映画の宣伝は映画をダメにする。
これは、紛れもない事実だ。
映画の宣伝なんて、観ない方がよい。
今回は、映画ファンのことを一考だにしない映画宣伝の罠を考察する。
〈originally posted on November 16,2014〉
1 ネタバレ要素が満載
映画の宣伝が映画をダメにする要因の中で、最も罪が重いのがこれである。
例えば、映画の終盤にインパクトのあるシーンがあれば、たとえそれがネタバレになってしまおうと、平気でCMに採用する。
そのCMを見た人は、「お、これは面白そう」などと思って劇場に足を運ぶと、観ている途中でガッカリさせられることとなる。
何かしらのネタバレ要素に気付いてしまうからだ。
映画の内容によってはさほど面白さを損なわないこともあるが、多くの場合、興ざめしてしまう要因となる。
ネタバレの危険があるのはTVのCMだけとは限らない。
新聞や雑誌の広告にも、時折ネタバレ要素が満載の宣伝文句を平然と使っていたりするので油断できない。
配給会社からすれば、映画を観てガッカリされようが何だろうが、とにかくCMや公告を見て映画館に行かせることができればよいのである。
2 CMで流れる曲が映画本編で使われていない
映画のCMで流れている曲は、必ずしも映画本編から採用しているわけではない。
実際に映画で使われている曲では、今ひとつインパクトに欠けると判断されたら全然別の映画から印象的な曲を引っ張ってきたりするのである。
節操がないことこの上ないが、映画の宣伝ではよく行われている。
これは、「ネタバレ」というわけではないけれども、映画を観ている最中に妙に気になってしまうものだ。
「あのカッコイイ曲はどこで出てくるのだろう…」
などと思っていても、最後までその曲を耳にすることは無いのである。
3 感想を述べていくCMの謎
かつて、映画のテレビCMでよくあったのが、今し方映画を見終わりましたという感じの客が次々と感想を言っていくパターン。
あれほど視聴者を小馬鹿にしたCMはないだろう。
「めっちゃ感動しました~!」
「最後はもうドキドキでした!」
「絶対観ないと損しますよ!」
これらは感想としての意味をなしていないし、CMの手法としてもお粗末。
この手のCMはけっこう昔からあるけれども、これをやるくらいなら、映画の1シーンをそのまま使ったほうがまだマシではなかろうか。
結論 良い映画のCMとは
ここまで書いてくると、「じゃあどんなCMなら良いんだ」という反論が聞こえてきそうだ。
これは簡単な話で、要するにネタバレ要素の無いシーンの中でなるべく記憶に残りやすい映像を選べばよいだけのこと。
実際、そうしているCMもあるのだから、何も無理難題というわけではないだろう。
【スポンサーリンク】