東京では、いまでも毎日100人~200人程度の感染者が出ています。
日によっては100人を下回ることもありますが、しかし次の日にはまた100人超え、ということの繰り返し。
この状況は、そう簡単には変わらないでしょう。
むしろ、この状況が当たり前なのだと捉えて、それとどう付き合うかが重要。
まさに「withコロナ」です。
(アイキャッチ画像:geralt / Pixabay)
女性の方が社会的ルールに忠実
今のような状況では、マスク着用や手洗い、ソーシャル・ディスタンスなどを徹底することが強く求められます。
そういったルールを守らない人間が1人でも周りにいると、感染拡大の危険度は上がります。
この点、上記のような感染拡大防止のルールをよく守るのは、男性よりも女性であるということが、アメリカのニューヨーク大学とエール大学の研究で明らかになりました。
その研究によると、アメリカ国内で、コロナ対策としてマスクを正しく着用していたのは、女性で54%、男性で42%。
また、手洗いやソーシャル・ディスタンスに関して、専門家からのアドバイスを忠実に実践する割合も、女性の方が高いのです。
このような違いが出る理由については、パンデミックに対する不安感や、感染を防ぐことへの責任感が、女性の方が強いからではないか、と見られています。
さらに、女性は、他の人の健康面に対して気を遣う傾向が、男性よりも強いのだとか。
その結果、男性よりも女性の方が、全体的に見て、感染拡大防止のルールを守ることにつながっているのです。
ソーシャル・ディスタンシングは本当に効果があるのか
現在、日本では、マスクに関しては、ほとんどの人が外出時に着用していますが、ソーシャル・ディスタンスの方は、徹底するのが難しい面があります。
職業によっては、他人との距離を保ち続けるのが現実的ではないということもあるでしょう。
では、ソーシャル・ディスタンシングは本当に感染拡大防止に効果があるのか。
これに対する一つの答えが、つい最近、アメリカのハーバード・メディカル・スクールの調査によって出されました。
学校や飲食店、イベント会場などで行われたその調査の結果、ソーシャル・ディスタンスに関するルールが緩くなった直後から、それまで減少していた感染者の数が、増加傾向に転じたことが明らかになったのです。
やはり、ソーシャル・ディスタンスは侮れません。
しかしながら、マスクや手洗いと違い、誰もがどんな場所でも確実に実践できるわけではないのが厄介なところです。
ソーシャル・ディスタンスが元で暴行事件
ソーシャル・ディスタンスを守らないことで生じる危険は、ウイルス感染だけではありません。
口論やトラブルの原因にもなりえます。
今年の9月、米国フロリダ州にあるスーパーマーケットで、ロベスター・イングラムという男が、70歳の男性から、「距離を空けるように」と言われ、ブチ切れました。
もちろん、その男性は、ソーシャル・ディスタンスを守らせようとしただけ。
ところが、たったそれだけのことで怒りを爆発させたロベスターは、その男性の髪の毛を掴み、引きずり回した挙げ句、暴行を加え、唾を吐きかけました。
その後、何事も無かったかのように、ロベスターは立ち去ったのですが、彼の犯行はすべて店内の監視カメラに映っていたのです。
これにより、警察がロベスターを逮捕。
一方、被害に遭った男性は、病院に運ばれましたが、骨を折る重傷を負っていました。
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マスク着用を促したバスドライバーの悲劇
海外では、マスクをしていない人が周りから注意され、それをきっかけに暴力沙汰に発展することが珍しくありません。
今年の7月、フランス南西部のバイヨンヌ駅の近くで、フィリップ・モンギヨという58歳の男性が、バスを運転していたときのこと。
4人の若者が乗車してきたのですが、彼らはマスクをしていませんでした。
そこでフィリップは、法律に則って、彼らにマスク着用を促したのです。
すると、そのことで腹を立てた若者たちが、フィリップを激しく暴行。
彼らの暴力の程度は度を越しており、後に救急隊員が現場に駆けつけたときには、フィリップは歩道で横たわり、意識不明だったとか。
その後、彼は病院で治療を受けましたが、脳死状態と診断され、そのまま回復せず。
同僚の話では、フィリップは、勤務態度が真面目で、思いやりのある人だったそうです。
そんな彼を襲った不幸は、家族にも悪夢をもたらしました。
フィリップには、妻と3人の娘(18歳、21歳、24歳)がいます。
彼は、あと少しで定年退職。
妻のヴェロニクは、夫の定年後、キャンピングカーを購入して、二人の時間をのんびり楽しむ予定を立てていたとか。
その予定は、マスクのことで激昂した若者によって、無残に潰されてしまいました。
数日後、この残酷な事件に怒りを覚えた人々が集まり、約6千人規模の抗議デモが行われ、ヴェロニクと3人の娘も参加しています。