アルメニアにあるスパンダリャンとい村に住むサテニーク・カザリャン(22)という女性は、クリスタル状の涙を流すという極めて珍しい症状を抱えています。
この奇妙な症状が現れるきっかけになったのは、彼女が歯科医を訪れたとき。
ホコリのような何かが目に入ってから、彼女は目に痛みを感じるようになりました。
眼科医に診てもらったところ、目の涙腺の辺りから小さなクリスタル状の粒がいくつか摘出されたのです。
〈originally posted on November 5,2019〉
1 医師でもお手上げの「クリスタルの涙」
その後、医師から薬をもらい、しばらくは症状が軽くなったものの、また「クリスタルの涙」が出る状態に。
彼女の親戚は、クリスタルの涙を初めて見たとき、ガラスの破片が目に入ったのだと思っていたとか。
ガラスの破片が目に入るというのは、想像しただけで痛そうですが、ガラスの破片でなくてもサテニークは地獄のような毎日を送っています。
クリスタル状の粒が目から出る頻度は非常に高く、その度に目に激痛が走るのです。
彼女は様々な医師に相談しましたが、こんな珍しい病気に遭遇したことのある医師はおらず、治療法も見つかっていません。
中には、彼女の言うことが信じられず、あっさり追い返す医者もいました。
海外に渡って治療法を探すという手段もありますが、あいにくサテニークの家は貧しくてその余裕がありません。
クリスタルの涙の原因について、ある専門家は、遺伝的な理由などから、彼女の涙の成分が通常とは異なる割合になっている可能性を指摘しています。
例えば、涙の中のタンパク質や塩分が多いと涙が固形状になりやすくなるのだとか。
今のところ、サテニークの症状はその病名すら正確には診断されておらず、彼女の地獄の日々はまだ終わりそうにありません。
2 血の涙
目からクリスタルが出るのは驚きですが、世の中には「血の涙」を流す人もいます。
血の涙といっても、比喩的な意味ではありません。
例えば、2018年、52歳のイタリア人男性が目から血の涙を流し、医師に相談するということがありました。
彼の場合、血の涙が流れることによる痛みは無く、眼球を動かすのにも、視力にも特に問題はありません。
血の涙は約1時間ほどで自然に止まったそうです。
専門家によると、彼のような症状は、目の感染症や炎症、あるいは瞼に出来る腫瘍などが原因で起きる可能性があるのだとか。
少し変わったところでは、イギリス人女性が、鼻血を止めようとして鼻をつまんでいたところ、逆流した血が目から出てきたというケースが2003年に報告されています。
先程の男性の場合、眼球の周りを囲む血管が肥大化していたのが血の涙の一因ではないかと見られています。
【スポンサーリンク】
3 紫色の涙
カナダの首都オタワに住むキャット・ガリンジャーという女性は、紫色の涙を流した経験があります。
病気で血の涙が出るのなら、紫色の涙も有りうるのか、と思ってしまいそうですが、彼女の場合は病気ではありません。
タトゥーが原因です。
両方の眼球に紫色のタトゥーを入れたところ、目に違和感があり、おまけに紫色の涙まで流れてきて四六時中ハロウィン状態なので、彼女は病院で診てもらったのです。
その結果、タトゥーが失敗に終わっていたことが明らかに。
視力も低下し、失明の危険すらありました。
回復のために手術を受けたものの、視力は完全には戻らなかったそうです。
彼女はSNSを通じて、眼球にタトゥーを入れるときには十分なリサーチをして、信頼できる業者に依頼することを勧めています。
ただ、そこまでして眼球にタトゥーを入れたいと思う人間がどれくらいいるのかは大いに疑問ではありますが…。