ナルシストという言葉はあまり良くない意味で使われるのが普通です。
「あの人、優秀なんだけど、ナルシストな所がちょっとね…」
などと陰口を叩かれることもあるでしょう。
ナルシストは、自分のことを重視するあまり、他人のことを軽視しがちなので、周りからは敬遠されることもあります。
しかし、他人のことをナルシストだと思っていたら、実は自分がナルシストの特徴に当てはまっていた、などということもるので注意しましょう。
〈originally posted on October 30,2019〉
1 男の方がナルシストである
男性と女性とでは、ナルシストの割合が多いのはどちらなのか。
ニューヨーク州立大学バッファロー校で、475000人についての30年以上に及ぶデータを分析したところ、あっさり答えが出ました。
ぶっちぎりで、男の方がナルシストです。
特に、女性に比べると、男は自己主張が強く、権力を振りかざしがちなのだとか。
しかしながら、自己顕示欲という面に関しては、男女間での違いはほとんど見られないそうです。
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2 トレーニング中の自撮り写真を投稿する人々
フェイスブックやインスタグラム上に、トレーニングしている最中の自撮り写真を投稿しまくる人は、皆さんの周りにもいることでしょう。
いかにもナルシストな匂いがぷんぷんしますが、科学的に見ても、やはりそう断定できるのか。
イギリスにあるブルーネル・ユニバーシティ・ロンドンが行ったリサーチによると、自分がエクササイズをしている写真をSNSによく投稿する人は、基本的にナルシストです。
まさに、「知ってた」という感じの研究結果。
また、ナルシストな彼らは、フォロワーから「いいね」をもらうことでトレーニングへのモチベーションが上がり、それによって新たな目標に向けて汗を流します。
そうやって努力した結果の肉体を誇示するためにまた自撮り写真を投稿し、「いいね」をもらう。
この繰り返しになるので、トレーニングの写真を投稿する人は、なかなかそれを止めようとはしません。
ただし、心理学を教えるタラ・マーシャル教授の話では、そういった写真に「いいね」する人たちは、内心ではちょっとウンザリしつつ、友人だから、あるいはフォローしている相手だから、という理由でとりあえず「いいね」している可能性もあるとのこと。
「いいね」が多いのに気を良くしてそういった写真ばかりを投稿していると、フォロー解除される可能性は高そうです。
3 ナルシストはフェイスブック中毒になりやすい
日本ではどちらかというと、フェイスブックはツイッターやインスタグラムの人気に押され気味という印象がありますが、もちろん、普段からフェイスブックに頻繁に投稿する人もいるでしょう。
中には、「フェイスブック中毒」と言っていいほどハマっている人もいるかもしれません。
そんな人にとってあまり嬉しくない研究が、2018年にドイツにあるルール大学ボーフムで行われました。
それによると、ナルシストの人たちは、深刻なフェイスブック中毒になる可能性が高いそうです。
これは、特に若い世代に強く当てはまるのだとか。
フェイスブックは基本的に自分のことを他人に知ってもらうための手段ですから、それにハマるということは、普通よりも自己顕示欲が強いということなのでしょう。
4 リアリティ番組が好きな人々
2016年に『サイコロジー・オブ・ポピュラー・メディア・カルチャー』という学術誌に掲載された論文によると、視聴者参加型で台本の無いテレビ番組、いわゆる「リアリティ番組」をよく見る人は、ナルシストである傾向が強いそうです。
一方、ニュース番組をよく見る人は、ナルシストとは逆の傾向が強いのだとか。
日本におけるリアリティ番組で、現在も放送中のものは、例えば「新婚さんいらっしゃい!」や「探偵!ナイトスクープ」などです。
ただ、海外と日本とでは、リアリティ番組の内容も異なりますから、上記の論文がそのまま日本人に当てはまるのかは微妙なところかも知れません。
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5 ナルシストはストレスに強い
ナルシストはネガティブなイメージを持たれがちですが、普通の人よりも優れている面もあります。
イギリスにあるクイーンズ大学ベルファストで700人を対象に行われた研究によると、ナルシスト特有の尊大さは、精神面での強靭さにつながっており、それにより、ナルシストはストレスに強く、うつ病などにもかかりにくいのだとか。
ただし、ナルシストには二つのタイプがあることに注意が必要です。
一つは、自分は他人に敵意を抱かれていると思い込むタイプのナルシスト。
もう一つは、自分は他人よりも優れていると思い込むタイプのナルシスト。
そして、ストレスに強いナルシストは、もちろん後者です。
後者のタイプのナルシストは、人生で何らかの壁にぶち当たっても、それをやりがいのあるチャレンジだと受け止めるので、そもそも生きる上でストレスを感じることが少ないのです。