教師にとっても生徒にとっても、もはやそこは「戦場」。
そんな危険な学校の数々をご紹介します。
学級崩壊、校内暴力、いじめ、恐喝。
荒れている学校(教育困難校)は様々な問題を抱えています。
教員にとっては、毎日のように何らかの試練が待っているといっても過言ではありません。
生徒にとっては、いつ攻撃対象にされるか分からない不安感がつきまといます。
日本にもそういった学校はありますが、アメリカの場合は、明らかに日本とは次元の異なる問題を一つ抱えています。
それは、銃の存在です。
生徒が銃を持っている可能性がある以上、学校に関わる全ての人にとって、何か事件が発生したときに命の危険が無いとは言い切れないのです……。
〈originally posted on May 7,2017〉
1 金属探知機が必須の学校
ニューヨークにあるデウィット・クリントン高校は1897年に開校した歴史ある学校です。
しかし、伝統ある学校から受けるイメージからは程遠く、2010年、アメリカで最も「校内に武器の多い学校」であると認定されました。
公式な発表によれば、同校ではこれまでに30回以上、校内で危険な武器が発見・没収されています。
ただし、この数字が表しているのは、あくまで校舎内で武器を持っているのが発覚した場合のみ。
学校の中へ武器を持ち込もうとした生徒の数はこれよりはるかに多いのです。
そういった生徒の大半は、学校に設置された金属探知機によって、武器の持ち込みを未然に阻止されています。
探知機にひっかかる武器のトップ3は、銃、ナイフ、メリケンサック。
不良たちの「三種の神器」と言ってよいでしょう。
この検査のお陰で、昼休みに生徒どうしがいきなりドンパチを始めるなどといった異常事態は、辛うじて避けられているようです。
この学校に通うある学生は、「もし金属探知機が無かったら、この学校がどうなるかなんて想像もできない」と語っています。
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2 生徒が教師を脅迫する学校
フィラデルフィアにあるエイブラハム・リンカーン高校は、2006年ごろから校内の治安が悪化の一途をたどっています。
その危険度の高さは、生徒・教師・保護者の多くがこの学校のことを「より暴力的で恐ろしい所になってきている」と表現するほど。
生徒たちにとって平和的に学校生活を送るのが困難であるだけでなく、教師にとっても危険な場所となっています。
2011年には、2週間で4人の教師が、生徒からハサミを使って脅迫される事件が起きました。
3 人種差別が当たり前の学校
同じくフィラデルフィアにあるサウス・フィラデルフィア高校は、生徒全体が数多くの人種で構成されている学校です。
それだけに、人種差別に基づく暴行事件やいじめが多発しています。
また、複数のギャングが校内に存在することも確認されており、そのことが、暴力やいじめを深刻化させる一因となっています。
同校の治安の悪さを示すデータとして、5年間で実に530件を超える暴行事件が発生した記録があり、多いときには1日で30件も起きていました。
そして、それらの暴行事件の被害者は、その大半がアジア系アメリカ人なのです。
4 毎日が殴り合いの学校
2013年から2014年にかけて行われた調査によれば、フロリダ州において最も暴力事件の多い上位8校が、全てマイアミ・デイド郡にある学校でした。
その中でも特に荒れているのが、カトラー・ベイ中学校。
生徒数約1200人の同校では、年間で188件の暴力事件が起きていました。
1年間の登校日数が合計180日なので、ほぼ毎日殴り合いが起きている計算になります。
また、暴力事件だけでなく、窃盗やドラッグなどの犯罪も重大な問題となっています。
5 家に帰るまでが危険すぎる学校
は、年間で平均38件の凶悪犯罪、915件の窃盗事件が発生しています。
とりわけ、学生たちを不安にさせているのが、強盗事件の発生率が非常に高いこと。
被害に遭った生徒のほとんどは、大学からの帰宅途中に襲われています。
ある男子生徒は、道を歩いているといきなり何者かに服を掴まれて地面に押し倒され、「俺は銃を持ってる。有り金を全部出せ」と脅されたとか。
また、性的暴行事件も珍しくないため、暗くなってから帰途につく女子学生の多くは、歩道を歩くのは極力避け、タクシー等を利用するそうです。
こういった犯罪に巻き込まれないように注意を促すEメールが、大学側からはほぼ毎日配信されています。
さらに、同大学のサンタ・バーバラ校では、2008年から2010年の間に119件の暴行事件と159件の窃盗が発生しており、驚くことに、火炎瓶を使った襲撃事件も起きています。
6 警察官がパトロールする学校
シカゴのエングルウッド地区は、犯罪率が特に高いことで知られています。
そんなエングルウッドの中で特に危険度が高い学校とされているのが、ハーパー高校。
普通の学生生活を送りたいのなら、絶対に入学してはならない学校です。
2011年8月から2012年6月の10ヶ月間で、卒業生を含む同校の学生27人が銃で撃たれ、そのうち8人が死亡。
また、319人の学生が、銃が絡んだ暴力事件によって怪我を負わされています。
生徒どうしの殴り合いは日常茶飯事で、教師に対する暴行も稀ではありません。
少しでも安全性を高めるべく、普段から学校の敷地内外を警察官がパトロールしています。
また、この学校の問題は治安の悪さだけではありません。
数学や英語などに関して、生徒の学力は州の平均を大幅に下回っており、各クラスの落第率は50%を超えているのです。
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7 犯罪率が異常に高い超エリート大学
マサチューセッツ州ケンブリッジにあるハーバード大学は、世界中から優秀な頭脳が集まる「アイビー・リーグ」の8大学の一つ。
そんな超エリート校のイメージとは裏腹に、シャレにならないほど犯罪率が高く、その数値はマサチューセッツ州で群を抜いています。
2016年の時点で確認されている、同校で発生した犯罪の種類・件数は以下の通りです。
- 殺人1件
- 婦女暴行128件
- 強盗151件
- 加重暴行(女性や子供に対する暴行)170件
- 窃盗909件
- 車上荒らし157件
- 放火1件
ハーバード大学のキャンパス内で発生する犯罪の中で、特に近年深刻な問題となっているのが強盗と婦女暴行。
婦女暴行事件に関しては、たとえ被害に遭っても大学側に正式な報告を行なう生徒が少数にとどまっているため、実際の発生件数はもっと多いと見られています。