懐かしい知人と久しぶりに会うイベントといえば、同窓会です。
学生時代に担任からのイジメ・暴力を受け続けた僕は、同窓会というものに行ったことが無いのですが、普通の人にとっては昔の友人と再会できる数少ないチャンス。
(余談ですが、検索してみると、同窓会で元担任に恨み節を炸裂させる人がけっこういるのに驚き)
昔の友人に会うくらいであれば、同窓会以外にも手段はありますし、それほど困難ではないでしょう。
しかし、自分が幼い頃に離れ離れになってしまった肉親と再会するのは、大抵の場合、そう簡単ではありません。
生みの親を探そうとしても、目ぼしい情報が得られず、相手の消息がつかめないまま数十年の時が過ぎ去ってしまうこともあります。
それだけに、再会を果たしたときの感動はひとしお。
……のはずなのですが、残念ながら、そうならなかった悲しい事例もあるのです。
〈originally posted on September 19, 2021〉
1 ようやく探し当てた母親からの拒絶
イギリス在住のアン・メルボルンという女性は、今から約50年前、生まれて間もなく養子として引き取られました。
子供時代は、養親のもとで幸せな日々を過ごしていたのですが、「自分は一体何者なのか」という思いから、生みの親のことが気になり、ずっとその所在を調べていたのです。
そして、12年前に、ついに生みの母親を発見。
彼女はさっそくその母親に連絡を取り、二人で会う約束をしました。
実の母親に遂に会うことができる、という期待が、弥が上にも高まります。
ところが、一旦は会うと言ったものの、母親はその後、アンを拒絶。
一切何の連絡もしてこなくなったのです。
何年もかけてようやく見つけ出した母親との再会が、夢と消えました。
このとき彼女は、自分が、生みの母親にとって、決して望まれた子ではなかったことを悟ったとか。
母親を探し当てたために、ある意味、知りたくない真実を知ってしまったのです。
普通なら、ここで心が折れて、生みの親の捜索など諦めることでしょう。
しかし彼女は、めげずに今度は実の父親の捜索を開始。
その結果、わずかな手がかりから、「レズリー」という男性が実の父親であることを知りました。
しかも驚くことに、彼女の自宅から20kmほどの場所に住んでいたのです。
母親のときとは異なり、父親とは無事に再会を果たしました。
さらに、父親を探す過程で、「ジェニー」という名の、腹違いの姉がいることも発覚。
そのジェニーとも直接会って、固いハグを交わしました。
一度は絶望を味わったものの、最後まで諦めなかったことで、アンは大事なものを手に入れたと言えるでしょう。
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2 最も残酷なドッキリ企画
2015年、カンボジアのとあるテレビ番組に、オータム・アレンという13歳の女の子が出演したときの話。
彼女は、6歳のときから自分の母親の姿を見ていなかったのです。
番組の中で、彼女は母親との楽しかった思い出を、熱っぽく語りました。
母の日にオンエアー予定だった同番組の司会者は、その話を聞くと、行方知れずだった母親を探し出すことに成功したと発表。
オータムのテンションは爆上がりです。
そして、満を持して彼女の「母親」が登場したのですが……。
期待に満ちたオータムの目の前に現れたのは、女装したコメディアン。
7年ぶりに再会できると思った母親が、まさかのコメディアン。
純粋に母親に会いたいと願っていた13歳の女の子には、何とも残酷なドッキリ企画。
司会者から、
「ホントにお母さんが来ると思った?」
と聞かれた彼女は、
「わかんない」
と答えるのがやっとだったとか。
この番組の放送後、番組プロデューサーを非難する視聴者の声が強まり、SNSが炎上したそうです。
3 自分と瓜二つの「親友」の正体
学生時代、自分とそっくりな生徒に遭遇した経験は無いでしょうか。
血のつながってない他人なのに、他人とは思えぬほどソックリ。
それが原因で、周りからイジられたり、バカにされたり、コケにされたり……。
まあ、僕のリアルな体験談ですが……。
南アフリカ共和国のケープタウンに住むミーシェ・ソロモンという女性も、高校生のとき、自分とソックリの女子生徒に出会いました。
幸い(?)、彼女は美人だったので、自分と瓜二つのキャシディ・ナースとはすぐに気が合い、親友どうしに。
二人で一緒に自撮りすることもよくありました。
しかし、その自撮り写真を、キャシディが自分の両親に見せたときから、この微笑ましい関係が予想外の方向へと歪んでいきます。
写真を見たキャシディの母親は、そこに写っているミーシェの顔をしばし凝視すると、娘にこう尋ねたのです。
「一緒に写ってるこの女の子の誕生日を知ってる?」
キャシディが知らなかったため、母親はミーシェの自宅に赴いて、直接彼女に誕生日を尋ねました。
その答えを聞いて、母親は愕然とします。
実は、彼女にはゼファニーと名付けた娘がいたのですが、ゼファニーは、まだ赤ん坊のときに病院から何者かに連れ去られたのです。
そのゼファニーとミーシェの誕生日が完全に一致していました。
さらに、その後のDNA検査によっても、ミーシェの実の両親は、ナース夫妻であると判明しています。
つまり、キャシディ・ナースの親友であるミーシェは、本当はゼファニー・ナースという名前であり、キャシディとは姉妹の関係だったのです。
事の発端は、1997年に遡ります。
同年4月、ラヴォナ・ソロモンという女が、自分が流産したことを隠すため、病院から赤ん坊を誘拐することを計画。
そして、看護師に扮装して病院内に侵入し、幼いゼファニーを連れ去りました。
それからは、ソロモン家の娘として育てていたのです。
この事実が明らかになると、2015年、誘拐等の容疑によりラヴォナの刑事裁判が始まり、翌年、懲役10年の刑が確定。
もちろん、これで一件落着ではなく、むしろここからが過酷な人生の始まりです。
特に、ミーシェにとっては、彼女の言葉を借りれば、「自分に死が訪れたかのごとく」ショックだったとか。
毎日、共に過ごしていた母親が、ある日突然、実の母親ではなくなり、それどころか、他人の子を誘拐した犯罪者になって刑務所行きに。
この事実は、普通の女子高生にはそう簡単に受け入れられないでしょう。
ミーシェが刑務所で初めてラヴォナと面会したとき、ずっと周りを騙し続けていた理由を尋ねたのですが、ちゃんとした答えは得られませんでした。
それでもなお、ミーシェは、刑務所に通い、ラヴォナとの面会を継続したそうです。
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4 突然消えた親友と悪夢の再会
もし、付き合いの長い親友が、突然、行方不明になったとしたら……。
電話をかけても反応なし。
メールを送っても返信ゼロ。
その友人に一体何があったのか、見当もつかない。
こんな状態が続けば、誰でも不安になります。
今から約7年前、ナイジェリアのカラバー大学に通っていた医学生のエンヤ・エグべも、そんな不安を抱いていました。
彼の親友であるデヴァインは、何の前触れも無く、姿を消してしまったのです。
それからしばらく経ったある日のこと。
エンヤは、予想だにしなかった形で、デヴァインと「再会」を果たすこととなりました。
再会の場所は、彼の通う大学。
その日、彼は、医学部の授業で、遺体の解剖を行う予定でした。
教室に入ると、大きなテーブルの上には布で覆われた遺体が。
そして、教授がその布を取った瞬間、エンヤは、親友と、考えうる最悪の「再会」を果たしたのです。
彼は悲鳴を上げて教室を飛び出しました。
心配だった親友の所在が分かると同時に、エンヤを待っていたのはあまりに酷い現実でした。
ナイジェリアにおいて、大学の医学部のために提供される遺体は、警察官からの銃弾を受けた犯罪者のものが多いとされています。
ということは、デヴァインも犯罪に手を染めていて、それが元で命を落としたのか。
彼の両親の話によると、ある時、デヴァインが友人数名と街にいたところ、「何らかの容疑」によって、いきなり警察に逮捕されたとか。
両親は、息子に会うため、片っ端から警察署を回ってみたものの、息子がどこにいるのかさえ掴めず、息子が何をやったのかも分かりませんでした。
息子が亡くなっていたことも、エンヤからの連絡によって初めて知ったのです。
日本ではちょっと考えにくい事態ですが、ナイジェリアでは、こういうことは珍しくないのだとか。
さらに恐ろしいことに、警察官の「制裁」を受けた者の中には、実際には無実の人も一定割合含まれている、という報告があるのです。
つまり、この国の警察は、容疑がまだ固まっていない相手に銃を向けることがあるということ。
何もしていない市民の命を警察が奪う可能性がある、というのは、国民にとっては恐怖でしょう。
ナイジェリアにおける警察のこうした横暴は、10年以上前から問題になっていますが、未だに改善の兆しは見られないようです。