」
という議案で投票を取ります。
結果は「賛成14 反対2」という残酷な結果。
その後、アレックスは本当にクラスから追い出されることとなったのです。
7 魔のクローゼット
米国テキサス州のヒューストンで、小学校のある男性教師は、生徒への罰として、クローゼットに閉じ込める、ということを行っていました。
それも、1人ずつというわけではなく、多い時には一度に3~4人の生徒をその中に閉じ込めていたそうです。
中には気分が悪くなって嘔吐してしまう子もいたとか。
また、アイダホ州の小学校でも、ある生徒に同様の罰が行わていたことがあり、その時は担任がクローゼットに閉じ込めたことをすっかり忘れたまま帰宅してしまったのです。
学校からの帰りが遅いのを不審に思ったその子の両親が、学校へ行ってみると、クローゼットに閉じ込められていた我が子を発見。
その子は恐怖のあまり、失禁していたそうです。
問 なぜ教師は暴力を振るうのか
僕は、学校での体罰には、全面的に反対です。
その理由は、教師が子供に暴力を振るうに際し、何もルールが無いから。
生徒がどのような過ちを犯した場合に、どの程度の暴力なら許されるのか。
教師が過剰な暴力を加えた場合に、どのようなペナルティがあるのか。
こういった重要な事項につき、何もルールが無いのです。
生徒に口頭で注意すれば済むような場面で、教師が平手打ちを食らわせても、ほとんどの場合、特に問題にならないでしょう。
暴力という人権侵害を行う者がいるのに、それに関して何も規律が無い。
生徒に対しては、数多くの校則でその行動を制約するのに、教師の暴力に対しては、抑止力となる規律が実質的には無い。
これでは、子供は安心して学校生活を送れません。
また、厄介なことを解決するには、暴力が一番手っ取り早いのだということを、教師自身が身をもって生徒に示すことになるという点も、体罰の問題点です。
では、生徒に対してこれだけ害悪の大きい体罰を、教師が真正面から否定しない理由は何か。
それは恐らく、生徒を大人しくさせるのに、楽な手段だからでしょう。
例えば、学年集会で、一人の体育教師が、特に大きな問題を起こしたわけでもない生徒(大抵は、小柄で弱そうな男子)に対し、いきなり大声で怒鳴りつけ、平手打ちをする。
こうすれば、周りの生徒たちは、「あの教師を怒らせると怖い。大人しくしていよう」という心理状態になります。
つまり、歯向かう可能性の低そうな生徒を犠牲にすることで、教師の威厳を保つ、というわけ。
僕の高校では、実際にそれが行われていました。
こういう体罰は、教師全員が行う必要はありません。
ごく一部の教師だけでいいのです。
その「体罰教師」は、あくまで生徒たちを「ビビらせる」ことが目的なのですから。
【スポンサーリンク】