「もっと英語力を上げたい!」「英検1級を取りたい!」
そういった人の中には『TIME』の購読を検討する人が少なくない。
世界的に有名なニュースマガジンである『TIME』の文章は、英語学習に最適であるという声もよく聞く。
しかし、『TIME』の購読には、決して無視できない罠があるのをご存じだろうか……。
〈originally posted on October 29 ,2014〉
1 『TIME』を読むべき理由とは
ネット環境さえあれば、海外のニュースサイトを気の済むまで見られるのに、何故わざわざ『TIME』を購読する必要があるのか疑問に思う人もいるかも知れない。
もちろん、最新のニュースについて、TIME独自の切り口で解説した記事が読めるというメリットもあるが、英語力を上げるという観点からすれば、多くの「良質の英語」に触れられるというメリットの方が大きいだろう。
また、ネットで海外のニュースを読む場合と違って、定期購読すると毎週『TIME』が送られてくるわけだから、どうしても「読まなければいけない」というプレッシャーを自分にかけることができる。
これは重要な点だ。
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2 購読にかかる費用
『TIME』は単品で買うと900円くらいするが、1年間の定期購読で約1万6千円、1号あたり300円程度であるし、電子版ならもっと安い。
ちなみに、『TIME』を英語学習の一環として利用するつもりなら、紙媒体の方が個人的にはおすすめだ。
知らない単語・熟語や、覚えておきたい表現などにラインを引いて、時々復習するにはデジタル版よりも使い勝手が良い。
3 「積ん読」のワナ
先述のように、定期購読すればどんどん読んでいかねばならないというプレッシャーがある。
ただ、それでも、読んでいない分が溜まっていくという可能性は否定出来ない。
『TIME』を溜めないようにする上で重要なのは、「完璧主義」は捨てるということだ。
何も、雑誌の最初から最後までを隅々まで読む必要は無い。
政治の話題にあまり興味が無い人なら、おそらく海外の政治にも興味は無いだろうから、大統領選挙に関する記事などは退屈に感じてしまうだろう。
自分に興味の無い記事を読むことも大事だが、優先順位をつけるなら、まずは興味のあるものを読んでいくべきだ。
その方が、毎号読むという習慣が身につくし、英語力アップにもつながる。
とにかく意地でも読み続けなければ、どんどん溜まっていく!
4 難易度はどうなのか
必要な語彙力を考えれば、決して気軽に読めるレベルではないだろう。
一応の目安としては、英検であれば準1級レベル以上の単語力は欲しいところ。
というのも、語彙力が低いと、極端な話、1行読むごとに辞書を引かねばならないような事態も考えられるからだ。
そうなると、先述の積ん読状態に陥る可能性が一気に上がってしまう。
定期購読を考えている人で、読み続けていけるか不安のある人は、こちらのTIME公式サイトにて記事の一部を読んでみることをオススメする。
ところで、TIMEの文章というと、一昔前はやたらとレトリックを凝らした難解な文章が多かったようだが、今のTIMEに関して言えば、そこまで難解というわけではない。
さらに、昨年から始まったサービスである「TIME / TEP」というサイトが強い味方になってくれる。
これは、定期購読者のみがアクセスできる学習サイトで、カバーストーリーなど主要な記事の抄訳や、重要表現のチェックなど、『TIME』を使った英語学習をサポートするサイトである。
こういったものを利用すれば、「全く読めない…お手上げ!」という事態にはならないだろう。
TEPとは…
では、そのTEP(Time Educational Program)の詳細をご紹介しよう。
【抄訳】・・・カバーストーリーを始めとする主要記事の抄訳を確認できる。
初めてTIMEを購読するという方は、まずこちらで文章の大まかな内容を把握してから英文を読むのも良いかもしれない。
【TIME video】・・・TIMEのライターによる映像コンテンツ。
【TIME英語道場】・・・様々な練習問題などに挑戦できる。
「読解問題」では、特定の記事に関する設問に多肢択一式で答える。
「書き写し道場」は、指定されたページ、行の文章を書き写すだけ。
「聞き写し道場」は、特定の文が読み上げられるので、それを聞き取って書き込む。
「今週の語彙」では、重要表現をいくつか学べる。
なお、「書き写し」と「聞き写し」ではちゃんと正誤判定も行われる。
定期購読者が無料で利用出来る学習支援サイトとしては、コンテンツが充実しており、満足度は高い。
各号の学習を進めると、「達成度」も記録されるので、TIMEを使った学習の進行度合も確認できる。
5 契約更新のワナ
定期購読者でも知らない人がいるかもしれないが、定期購読の期限が迫ってくると、「Special Offer」と書かれた封筒が届く。
これは、今すぐ契約更新すれば数ヶ月分が無料になるというもので、同封されている申込用紙には申込期限が書かれている。
ならば、すぐに申し込めば良いだけの話しなのだが、先述のような積ん読状態が続いていると、更新すべきかどうか迷ってしまうのだ。
そして、迷っているうちに期限が過ぎてしまって…などという事態になりかねないのである。
しかし、じつはこの「Special Offer」、申込期限が過ぎていても用紙が手元にあれば申込めるのである。
一応期限は設けられているが、それを過ぎたら無効ということではないのだ。
6 英会話不要論
TVなどでは、英会話教室のCMがしょっちゅう流れている。
「英語くらい話せないでどうするの?」
とでも言わんばかりに強迫観念を植えつけてくる。
しかし、冷静に考えれば、英会話の能力は「誰にでも」必要なものではない。
英語が不可欠な職業に就く場合なら別だが、そうでなければ、日本で普通に暮らしていて英語を話さねばならない機会など皆無である。
そして、この先使うかどうかも分からない英会話能力を磨くためには、それ相応の金と時間を投資せねばならない。
そう考えると、英会話というのは、本当に必要な人だけ身につければよいのであって、その他大勢の人に英会話を勧めるなど全くもって大きなお世話でしかない。
一方で、「TIME」などの雑誌を「読む力」は別だ。
英語読解力は職業を問わず活かせる機会が多いし、スキルを磨くための投資も最小限で済む。
毎日電車で通勤・通学する時間に読む習慣を付けるだけでも確実に読解力はアップする。
その意味で、多くの人に勧められるのは、「英会話」ではなく「TIME」の方だと考えるのが自然ではないだろうか。
なんだか段々「TIMEの回し者」みたいな論調になってきたが、それはさておき、英語は好きだけれど英会話までは特に必要ない、という人には英語力を鍛える手段として、「TIME」の購読をお勧めしたい。
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