ウィキペディアには、言うまでもなく、無数の記事があります。
少し大げさですが、このサイトは、人類の飽くなき知識欲を存分に満たすことのできる、終着駅のような存在と言えるかも知れません。
ウィキペディア内で検索されることが比較的多いのは、おそらく、有名人に関する情報、専門用語、歴史上の出来事などでしょう。
しかし、同サイトが蔵している情報の種類は、普通の人では思いつかないようなものもあります。
今回は、通常の利用方法ではまずお目にかかれない、珍しい記事の数々をご紹介しましょう。
〈originally posted on May 16,2015〉
! ウィキペディアの基礎知識
2001年にジミー・ウェールズとラリー・サンガーによって創設された、世界最大のオンライン百科事典であるウィキペディア。
ちなみにこの名称は、ネットの共有を表す”Wiki” と、百科事典を表す”encyclopedia” を合わせた造語です。
ではここで、ウィキペディアに関する基本的なデータを挙げていきましょう。
現在、約260の言語をサポートしており、ほとんどの言語で最もよく検索される記事のジャンルの一つが、性に関するもの。
年間で約6億8400万ものページが閲覧されている。
天気の悪い日には記事の更新頻度が上がる。
どんな記事でも投稿可能だが、「辞典として相応しいものであること」「中立的な立場で書いていること」「検証可能な事実であること」などといったガイドラインは存在する。
ページの編集をしている人の19%は「修士号」取得者で、4.4%は「博士号」取得者であるらしい。
普段からウィキペディアを利用する人の中で女性は31%で、記事を編集する女性はわずか1.3%。
記事の「荒らし」行為は、2002年で0.2%しかなかったが、2009年には7.7%にまで激増。
ウィキペディアの記事の「正確さ」は、他の著名なオンライン辞典に比べると、80%の信頼度。
1 おバカ記事の墓場
ウィキペディアに投稿された記事で、あまりにおバカなタイトル・内容のため、ガイドライン違反で削除されてしまったものが山ほどあるのですが、それらのタイトルをリスト化したぺージが存在するのです。
それが、DAFT(Deleted Articles with Freaky Titles)。
記事の中身自体は削除されているので見られないのですが、あまりに馬鹿げたタイトルが付けられた記事なので、完全に消滅させるには惜しいと考えた人たちによって、そのタイトルのみがリスト化されているのです。
その中には、
AAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
や
Noooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo.
などといったワケの分からないものもあります。
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2 ウィキペディアのポリシー
ウィキペディアの掲げるポリシーは、ウィキペディア内で確認できるのすが、中にはちょっと理解しがたいものが含まれています。
例えば、「呪い禁止」のポリシー。
これは、ウィキペディアのコミュニティーに対し、悪意のある呪文によって「呪い」を掛けてはならない、というもの。
また、現在は削除されてしまいましたが、以前は、
「スパイダーマンの格好で国会議事堂に登ってはいけない」
なんていう奇妙なものもありました。
3 Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo
ウソのようですが、本当に存在する項目です。
「バッファロー」という単語を8つ並べただけのようにも思えますが、実はこれ、れっきとした文なのです。
同音異義語だけを使っていかに複雑な文が作れるかを検証した例文なのですが、この中で「buffalo」は3つの異なる意味で使われています。
- 地名としてのBuffalo(ニューヨークにある港町)
- 動物としてのbuffalo(=アメリカバイソン)
- 動詞としてのbuffalo(困らせる、脅す)
分かりやすいように、単語に色を付けて、関係代名詞節にカッコを加えるとこうなります。
Buffalo buffalo (that) [ Buffalo buffalo buffalo ] buffalo Buffalo buffalo
つまりこういう意味です。
「バッファロー産のバイソンが困らせている、同じくバッファロー産のバイソンが、(他の)バッファロー産のバイソンを困らせている」
4 ホテル・ウィキペディア
何とこれ、ウィキペディアの「テーマソング」なのです。
かつて存在した「イーグルス」というバンドが1976年にリリースしたヒット曲である「ホテル・カリフォルニア」をもじったものになっています。
こういうおふざけは、ウィキペディア本来の趣旨からは外れてしまうわけですが、ウィキペディアにはユーモアに溢れた記事を集めた
「Silly Things」
という、文字通り馬鹿げたことのみを扱うページがありまして、このテーマソングもそのページに含まれているのです。
ちなみに、「おふざけ」の一種として、「ビコリム戦争(Bicholim Conflict)」という記事もかつて存在していました。
4500ワードを超える大作の記事で、ポルトガルとマラータ王国の戦争について細かく書かれているのですが、実は全て、何の根拠も無い「でっち上げ」なのです。
5 リストのリストのリスト(List of lists of lists)
ウィキペディアには、あるテーマについて項目をまとめた「リスト」記事が多数存在しまし。
そして、そのリスト記事をさらにまとめてリスト化したものもありまして、驚くことに、それらをさらにリスト化したものまであるのです。
それが、「リストのリストのリスト」。
ウィキペディア内には他にもちょっと変わったリスト記事があります。
例えば、
「セクシーなローマ法王のリスト」
「絶対に作るべきでないウィキ項目のリスト」
など。
今後も、こういったリストは増えていくでしょう。
6 ウィキペディア最後の記事
広告を一切表示しないウィキペディアは、いずれ運営資金が底を尽きてしまうかもしれません。
あるいは、インターネット自体が大きく変貌を遂げて、ウィキペディアのようなサイトが存続できなくなることも考えられます。
いずれにせよ、ウィキペディアにもいつか「終焉の時」がやって来る可能性はあります。
そうなると、この世界最大の百科事典における「最後の記事」が何になるのかが気になるところ。
そしてそれを「予想するページ」が、ウィキペディア内に存在するのです。
「Last topic pool」
というページがそれで、宗教や文化、哲学、科学など様々な分野について「最後の記事」が予想されています。
どういったものがあるのかといいますと、
「ウィキペディアの閉鎖」
のような、それらしいタイトルもあれば、
「円周率の最後の数字」
「ゼロで割る方法」
といった数学的な話題などもあります。
他には、
「何故ゾンビは勝利したか」
「第3次世界大戦の終結」
みたいに、歴史的な(?)タイトルもあります。
しかし中には、
「電子レンジを帽子として使う方法」
のようにおバカなものもあったり。
それにしても、ウィキペディアが閉鎖されるとしたら、最後の記事は一体何になるのでしょうね……。
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