呪われているわけでもないのに住んでいるだけで致死率アップ。
そんな恐ろしい家をご紹介します。
自分の家に罠を仕掛ける人はまずいないでしょう。
たとえ防犯目的であったとしても、下手をすれば無関係な人に怪我を負わせる可能性があります。
最悪の場合、自分がその罠の犠牲になってしまうことも。
実際にそんなことがあるとすればかなり情けない話ですが、本当にそういう事例はあるのです。
〈originally posted on February 6,2017〉
1 ショットガン満載の家
ベルギー在住のルイス・デシー(79)は妻との間に14人の子供(娘10人、息子4人)がおり、3階建ての屋敷で暮らしていました。
老後は趣味にでも興じながらのんびり年金生活を送るはずだったのに、あることが原因でその予定が大幅に狂ってしまいます。
それは、離婚。
これにより、妻だけでなく、14人の子供たちも彼の元を去って行きました。
さらに、ルイスが住んでいる屋敷の所有者は彼の母親であり、彼女は遺言でその屋敷を孫のジャンヌに遺贈していたのです。
つまり、ルイスは家族を失った上に、住む場所さえ失う運命にありました。
追い詰められた彼は、リベンジ(?)を果たそうとします。
どうせ家を追い出されるのなら、次にその屋敷に住む者たちに地獄を味わわせてやろうと考え、家の至る所に罠を仕掛けました。
居間のTVや貯水タンク、屋根裏部屋などにショットガンを取り付け、それらは「あるきっかけ」により仕掛けが作動して銃をぶっ放す仕組みになっていたのです。
恐ろしいことに、罠の発動するきっかけが罠ごとに異なり、仕掛けた本人でさえ覚えきれないので、彼は何をどうすればどの罠が発動するのかを細かくメモに書いていました。
書いてはいたのですが……。
結局、ルイスは自分で罠の一つをウッカリ作動させてしまい、自らが設置したショットガンに撃たれて死亡したのです。
ちなみに、警察が屋敷を捜索した際、発見された罠は全部で19個だったのですが、ルイスのメモによれば設置した罠は合計20個だったとか。
将来、残された最後の罠が何をきっかけに発動するのかは、神のみぞ知るといったところです。
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2 ゴミの迷路
1900年代前半、ニューヨークの五番街にある一軒家に、ラングレー・コリアーと兄のホーマーの二人が住んでいました。
近所付き合いに関してはごく普通だったようですが、ホーマーが失明してから二人の生活に変化が現れます。
弟のラングレーが、目の見えない兄の世話に専念しはじめるとともに、この兄弟は次第に外部との接触を絶つようになりました。
ときどき家の外に出てくるのはラングレーのみで、時間帯は主に日が落ちてから。
近所の住人からは、不気味な兄弟の住む家があると噂されるまでに至ります。
それに対抗するかのように、ラングレーは家の中にダンボールや家具、本、生活ゴミなどをうず高く積み上げ、まるで迷路のようにして誰も中に入れない状態にしました。
しかも、通路には所々にワイヤーが張られてあり、引っかかった瞬間に頭上から重量感のある「何か」が落ちてくるという念の入れよう。
1947年、匿名の通報を受けた警察が二人の家を捜索したところ、まず兄のホーマーの遺体を発見。
死因は心臓発作でした。
その後、凄まじい悪臭が漂う家の中で、一週間以上かけて数十トンに及ぶゴミが撤去され、ラングレーの遺体が発見されます。
彼も先ほどのルイスと同様、自分の仕掛けた罠にかかり、落下してきたゴミの下敷きになって命を落としていたのです。
3 傾いた絵画
次にご紹介するのは、特定の家というわけではありませんが、非常に巧妙な罠が仕掛けられた建物の例です。
第二次世界対戦中、物資が不足して敗色濃厚となったドイツ軍が戦場から撤退する際、彼らは単純にその場を後にしたのではありません。
各市街地に点在する、損傷が少なくて大きめの建物、すなわち、敵軍が本部を置く可能性が高い建物に片っ端から罠を仕掛けました。
その罠とは、「傾いた絵画」です。
部屋の壁に窪みを作ってその中に爆弾を設置し、そこに絵を掛けて隠します。
このとき、必ず絵を少し傾けておくのが最大の特徴。
絵を真っ直ぐにした瞬間にドカン!となるように設計されていました。
逆に言えば、絵が傾いているのに気づかれなければ、この罠は何の意味もなしません。
そう考えると少々回りくどい罠のような気がしますが、一説によれば、この罠はそれなりに地位の高い者を狙い撃ちにする目的があったそうです。
壁に掛けられた絵が傾いているのを気にするのは、現場の指揮を執るような人物に限られるだろう、というのがその根拠でした。
4 罠の要塞
イングランドのメードストンに3軒のコテージを所有していたナイジェル・コックバーンには、深刻な悩みがありました。
それらのコテージは、14年間で20回も空き巣の被害に遭っていたのです。
警察などアテにならないと考えたナイジェルは、徹底的な自衛手段に出ます。
防犯カメラの取り付けは当然として、侵入者を確実に撃退するべく家の中に銃や弾丸をしこたま用意し、そこかしこにクマ捕獲用の罠も設置。
誤って自分でその罠にかかって足が血塗れになったのも今は良い思い出。
その他にも、部屋の中の物に触れた途端に強力な電磁波が照射される「人間電子レンジ部屋」までありました。
20067月10日、ナイジェルの家で火災が発生したとき、駆けつけた消防隊員は「罠の要塞」と化した建物を前にして愕然としたとか。
後に彼は、弾薬の不法所持や傷害などの罪によって起訴されることとなりました。
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5 完全犯罪の家
イングランドのバーミンガムに住むイアン・プライスは、自分の不倫が原因で離婚の危機に直面し、おまけに多額の借金で首が回らないという、最悪の状況にありました。
そんな彼が思いついた最悪の打開策が、妻を亡き者にすること。
イアンはそれを完全犯罪によって成し遂げるため、妻が気づかないようにあるヤバい装置を家に取り付けます。
その装置とは、通常は壁紙を剥がすのに使われる「ヒートガン」に時限装置を接続し、設定した時刻になると家を丸焦げにしてくれるスグレモノ。
ちなみに彼の職業はキッチンプランナーですから、その手の装置をバレないように取り付けるのは容易い仕事だったことでしょう。
ある日の晩、イアンは妻を一人家に残して出かけます。
そして、不倫相手とイイ感じになっている真っ最中に家が全焼。
全ては彼の計画通りでした。
一点を除いては……。
イアンの妻は、自分の家が燃えていることに気づいて急いで脱出するという、至極当然の行動をとっていたために全くの無傷。
火災保険と生命保険の一挙両得を狙っていたイアンの目論見は阻止され、後に待っていたのは刑事裁判だけでした。