警備員の仕事は、決して派手さは無いものの、市民の安全を守るために重要な役割を果たしています。
公共の場で、何らかのトラブルが発生したとき、警察に通報がなされることも多いですが、警察官が到着するまで現場で真っ先に対処に当たるのは、警備員をおいて他にはいません。
トラブルを引き起こしている人物が、周りの人に危害を加える恐れがあるような場合は、警備員が攻撃を受ける可能性もあるので、職務の危険度は増します。
しかし、彼ら自身が、一般人を攻撃し始めたらどうなるか。
今回は、そんな危険な警備員をご紹介します。
〈originally posted on March 31,2021〉
1 警備員が客をノックアウト
2019年5月30日、ロンドンにあるスーパーマーケットで、25歳の男性客が、男にボコボコにされるという事件がありました。
周りにいた客の証言によれば、男の攻撃は、何度もパンチを繰り出す凄まじいレベルの暴行だったとか。
その激しい攻撃を加えていたのが、そのスーパーの警備員。
パンチを食らって床に倒れた被害者は、這って逃げようと試みます。
しかし、背後から警備員のさらなる攻撃が。
このままではマズいと思ったスーパーの店員や客たちが警備員を止めたことで、ようやく騒ぎは収まりました。
何故ここまで苛烈な暴行が起きたのかについては、詳細は不明ですが、被害者の男性が入店を拒否された直後に事件が発生したのだそうです。
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2 「全ての親にとって最悪の悪夢」
2019年7月、オーストラリアのシドニーにあるショッピングセンターで、子供用の遊戯エリアで遊んでいた女児が、突然いなくなるという事件が発生しました。
センター内の監視カメラの映像が確認されたところ、そこに映っていたのは、一人の屈強な体格の男が、小さな女の子を引き連れて通路を歩いていく様子。
この男の正体は、モハメド・ハッサン・アル・バヤティ(30歳)。
ショッピングセンターの警備員です。
女の子が連れ去られていた時間は、10分程度だったのですが、自分の娘が見知らぬ男の監視下に置かれるのは、わずかな時間であっても、親としては生きた心地がしなかったでしょう。
さらにこの男、信じがたいことに、女の子を母親の元に返した際、子供から目を離すからこういうことが起きるんだ、などと説教を垂れ始めたとか。
自ら子供を連れ去っておきながら、親に説教とは、どこまでも狂っています。
後の裁判で、アル・バヤティには懲役4年6ヶ月が宣告されました。
そのとき、裁判官は、彼の犯行を「全ての親にとって最悪の悪夢」だと表現したそうです。
3 相手を蹴り飛ばしても「無罪」
2019年6月某日、イギリスのウェストミンスターにある「レッド・リオン」というパブの前に、一人のホームレス男性が寝ていました。
こういう場合、警備員としては、相手に退去を要請することもあるでしょう。
もちろん、その際にはなるべく穏便に対処すべきですが、このパブにいた警備員は、かなり乱暴な手段に出ました。
そのホームレスを見つけるやいなや、いきなり背中に蹴りを一発。
驚いたホームレスが逃げようとするのを見ると、追いかけて攻撃を続行しようとしたのです。
幸い、その様子を見ていた他の男性が止めに入ったことで、ホームレスはそれ以上の難を逃れました。
この警備員の行為が暴行罪に当たるのは明らかですが、彼は何のお咎めもなく、完全な無罪のまま。
ホームレスの男性は、事件の後、その立場の弱さから行方をくらましてしまい、これにより、被害者が存在しないことになったのが、その理由。
それにしても、非人道的な行為をしておきながら、何の刑事罰も無いというのは、納得のいかない結末です。
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4 ストレスが爆発した警備員はこうなる
2018年7月25日、イングランドのボルトンにあるスーパーマーケットで、一人の男性客が、ワインのボトルを万引きしました。
それを目撃したのが、スティーブン・ジョンソン(当寺27歳)という警備員。
日本の万引きGメンであれば、窃盗犯が店を出た瞬間に声をかけ、店の奥で話を聞く、という流れが定番。
決して大きな騒ぎは起こりません。
しかし、万引き犯を発見したとき、ジョンソンの精神状態は、限界に達していました。
毎日12時間の勤務が、10日以上も続いていたからです。
もはや、ストレスが爆発する寸前。
そんなとき、自分の目の前を、ワインを盗んだ犯人が逃げていく。
頭に血が上ったジョンソンは、全力で犯人を追いかけます。
しかし、追いつけないと分かると、彼は極めてヤバい行動に出ました。
自分の車に乗り込み、犯人に向かって加速し始めたのです。
誰がどう見ても、轢き殺す気満々。
必死で逃げていた犯人は、車に激突される直前に、ガードレールに飛び乗って、命は助かりました。
この後も、ジョンソンの危険な行動は続きます。
彼は、「車で激突作戦」が失敗したと悟ると、今度はダッシュで店内へ。
そこで、ナイフを取り出して自分の体を傷つけ始めました。
理解に苦しむこの奇行の理由は、その後、警察から事情聴取を受けたときに明らかに。
彼は、自分こそが被害者だと主張したのです。
しかし、ジョンソンにとって非常に残念なことに、彼が車で万引き犯を轢き殺そうとしている様子は、監視カメラにバッチリ映っていました……。