市民の安全を守る警察も、時には信じがたいほどおバカなことをやってしまいます。
たまにTVで放送されている『警察24時』のような番組を見ると、警察官という仕事がいかに大変かが分かります。
歩道で殴り合っている男たちを止めようとしたら逆に絡まれたり、交通違反を取り締まったら逆ギレされたり。
日本よりも犯罪の危険度が高いアメリカでは、2003年からの10年間で約1600人の警察官が職務の遂行中に命を落としており、また、仕事が原因で自ら命を絶つ人も多いとか。
そんな過酷な日々を送っている警察官だからこそ、マヌケな一面を晒してしまったときの衝撃は計り知れません。
〈originally posted on January 11,2018〉
1 小学校にアサルトライフルを放置
2013年10月、米国ロサンゼルスにあるニューマン小学校で、ドラッグの危険性についての講習会が行われました。
地元の警察からやって来た警察官が、ドラッグがいかに有害であるかを子供たちに説明するのです。
犯人のアジトに踏み込むような場面ではありませんから、強力な銃を携行する必要はありません。
しかし、このとき派遣された警察官は、何を思ったかアサルトライフルをバイクに載せて学校に到着。
しかも、ライフルにはしっかり弾が装填されていました。
そして、学校の敷地内にライフル付きバイクを停めて講堂へ。
こんな「面白そうな」バイクを生徒が見つけでもしたら、ドラッグ以上に危険な結果を生みそうです。
そして、案の定そうなりました。
8歳の男子生徒がライフルを見つけ、思わず手にとってしまったのです。
チビッコがここまで来たら、引き金を引くなというのはもはや無理な話。
次の瞬間、アサルトライフルから数発の弾丸が発射されます。
幸い、弾丸が直撃した生徒はいませんでしたが、弾丸の破片によって3人の生徒が負傷し、そのうち2人が病院に運ばれました。
ちなみに、学校の講習会での失態は他にも例があります。
麻薬取締官として14年の経験を持つリー・ペイジは、2004年、米国フロリダ州オーランドにある学校で、銃の安全性について説明している最中、誤って自分の脚を撃ちました。
驚くべきことに、彼はその状態のまま、俺を反面教師にしろと言わんばかりに痛みに耐えつつ説明を続けたそうです。
2 普通の通行人に電気ショック
2017年2月、イングランド北西部マンチェスターで、銃を持った男がうろついているという通報を受けて警察官が駆けつけました。
問題の男を発見した警察官は、テーザー銃(電気ショック銃)を撃ってその男を取り押さえ、身柄を拘束。
しかし、男が身に付けている物から武器は見つからず、彼が手にしていたのは一本の杖のみ。
もしや……と思って警察が詳しく事情を聞いてみると、その男性は視覚障害者でした。
つまり、単なる杖を銃と間違えた住人からの通報に従い、よく確認もせずに逮捕したというわけです。
同様のミスは、2012年にイングランドのランカシャーでも発生しており、そのときは、視覚障害者の老人が持っていた杖を警官が刀と見間違え、やはりテーザー銃を撃っています。
3 絶対に笑ってはいけない面通し
(ウィキペディアより)
海外の一部の国では、警察が容疑者を逮捕した際、その人物と背格好の似た人たち数名を容疑者と共に一列に並ばせ、その中から被害者や目撃者に犯人を特定してもらうという、いわゆる「面通し」が行われます。
これにより、無実の人が裁かれる危険性をある程度軽減できるわけです。
1997年、イギリスのサウス・ヨークシャーで、恐喝容疑をかけられたマーティン・カマラという男が逮捕されたとき、面通しをする上である問題が生じました。
彼は、身長190cm、体重100kgという大柄の「黒人」だったのですが、当時のイギリスでは、人口の94%を「白人」が占めていたのです。
つまり、面通しのために必要な「背格好の似た黒人」を見つけるのは至難の業。
そこで警察は、白人男性を適当に8人確保し、彼らの顔を真っ黒に塗るという手段を使いました。
しかし、手を塗り忘れたため、顔は黒いのに手は白いという珍しい見た目の男たちがズラリと並ぶことに。
このことが明るみに出ると、人種差別を理由に警察は世間から激しい非難を浴びました。
結局、問題の面通しは、裁判官によって「茶番である」と一蹴され、カマラは無罪となっています。
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4 永久に捕まらない交通違反者
2007年、アイルランドの警察が交通違反を取り締まっているとき、あるポーランド人だけがことごとく罰則金を免れていました。
その人物の名は「プラヴォ・ヤズディ」。
彼は50回以上も違反切符を切られていましたが、その度に住所・生年月日の異なる運転免許証を提示していたため、警察は一向に逮捕できずにいたのです。
何度交通違反を犯しても、決して捕まらない謎の人物。
プラヴォ・ヤズディとは一体何者なのか……。
結論を言ってしまうと、そんな人物はいませんでした。
それどころか、人ですらなかったのです。
実は、「プラヴォ・ヤズディ」というのは、ポーランド語で「運転免許証」という意味。
交通違反を犯したのがポーランド人であれば、所持している免許証の一番上には例外無く「プラヴォ・ヤズディ」とアルファベットで書かれているわけです。
警察はそれをてっきり人名だと思い込み、50人以上のポーランド人に違反切符を切りながら、彼らをたった一人の狡猾極まりない男「プラヴォ・ヤズディ」だと認識していたのです。