2020年の7月1日から、レジ袋が有料化されたのはご承知のとおり。
環境問題を考えれば、こういうのは当然の流れでしょうし、むしろ遅すぎたくらいかも知れません。
そして、レジ袋のような、減らせるゴミをなるべく減らす努力が重要である一方で、リサイクルも必要です。
そのリサイクルにまつわる、奇妙な話を今回はご紹介します。
〈originally posted on October 9,2020〉
1 大金の札束を「リサイクル」してしまったカップル
2019年12月、イギリスのミッドサマー・ノートンという町で、一組のカップルが、複数の段ボール箱を、リサイクルセンターに持ち込みました。
その箱には、亡くなった親戚の所持品が入っていたのです。
それらの箱を従業員に引き渡すと、彼らはセンターを去りました。
しかしその後、従業員が箱の中身をチェックしていると、何と現金15000ポンド(約200万円)を発見。
驚いた従業員は、すぐに警察に相談しました。
警察は、リサイクルセンターまでカップルを乗せた車のドライバーなどから情報を収集し、そのカップルの住所を特定。
連絡を受けたカップルは、リサイクルセンターを再び訪れ、15000ポンドを無事に取り戻したのです。
彼らの話によると、亡くなった親戚は、意外な場所に現金を隠すことの多い人だったとか。
それにしても、現金を発見した従業員が善人でなかったら、と考えると……。
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2 大量の吸い殻をリサイクル
路上に落ちているタバコの吸い殻にイライラさせられる、という人は少なくないでしょう。
自分の住んでいる地域に、「ポイ捨て防止条例」が制定されていない場合はなおさらです。
吸い殻のポイ捨ては、喫煙者のモラルの問題という面が強いので、たとえ条例があったとしても、それだけで全て解決とはいかないのが難しいところ。
そして、日本と同様に、路上の吸い殻に悩まされている国が、イギリス。
イギリス国民の喫煙率は、15%弱なので、18%弱である日本に比べれば低め。
ただし、タバコの消費量だけに着目すると、イギリスでは毎日1時間あたり600万本のタバコが吸われているそうです。
しかも、吸い殻をゴミだと捉えない人が多いので、道端にはかなりの量の吸い殻が落ちているのだとか。
この状況に我慢がならず、2019年に行動を起こしたのが、ジェイソン・アレクサンダーという49歳の男性。
彼は、両手にグローブを装着し、路上の吸い殻をひたすら集めまくりました。
その量は、あっという間にポリバケツ数個分に。
で、彼はそれをどうするつもりだったのかというと、リサイクルです。
とは言え、吸い殻を個人がリサイクルしようと思えば、莫大な資金が必要。
そこで彼は、こう考えました。
これらの吸い殻は、タバコの販売で利益を得ているタバコ会社が責任を持ってリサイクルすべきだ、と。
ジェイソンは、大量の吸い殻を、タバコのブランドごとに仕分けするという気の遠くなるような作業を行い、分別した吸い殻を箱詰めにして、各タバコ会社に送りつけたのです。
吸い殻のリサイクルというのは、タバコ会社にとっては相当に厄介な問題でしょうし、仮に法律で義務化でもされたら、それこそ悪夢。
ただ、ジェイソンの話によれば、この行動は、タバコ会社に対する問題提起の意味合いが強いとのこと。
また、彼自身はタバコを吸いませんが、喫煙自体に反対しているわけではないのです。
喫煙者は、健康上のリスクを承知した上で、吸うことを選択しているのだから、それは個人の価値観の問題。
しかし、ゴミのポイ捨ては明らかに違法なのだから、そこに個人が選択する余地は無い。
ジェイソンはこのように語っています。
3 リサイクルで家を建てる男
米国テキサス州在住のダン・フィリップスという男性は、リサイクルによって、かなり規模の大きなものを造ります。
彼は、建設現場などで出た廃材や、不要となった部品などを回収し、それらを使って家を建てるのです。
さらに、ゴミ置き場で拾った粗大ゴミも、家の内装に利用できそうであれば、材料として使います。
このように、材料の大半がリサイクルで得たものなので、建築費用は格安。
それこそが、フィリップスの狙いの一つであり、彼は、収入の少ない人のために、この「リサイクル・ハウス」を提供しているのです。
限られた材料だけで、家族が快適に暮らせる家を建て、なおかつ建築基準をも満たさねばなりません。
これらのハードルをクリアするのは簡単ではなく、実際、役所からの建物査察については、一発で合格できないこともあるそうです。
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番外編 リサイクルできない意外なもの
リサイクルできる物は、なるべくリサイクルすべきですが、実は、一見リサイクル出来そうなのに、出来ない物があります。
例えば、ピザやドーナツが入れられた箱。
本来、紙自体はリサイクルできますが、食べ物の油が染み込んだ紙は、リサイクルが難しいのだとか。
これは、リサイクルの過程で、紙の繊維に入り込んだ油を完全に分離するのが困難だからです。