当たるも八卦、当たりそうにないも八卦。
占いの中で最も認知度の高いものと言えば、占星術や手相、タロットなどでしょう。
僕は今まで一度だけ手相を見てもらったことがあるのですが、何を言われたのか見事にほとんど覚えていないので、当たったのかどうかも不明です。
言われた内容が漠然としていたので、時が経つにつれ記憶が薄れていき、気がつけば占ってもらったことすら忘れかけていました。
僕の場合、いっそのこと、
「アンタ、来年死ぬよ……」
くらいに決定的なことを言われた方が、いつまでも覚えていますし、金を払う価値があるというものです。
ところで、占いの中には、あまり知られておらず、果たして当たるのかどうかが極めて怪しいものが存在します。
今回は、そういった妙な占いをご紹介しましょう。
〈originally posted on March 22,2018〉
1 腹占い
人前でお腹が鳴ってしまうのは、なかなか恥ずかしいものがありますが、古代ギリシャでは、この音によって占いが行われていました。
空腹時に鳴るお腹の音だけでなく、お腹の形なども考慮されていたとか。
一部の人たちの間では、人間のお腹から聞こえる音は、死者の声であると考えられていたので、預言者がその音を聞いた上で、人が理解できる表現に翻訳するという形がとられていました。
フランス・ルネサンス期の医師であるフランソワ・ラブレーの書き記した書物には、イタリアのフェラーラという街でもこの占いが行われていたという記録があります。
また、預言者の中には、お腹から何も音が聞こえないのに、強引に「死者の声」を自分の口から発する者もいて、ひょっとするとこれが腹話術の原型ではないかと指摘する学者もいるようです。
【スポンサーリンク】
2 肉球占い
かつて、霊能者たちの集まりにおいて、その中の一人が、ネコの肉球を使って「手相」を見たことから始まったとされているのが、肉球占いです。
この占いでは、ネコの肉球の形や線などで運勢を判断します。
ただし、占いの対象はあくまでネコであって人間ではありません。
自分の飼っているネコにどういう運命が待っているのかを知っておくことで、不幸なトラブルなどを避けられるわけです。
場合によっては、そのネコの先祖についての情報も得られるとか。
この占いが本当に当たるのなら、ネコを飼っている人にはメリットがあるかもしれません。
しかし考えてみれば、ネコは家の中で一日の半分以上を寝て過ごす自由気ままな生き物ですから、飼い主が健康管理にさえ気をつけていれば、運勢を把握しておく必要性は乏しいようにも思います。
3 書物占い
元々は未来を予言するために聖書を使って行われていた「書物占い」は、特に専門的知識が無くとも誰でも簡単に実践できます。
やり方は、書棚から本を一冊ランダムに選び出し、適当に開いたページで最初に目に入った一節を読むだけ。
その内容が、自分の運命を暗示しているというわけです。
手軽に実行できる代わりに、占いとしての信頼性はかなり低いでしょう。
とは言うものの、全く当たらないとも限りませんから、猟奇殺人事件などを扱った小説でこの占いを行うのは止めたほうが良さそうです。
4 チーズ占い
チーズ占いは、中世ヨーロッパの一部の地域で行われていたと言われています。
カットしたチーズの断面を見て、その穴の形状などから、現在・過去・未来のことを占うのが基本。
また、カビが生えている場合、そのことも占いを行う上で非常に重要な要素になるのだとか。
他の方法としては、小分けにされたチーズそれぞれに、ある質問に対する答えを書いておき、一番先にカビが生えたチーズに書かれた答えに従う、というものもあります。
5 爪占い
歴史的に見て、人間の爪は、呪術や魔術、まじないなどに使われていました。
これは、何らかの特殊な力を爪が宿していると捉えられていたからです。
爪占いでは、穢れなき少年の手の爪に油を塗り、それに太陽光が反射したときに見える形によって、未来に起きることを予測します。
爪のどの辺りに「形」が見えたかも重要で、爪の先端に近いほど、その形が示す出来事が起きる日も近いということになるそうです。
6 ウンコ占い
古代エジプトでは、人や動物の大便を使った占いが行われていました。
大便の見た目だけでなく、「内部」も詳しく調べることで、人の運勢を占っていたのです。
その様子は、傍から見れば現代の検便に近いと言えますが、調べるのは人の健康ではなく、あくまで運勢。
また、かつて日本でフンコロガシと呼ばれていたスカラベという昆虫が利用されることもありました。
求愛行動などのときにスカラベが糞を転がす様子を観察し、地面に残った痕跡や転がす速度から占うのです。
7 アスパラ占い
イギリス人の神秘主義者であるジェマイマ・パキントンという女性は、アスパラガスだけを使って人の運勢を占うことができます。
その能力に彼女が目覚めたのは8歳のとき。
パキントンの話によると、彼女の祖母も茶葉を使って占う特殊な能力があるので、それを受け継いだのではないかとのこと。
実際にパキントンが占いを行う際は、精神を集中させながら、両手に抱えたアスパラガスの束を頭上に放り投げ、それらが地面に落下したときの様子で占います。
彼女は、個人の運勢を占うことはもちろん、国民全体に関わる大きなイベントを予知することも得意としています。
例えば、2012年のロンドン五輪でイギリスの選手団が歴史的快挙を成し遂げたことや、同じ年にイギリス王室において2人の赤ん坊が誕生したことなどをズバリ当てています。
後者について占ったとき、地面に散らばったアスパラガスを見ると、ちょうど王冠の形になっていて、しかもそれを指し示すように2本のアスパラがそばにあったそうです。
8 パン占い
食パンを焼き、その焦げ目の形で運勢を占うというものも探せばあるかも知れませんが、これからご紹介するのはそういう占いではありません。
まだ今のような裁判制度が確立されていない時代、パンを使って事件の真犯人を見つけ出すということが行われていました。
容疑者たちの前に「神聖なパン」が用意され、彼らはそれを食べるように命じられます。
無実の者が食べても何ともないのですが、罪を犯した者が口にすれば、その瞬間に腹痛や息苦しさが生じるのです。
仮にそういった症状が出なくても、そのパンを不味いと感じただけでアウト。
有罪確定です。
一説によると、特定のパンに予め毒物を少量含ませておき、裁判官が犯人であると確信した容疑者にそれを食べさせていたとか。
9 お尻占い
やバビロンなど複数の地域で行われていた(らしい)のが、お尻占いです。
お尻に染料を塗りつけ、パピルス紙の上に座ると、魚拓ならぬ「尻拓」が出来るので、その形を見て運勢を占います。
今から数千年も前に実践されていたこの占いを現在も行っている人は、数は少ないですがいるのです。
アメリカ在住のジャクリーン・スタローンさんは、今も活動している数少ない「尻占い師」の一人。
占いを希望する人は、自分のお尻の写真をメールに添付して送れば、占い結果をレポートの形で受け取れます。
彼女の話によると、人間の左右の尻たぶからは、それぞれ依頼人の過去と未来に関する情報を読み取ることができ、割れ目からはその人の人格などを読み取れるそうです。
占い結果の完全なレポートが欲しい場合、料金は600ドルとなっています。
ちょっと高い気がしないでもないですが、お尻の形に自信のある人は、占ってもらうのもいいかも知れません。
【スポンサーリンク】
10 ネズミ占い
家の中でネズミを数匹発見すれば、その事実だけで色々とマズイ状況なのは既に明らかですが、そのネズミを使って敢えて自分の運勢を確かめることもできます。
ネズミ占いは、ネズミの動きや鳴き方などから人の運命を占うというもの。
何故ネズミが占いと結びついたのかという点に関しては、建物がネズミによって齧られることが、何か邪悪なことが起きる前兆であると考えられたためとされています。
古代ローマにおいては、ネズミの発する甲高い鳴き声は、かなり不吉なものとして認識されていました。
そのことを示す顕著な例として、共和政ローマで将軍を務め、第二ポエニ戦争では「ローマの盾」と言われたクィントゥス・ファビウス・マクシムスが挙げられます。
彼は、ネズミの気味の悪い鳴き声を聞いた直後、身の危険を感じて自らその地位を退いたのです。