世の中には、「お客様は神様」であると、信じて疑わない客がいます。
そういう人たちにとって、店員は、まるで自分の下僕であるかのように映るのかも知れません。
ちょっとした店員のミスで激昂し、頭ごなしに怒鳴りつけ、土下座を強要する客もいます。
真面目に仕事をしている店員にとっては、厄介なことこの上ありません。
〈originally posted on February 28,2020〉
1 息子を変な髪型にされて、店主を車で轢く母親
米国カリフォルニア州アンティオック市で散髪屋を営む、ブライアン・マーティンという63歳の男性がいます。
2019年12月、その店の常連客である、ルビー・デルガディヨ(28)が、8歳の息子を連れて来店。
マーティンがその子の散髪を済ませ、その親子が店を出ていってからしばらく経ったときのこと。
いきなり店のドアを蹴りまくる奴が現れました。
マーティンがドアを開けると、そこにいたのは先程の母親。
彼女は、息子の散髪後の髪型が気に入らないという理由で文句を言い始め、マーティンと口論に。
収まりがつかないルビーは、車に乗り込むと、マーティンに向かってハンドルを切り、加速。
彼は、車のフロントガラスに激突し、足を骨折しました。
その後、病院で治療を受け、命に別状は無かったものの、彼自身、一体何が彼女をそこまで激怒させたのか、皆目見当がつかないのだそうです。
2 行列待ちでイライラして、最後に発砲する男
客がキレる原因の一つは、待たされることです。
特に、飲食店での行列待ちは、危険度が上がります。
ただでさえ空腹でイライラしているときに、割り込みなどされたらキレるのも無理は無いでしょう。
列の割り込みによるトラブルは、あくまで客どうしで起きるわけですが、待たされることからくる怒りの矛先は、店員に向けられることもあります。
2017年8月、チリの首都サンティアゴにあるマクドナルドで、26歳の男が、自分が注文したメニューがなかなか出てこないのに苛立って、店員にブチ切れ始めました。
彼は、すぐに警備員によって店からつまみ出されたのですが、その際、ターミネーターよろしく「アイル・ビー・バック」と言い残したとか。
その数分後、男は宣言どおり、戻って来ました。
銃を振り回しながら。
そして、宙に発砲しながら先程の警備員に近づき、銃口を向けて威嚇。
偶然、すぐ近くでパトカーに乗っていた警察官がこの銃声を聞き、現場に急行し、男を逮捕しました。
この男がマクドナルドで何を注文したのかは分かりませんが、ちょっと待たされただけで発砲する気の短さを何とかしないと、まともな社会生活は送れないでしょう。
3 子供に見せられないイタズラをする中年男
店員を攻撃する客も厄介ですが、店員の見ていないところで、商品にイタズラをする「いい年した大人」も相当に厄介です。
2015年2月、イギリス、サウスウェールズのスウォンジー市にあるスーパーマーケットで、展示されているiPadのディスプレイに、子供には絶対に見せられないような、卑猥な画像がデカデカと表示されていました。
これは、店員のミスなどではなく、息子と一緒に来店していた、セリ・モーガン(40)という男の仕業。
彼は、充電器を買うために店に立ち寄ったのですが、展示されているiPadを見ているうちに、急に魔が差して、自分のスマホを使って問題の画像をiPadに転送したのです。
そのとき、監視カメラの映像で、怪しい動きをしているモーガンの存在に気づいた警備員が、警察に通報。
駆けつけた警官によって、彼は逮捕されました。
息子の見ている前で。
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4 スカッとセブンイレブン
ここまで、店員が酷い目に遭った事件ばかりでしたが、スカッとする事例を最後にご紹介しましょう。
2016年10月某日、米国ロサンゼルスにあるセブンイレブンで、一人の客が、男性店員に文句を言い始めました。
そのスキンヘッドの客は、かなりの大柄で、服を着ていても、筋骨隆々なのが分かるほど。
一方の店員は、比較的小柄で痩せ型。
人差し指を店員に向けながら、その客がキレている最中、店員は微動だにせず、相手の両目を見据えていました。
その冷静さが気に入らなかったのか、客はさらに語気を荒くして、店員との距離を詰めます。
次の瞬間、客の右ストレートが、店員の顔面を捉えた……かと思いきや、店員はそのパンチを難なくかわし、客にカウンターパンチ。
そして、よろけて倒れた相手にすかさず拳を数発叩き込みます。
これにより、大柄の男は完全に床でダウン。
スキンヘッドが殴りかかってきてから、ものの数秒で決着です。
恐らく、この客は、相手が小柄な店員であることから、簡単にノックアウト出来ると踏んでいたのでしょう。
この男が学んだ教訓は、自分より強そうな相手に対して、不自然なほど冷静でいる奴は、相当な格闘術の心得がある、ということかも知れません。