東京を除外して先月から始まった「Go To トラベル」ですが、その効果については様々な意見が出ています。
東京を外したことで、経済効果は大幅に下がるとか、開始を9月まで伸ばすべきだった、などという見方があります。
感染拡大を抑えつつ、経済も停滞させない、という矛盾した目的を両立させるのはかなり難しいものがありますから、このキャンペーンがやや迷走しているのも、致し方ないかも知れません。
ところで、どーでもいいことですが、なぜ名前が「Go To トラベル」なのか。
「結果にコミット」に勝るとも劣らぬ意味不明の英語。
「Go トラベリング」では駄目だった理由が気になります。
それはさておき、観光事業を盛り上げていく上で、ウイルス対策ももちろん大事ですが、忘れてはならないのが、たまに出没する、迷惑な観光客の存在です。
〈originally posted on August 17,2020〉
1 神聖な場所で裸になる観光客
まともな人間であれば、公共の場でいきなり裸になったりはしません。
その場所が、多くの旅行者が訪れる観光地であればなおさらでしょう。
しかし、世界的に有名な観光スポットで、素っ裸になって自撮りする猛者が現れたことがあります。
2015年、世界遺産にもなっている、カンボジアのアンコール遺跡で、裸でポーズを取っている旅行客が複数目撃され、問題になりました。
あるアメリカ人旅行者のグループは、裸で写真を撮っていたのが原因で罰金を科され、国外退去を命じられています。
このような旅行者が続出した理由について、詳しい事情は分かっていませんが、そういった写真がフェイスブック等に投稿されていたことを考えると、おそらく、SNS上で注目を集めたいという目的があったのでしょう。
アンコール遺跡は、宗教的にも重要なアンコール・ワットなどが存在する、非常に神聖な場所。
そんな場所だからこそ、ヤバい姿で写真を撮りたくなったのかも知れません。
こういう厄介な旅行者は、他の場所でも目撃されており、例えば、ペルーのマチュ・ピチュ遺跡では、2014年、たった一週間で8人が逮捕される事態が起きています。
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2 モアイ像の鼻をほじる観光客
アホな自撮りは、単純にアホなだけであれば、特に害はありません。
その写真を見た者が、「アホだねぇ……」と思うだけです。
しかし、時にはアホな自撮りが、歴史的に貴重な遺産を破壊することもあります。
チリ領のイースター島と言えば、モアイ像でお馴染み。
この島を訪れる人々は、1980年代にはわずか2500人程度だったのですが、今や15万人が観光にやって来る人気の場所です。
当然、観光客のお目当ては、モアイ像。
しかしながら、モアイ像は、巨大でズッシリとしたその外観とは裏腹に、長い年月にわたり風雨にさらされた結果、かなりもろくなっているのだとか。
そんなモアイ像の上に、おバカな観光客が乗っかって写真を撮ることが毎年頻発しています。
さらに、モアイ像の鼻に、下から指を突き刺して自撮りする者も。
あのデッカイ鼻を見たら、思わずほじってみたくなる気持ちも、分からなくはありません。
しかし、こういった行為により、ただでさえダメージに弱くなっている像に、追い打ちをかける結果となっているのです。
3 超過激な水着で悩殺する観光客
海外の美しいビーチに行くと、普段より開放的な気分になるのは当然のこと。
しかし、開放的になりすぎると、最悪の場合、逮捕が待っています。
2019年、フィリピンの有名な観光地であるボラカイ島で、ビーチを歩いていたリン・ツゥ・ティンという、台湾から来た26歳の女性が、地元住民からの通報により、警察に逮捕されました。
通報された理由は、彼女が身につけていた水着。
完全なる「紐」のビキニだったのです。
上も紐なら下も紐。
つまり、何も着ていないのとほぼ変わらない状態。
防御力ゼロの超過激水着を着た女性がビーチを歩いていれば、周りの観光客は、目のやり場に困るどころの騒ぎではないでしょう。
逮捕された女性は、「この水着は一種のアート」であると弁明し、一緒に来ていた彼氏も「我々の国ではごく普通のこと」と言っていたとか。
仮に台湾では普通だとしても、その「常識」を外国に当てはめてはマズイでしょう。
4 「ハイル・ヒトラー!」で自撮りする観光客
やっている本人は単なる悪ふざけのつもりでも、場所によってはそれがれっきとした犯罪になってしまうことがあります。
「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」というポーズを決める行為もその一つ。
どこの国であれ、公共の場でこういうポーズと取れば常識を疑われますが、特にこれをドイツでやれば、逮捕される可能性もあります。
2017年8月、中国からの二人の男性観光客(36歳と49歳)が、よりにもよってベルリンにある国会議事堂前で、ハイル・ヒトラーのポーズで自撮りしていました。
ドイツでは、このような行為は「違法な組織に関するシンボルの使用」に該当し、処罰の対象です。
この行為が発見されるや否や、二人の観光客は逮捕されましたが、その後、500ユーロを支払うことで保釈されています。
5 血まみれの観光客
2016年11月、タイのパタヤ市で、ヨーロッパから観光に訪れていた男性が、逮捕されました。
驚くべきことに、逮捕時、この男は、顔面、胴体、両腕が、血で真っ赤に染まっていたのです。
警察の聞き込みによって得られた情報によれば、この男は、ほぼ24時間ぶっ通しで酒を飲み続けた挙げ句、建物や車を破壊するなど、大暴れし始めたとか。
そして気づけば全身血まみれ。
これは、彼が破壊魔神と化している間に、自ら負傷したと見られています。
かなり大柄なこの男を取り押さえるのには、警察官6人がかりでやっとでした。
暴れていた本人以外に怪我人がいなかったのが不幸中の幸いですが、地元の人にとっては、迷惑至極な観光客です。
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6 博物館から「記念品」を持ち帰る観光客
戦争の悲惨さを伝える博物館を訪れた際、絶対にやってはいけないこと。
いくつかありますが、ニッコリ笑ってピースサインで自撮りするのは、その一つでしょう。
逮捕されることは無いにしても、不謹慎極まりない行為です。
一方、確実に逮捕される行為が、展示物を記念に持って帰る(=盗む)こと。
普通に「窃盗」ですから、逮捕されて当然です。
2019年4月、ポーランドにあるアウシュビッツ・ビルケナウ博物館で、それをやってしまった男が逮捕されました。
逮捕されたのは、米国テキサス州から来た37歳の男。
第二次大戦中に捕虜が移送されるのに使われた線路の鉄材を、記念に持ち帰ろうとしたところを発見されたのです。
彼の行為は、懲役10年以下の刑に処される可能性がありましたが、警察の調べに対し、素直に罪を認めたので、程なくして釈放されました。