ファストフードにピッタリのドリンクと言えば、何と言ってもコカコーラ。
ジャンクフード好きの人にとっては無くてはならない相棒のようなもの。
今回は、そんな誰もが知っている炭酸飲料の、意外な事実の数々をご紹介する。
コカコーラは、歴史のある飲み物だけに、様々なエピソードを持っているのだ。
〈originally posted on November 21,2014〉
1 もともとは「コカイン」飲料
コカコーラの生みの親は、薬剤師であったジョン・ペンバートンである。
あるとき、彼は、アルコール飲料として「Pemberton’s French Wine Coca」を開発する。
原材料には、一時的な興奮状態を引き起こす「コカイン」と、アルコールを混ぜた「コカエチレン」と呼ばれるものを含んでいた。
発売当時は、「精力増強」などの効果も謳っていたが、1885年、地元であるアトランタ市において、禁酒法により違法であると判断され、販売の道を閉ざされてしまう。
そこでペンバートンは、新たな商品を開発すべく、原材料であるワインをシロップに替えたものを考案した。
これが、1886年にデビューを果たす「コカコーラ」である。
当時の公告には、「頭痛、心身の疲労に効果的」などという、薬効めいた文言もあった。
しかし、1903年、アルコールに続いて今度は名前の元にもなっているコカインが危うい立場に立たされる。
意外なのはその理由だ。
1899年より、ボトルに入ったコカコーラが大量生産され始め、差別を受けていた黒人でも安価で手に入るようになった。
その結果、コカコーラによるコカイン摂取が黒人による犯罪を増加させる、という根拠の無い不安が白人の間に広まったのである。
それを受けて、会社側はやむなくコカコーラからコカインを減らしていく方向を検討し始めたのだ。
2 コカの葉の抽出物
1929年に、コカインはコカコーラの原材料から完全に姿を消す。
しかし、現在のコカコーラにもコカの葉からの抽出物は使われている。
もちろん、健康上には何の害も無い。
そもそも、コカの葉は煎じて飲んでも全く問題無いのである。
ただし、コカインに合成できるような成分は除かれているので、コカコーラからコカインはどう頑張っても作れない。
ちなみに、コカの葉から抽出する工程は、ニュージャージー州にあるStepanという会社の所有する施設で行われている。
実はこのStepan、アメリカで唯一、コカの葉の輸入と加工を政府から認可されている会社なのだ。
3 ファンタの意外な起源
1939年の時点で、ドイツ・コカコーラ社は43の製造工場を持ち、コカコーラの製造販売で世界的に最も成功していた。
しかし、第2次世界大戦の勃発に伴う通商禁止により、原材料を調達できなくなった結果、売り上げは地に落ちてしまう。
そこで、当時ドイツ・コカコーラ社の最高責任者であったマックス・キースは、打開策として、ドイツ国内のみで調達可能な材料を使った新商品を考案する。
その新商品とは、チーズ製造過程の副産物であるホエイと、リンゴの搾りかすを使用した飲料。
これが現在「Fanta」として知られている炭酸飲料の第1号なのだ。
ちなみにFantaという単語は、fantasyのドイツ語表記である。
4 コカコーラを飲みすぎて死亡した(?)女性
2010年、ニュージーランドでナターシャ・ハリスという31歳の女性が亡くなった。
彼女は、毎日平均9.8リットルものコカコーラを飲み続けていたのである。
これは、1日あたりの砂糖の摂取量が約1kg、カフェインが約1グラムという量(ちなみにカフェインの致死量は約10グラム)。
その結果、検死官の報告書には、「コカコーラが潜在的な死因である」と書かれることとなってしまった。
しかし、考えてみれば、どんなソフトドリンクだろうと、1日10リットル近くも飲んでいれば健康を害するのは避けられないだろう。
そう考えると、コカ・コーラが「悪者」とは言い切れない気がするが……。
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